しつこい!と思われようとも何度でも繰り返し言いますが、長期投資では配当が大切です。
いかに長期的な視野を持って配当を最大化できるかが肝です。

配当が増えるってことは、その原資となる企業の業績も向上しているということです、当たり前ですが。

配当配当配当としつこく言っておりますが、要は20年30年後今以上にしっかり儲けている企業に投資しましょうってことです。平たく言えば、儲かる企業に投資しましょうと言っているだけです。
当たり前の事を言っているだけです。

PERなど企業収益に着目した指標だけでなく、配当に着目した指標にも注目したいところです。

配当に関連した指標として最もメジャーなのが配当利回りでしょう。

配当利回り=予想一株配当(DPS) / 株価

例えば、配当利回りが3%の銘柄に100万円を投資したら年間で3万円の配当を貰うことができます。

配当利回りが高い銘柄に投資した方が、目先の配当金額が上がります。来年とにかくたくさんの配当をもらいたいなら、配当利回りが高い銘柄に投資すればいいです。

しかし、配当利回りが高い銘柄に投資すれば、それだけで長期的な投資リターンを最大化できるとは限りません。

配当利回りが高く現在の配当が多くても、将来の増配が小さいかもしれません。減配してしまう可能性だってあります。

配当利回りが低くて現在の配当が小さくても、将来の増配幅は大きいかもしれません。

株式投資で高いリターンを得たいなら、長期的な配当受領額をなるべく大きくすることです。もちろん、どの企業が今後30年50年、高い利益を出し続けて増配を続けることができるかはわかりません。

その将来の不確実性に対してリスクをとっていくのが株式投資というものです。どんな優良企業であれ、未来はわかりませんので分散投資は大切だと思います。

マーケットはだいたい合理的です。

リスク認識が同程度の銘柄であれば、予想将来総配当が同じくらいの金額になるように株価は値付けされていると考えるべきです。配当利回りが高いことが有利ってわけじゃないし、配当利回りが低いことが不利ってわけでもないです。

アップル(AAPL)の配当利回りは1.7%と市場平均をやや下回っていますが、それはアップルが今後市場平均以上に増配するだろうとマーケットが期待しているからです。

ベライゾンコミュニケーションズ(VZ)の配当利回りは5.2%と市場平均を大きく上回っていますが、それはベライゾンが今後市場平均並みに増配していくことは困難だろうとマーケットが判断しているからです。

配当利回りが高いVZが有利ってわけでもないし、配当利回りが低いAAPLが不利ってわけでもない。マーケットは大体合理的なんだから、どちらを選ぶかはあなたの好みないし予想次第です。わからないなら、分散して投資すればいいです。

 

 

配当利回りの高い低いという議論でいつも頭に思い浮かべることがあります。
それは陸上競技の400m走です。

400m走ってレーンによってスタートする位置が違いますよね。外側の人は一番前からスタートできるけど、大回りを走らなきゃいけない。内側の人は一番後ろからのスタートになるけどインを走ることができす。

別にどこからスタートしても走る総距離は400mで共通です。
外側だから有利とかないはずです。

大事なのはどこからスタートするかではなく、各アスリートの能力です。
足が速いか遅いか。

株式投資における、各銘柄の配当利回りの差も一緒です。

配当利回りが高い銘柄は、400m走で外側の第8レーンを走っているようなものです。
一見すると一番前の有利な位置からスタートしているように見えますが、段々と内側のランナーに追いつかれます。逃げ切ることができるかもしれないし、追い抜かれるかもしれない。それはランナーの足の速さ次第です。

配当利回りが低い銘柄は、400m走で内側の第1レーンを走っているようなもんです。
一見すると、一番後ろの不利な位置からスタートしているように見えるけど、段々と外側のランナーに追いついてきます。

適当に各レーンに該当する銘柄をチョイスしてみました。
()内は配当利回り。

第1レーン:アルファベット(0%)
第2レーン:ビザ(0.7%)
第3レーン:アップル(1.7%)
第4レーン:ジョンソン&ジョンソン(2.6%)
第5レーン:プロクター&ギャンブル(3.2%)
第6レーン:デュークエナジー(4.3%)
第7レーン:AT&T(5.4%)
第8レーン:ロイヤル・ダッチ・シェル(7.0%)

あなたは、どのレーンからスタートしたいですか?
別にどれが有利不利っていうのが、明らかにあるわけではありません。

配当再投資戦略を信じて実行している人は、第1レーン・第2レーンには目もくれないかもしれません。ですが、インを走るランナーがアウトのランナーをごぼう抜きすることだってあるかもしれません。

配当が大事だからって必ず外側を走るべきというわけではないです。配当を大事にする投資家が、内側を走ることだって当然ありです。内側を走る銘柄は今の配当が少ないだけで、将来その配当が大きく成長する可能性を秘めています。

ただ歴史を振り返ると過去高いリターンを出してきた銘柄は、第3レーン・第4レーンあたりが多いようです。ダウの犬投資戦略が有効であることを考えると、第5レーン・第6レーンあたりも有望かもしれませんね。

ちなみにちょっとググって調べたのですが、実際の陸上では中央のレーンが少し有利みたいですよ。走りやすいらしい。詳しくは知らんけど。

実際の株式投資でも第3~第5レーンあたりがいいのかもしれません。とは言え、マーケットが合理的であることを考えれば、どのレーンも特段有利不利はないと心得ておく方がいいでしょうね。

配当が大事だからって、配当利回りが高い銘柄ばかりに投資すればいいってもんじゃありませんよ。