金融の世界ではリスク=ボラティリティと一般的に解釈されます。少なくとも、僕はそう学びました。

しかし、両者は似て非なる概念だと最近確信しました。そして、より重視すべきはリスクだと気が付きました。リスクを下げるためには、ちょっとくらい高いボラティリティは受け入れてもよいと思います。

ボラティリティとは資産価格の変動率のことを指します。これは統計的に数字で算出可能で、具体的には分散や標準偏差として表されます。要はボラティリティが高い銘柄とは株価が上に下にグワングワン動くということです。エネルギー株なんてこれに該当しますかね。2018年は去年よりS&P500のボラティリティも高まっていますよね。

一方で、リスクとは投資家が銘柄にどれくらい不安を感じているかを指した言葉です。非常に主観的で曖昧な概念です。ボラティリティと違って統計的に数字で算出することはできません。せいぜい、5段階評価とかで何となく表すしかありません。

リスクレベル 0 超安心。絶対儲かると確信している。バフェットは常にここ。
リスクレベル 1 かなり安心。長期で90%くらいの確率でリターンがあると思える。
リスクレベル 2 まあまあ安心かな。
リスクレベル 3 ちょっと不安。未来が見通しづらいなあ・・。
リスクレベル 4 めっちゃ不安!どんなビジネスやってるかすらわからん。HiroのIBMはここ。


独断でリスクレベルを分類してみました。

リスクを下げることが重要です。なぜなら、リスクが高いと暴落時に投げ売りしてしまう可能性が高まるし、ましてや買い増すことなんて不可能な状態に陥るからです。毎晩ブルブル震えながら床に就くことになります。

特定銘柄に集中投資している投資家を見ると、「あの人、リスク高い運用やってるな~」と思うかもしれません。しかし、リスクは人それぞれだから何とも言えません。あなたにとって一見ハイリスクなポートフォリオでも(レベル 3くらい)、別の誰かとってはリスクゼロかもしれません(レベル 0)。

これはバフェット(バークシャー)の保有上場株ポートフォリオです。
アップル1銘柄でポートフォリオ全体の4分の1を占めます。上位4銘柄で50%以上。

結構な集中投資です。このバフェットのポートフォリオのボラティリティは決して低くはないです。S&P500よりボラは高いでしょう(まあ、個別株投資をする以上絶対そうなるが)。

でも、バフェットのリスク認識はきっとゼロです。バフェットは強い確信を持ってアップル株を買い進めています。だから、明日リーマンショック並みの金融ショックが起こっても投げ売りなんてすることなく、むしろ買い増してくるでしょう。アップル株の長期リターンを確信しているからです。

ボラティリティも低いに越したことはないけど、リスクを下げることの方がより重要だと思います。目に見えないふわっとした概念だから軽視されがちですが、暴落時に投げ売りしないためには低ボラティリティなポートフォリオよりも、低リスクなポートフォリオ作りが大切なんだと思います。

知らない銘柄に分散投資すると確かにボラティリティは下がりますが、リスク認識はむしろ上がってしまいます。それならいっそのこと、よく理解している銘柄に集中投資して、高いボラティリティは許容しリスクを下げた方がいいのかもしれません。