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【IBM銘柄分析】IBMはコンピューター時代を創ったITサービス大手。現在事業見直しを進める。

   

※2016年度データ更新済み
※記事更新(2017/12/5)

S&P100構成銘柄を中心に米国企業の業績、財政状態、キャッシュフロー、株主還元状況について過去10年分のデータをグラフ化しています。

データソースはMorningstarです。

今回はInternational Business Machines Corporation(IBM)をご紹介します。


    IBM財務情報

基本情報

会社名 IBM
ティッカー IBM
創業 1910年
上場 1915年
決算 12月
本社所在地 ニューヨーク州
従業員数 380,300
セクター 情報技術
S&P格付 AA-
監査法人 PwC
ダウ30
S&P100
S&P500
ナスダック100 ×
ラッセル1000

 

地域別売上高

IBM地域別売上高

 

事業構成

IBM事業構成

 

業績

 

キャッシュフロー

株主還元

この記事を読むともっとこのグラフを理解できます!

※単位は「百万ドル」ではなく「ドル」の誤りでした。

 

連続増配年数

17年

 

バリュエーション指標等(2017/12/5時点)

PER:13.0倍 最新情報はこちら

配当利回り:3.9% 最新情報はこちら

配当性向:44% 最新情報はこちら

 

感想

IBMは1911年にニューヨークで創業した企業です。設立当初はタイムレコーダーなどを開発していた小さな会社でしたが、今では従業員38万人を抱えるITサービスの巨大企業です。

1964年にIBMの社運をかけた一大事業だったメインフレームSystem 360の開発に成功し、コンピューター界で盤石の地位を築きました。メインフレームやパーソナルコンピューターでIT時代の幕開けを牽引した同社ですが、1980年代辺りから他社の追随を許すようになります。特にマイクロソフトのOS搭載のPCが出始めたことで、メインフレームの価格は下落しIBMは赤字に陥りました。

その後、90年代になってRJRナビスコ会長からIBMのCEOに就任したルイス・ガースナー氏が大ナタを振って事業を再編し、IBMを復活させました。ガースナー氏は当時のIBMの従業員はとても優秀かつ真面目勤勉だったがとにかく組織が硬直していたと、後に語っています。外のお客様を見るのではなく、皆内側を向いて仕事をしていたと。なんだか典型的な日本企業のようです。

ガースナー氏はそんなIBMの組織・文化を変え、また経営資源を適切な分野に投資することでIBMの業績を改善させました。具体的には、メインフレームの価格を思い切って引き下げて在庫を捌くとともに、主力事業をITコンサルティングに据えました。要件定義からシステム構築、運用後の稼働サポートまで一貫してクライアント企業を支援するビジネスです。製造業からサービス業への大転換だと言えます。組織の文化を変えるのは一筋縄ではいきません。ガースナー氏がいなければ今のIBMはなかったでしょう。歴史に残る名経営者です。

そのIBMは再び苦境に直面しています。上述したコンサルティングを通したハードウェアの販売収入の落ち込みが大きく、減収決算が続いています。現CEOのバージニア・ロメッティ氏は「戦略的必須」事業(ソーシャル・ネットワーク、モバイル、アナリティクス、クラウド、ビッグデータ分析、セキュリティ技術)の売上高拡大を目指しており、直近でこれらの「戦略的必須」事業の割合は46%にまで増えています。

IBMの過去10年分の財務データを確認しました。

売上高はFY11をピークに下がり続けています。1000億ドルあった売上高は5年間で20%減の800億ドルまで下がっています。ドル高の影響も多少はありますが、レガシーのハードウェア事業の不振が響いています。事業転換によって、今後成長路線に戻れるのか注視する必要があります。

業績不振が続いている割にキャッシュフローは安定しています。営業CFマージンは20%超を確保しているし、フリーCFも多いです。マイナス成長に陥っているものの資金は余裕で回っており、事業転換を進めるための投資キャッシュは問題なく確保できているようです。

配当は毎年増加しており連続増配年数は17年です。自社株買いにも積極的ですが、さすがにここ2年間は少なめで総還元性向は70%ほどです。今は株主還元よりも投資を優先しています。

 

2017年第3四半期決算で、ようやくIBMの業績に底入れ感が見え始めました。しかし、まだマーケットは長年不振だったIBMの復活を信じ切れないようで、PERは13倍とS&P500平均20倍を大幅に下回っています。周りがリスクを取りたがらない時にリスクテイカーとなることで、高い投資リターンが期待できます。今IBMに投資すれば、将来業績が回復してPERが市場平均程度に回復する過程で投資家は大きな利益を手にできるでしょう。しかし、もちろん、事業改造に失敗して衰退してしまうリスクもあるわけです。IBMの事業リスクをテイクするかしないか、各投資家の判断次第です。

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