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【IBM銘柄分析】IBMはコンピューター時代を創ったITサービス大手。現在、事業改革中。

   

※2018年12月期決算データ反映、コメント刷新(2019/3/21)

S&P100構成銘柄を中心に米国企業の業績、財政状態、キャッシュフロー、株主還元状況について過去10年分のデータをグラフ化しています。

データソースはMorningstarです。

今回はInternational Business Machine(IBM)をご紹介します。

基本情報

会社名IBM
ティッカーIBM
創業1910年
上場1915年
決算12月
本社所在地ニューヨーク州
従業員数350,600
セクター情報技術
S&P格付AA-
監査法人PwC
ダウ30
S&P100
S&P500
ナスダック100×
ラッセル1000

地域別売上構成比

セグメント別売上構成比

業績

キャッシュフロー

バランスシート

資産

負債純資産

株主還元

連続増配年数

19年

過去10年の配当成長

年率+12.6%

この10年で配当は3.3倍になりました。

過去の株主リターン(年率、配当込み)

過去10年(2009~2018):+5.8%
過去20年(1999~2018):+2.8%
過去30年(1989~2018):+6.7%

バリュエーション指標(2019/3/21時点)

予想PER:9.9倍 最新情報はこちら

配当利回り:4.5% 最新情報はこちら

コメント

IBMは1911年にニューヨークで創業したIT企業です。設立当初はタイムレコーダーなどを開発していた小さな会社でしたが、今では従業員35万人を抱える巨大ITサービス企業です。

1964年にIBMの社運をかけた一大事業だったメインフレームSystem 360の開発に成功し、コンピューター界で盤石の地位を築きました。メインフレームやパーソナルコンピューターでIT時代の幕開けを牽引した同社ですが、1980年代辺りから他社の追随を許すようになります。特にマイクロソフトのOS搭載のPCが出始めたことで、メインフレーム事業の利益率は急速に低下し、1990年代前半には3期連続の最終赤字に陥りました。

90年代になってRJRナビスコ会長からIBMのCEOに就任したルイス・ガースナー氏が大ナタを振って事業を再編し、IBMを復活させました。ガースナー氏は当時のIBMの従業員はとても優秀かつ真面目で勤勉だったが、とにかく組織が官僚的で硬直していたと後に語っています。外のお客様を見るのではなく、皆内側を向いて仕事をしていたと。なんだか典型的な日本企業のようです。

ガースナー氏はそんなIBMの組織・文化を変え、また経営資源を適切に配分することで見事IBMの業績を改善させました。具体的には、メインフレームの価格を思い切って引き下げて在庫を捌くとともに、主力事業をITコンサルティングに据えました。要件定義からシステム構築、運用後の稼働サポートまで一貫してクライアント企業を統合的に支援するビジネスです。製造業からサービス業への大転換だと言えます。組織の文化を変えるのは一筋縄ではいきません。ガースナー氏がいなければ今のIBMはなかったでしょう。歴史に残る名経営者です。

そのIBMは今再び苦境に直面しています。上述したコンサルティングを通したハードウェアの販売収入の落ち込みが大きく減収決算が続いています。現CEOのバージニア・ロメッティ氏は「戦略的必須」事業(ソーシャル・ネットワーク、モバイル、アナリティクス、クラウド、ビッグデータ分析、セキュリティ技術)へ経営資源を集中させています。

現在の開示セグメントは主に以下の4つ。
・テクノロジサービス、クラウドプラットフォーム(TS&CP)
・コグニティブ ソリューション
・グローバルビジネスサービス
・システム

TS&OPは顧客のビジネスをサポートする包括的なITインフラ、プラットフォームを提供します。IBM Platformソリューションを活用して、顧客のプロセスを改革するハイブリッドクラウドを提供します。

「コグニティブソリューション」は、人工知能「ワトソン」を含む事業です。顧客企業の内部情報のデータ解析、予測分析を提供します。粗利率77%と非常に収益性の高い部門です。まあ、その分開発費は掛かるでしょうが。

「グローバルビジネスサービス」はビジネスコンサル、ITコンサル、アプリケーション管理、保守を担う事業です。

以上、IBMの年次報告書を読みながら各事業の内容を書きましたが、なかなか理解が難しいです。法人向けビジネスが大半ですし、馴染みは薄いです。私は株主なんですけどね。。

昨年2018年秋にクラウド用ソフトウェア大手のレッドハットを330億ドルで買収すると発表しました。

財務データを確認しましょう。

売上高はFY11から減少傾向でしたが、FY15以降は何とか横ばいを維持しています。構造改革によって成長路線に戻れるのか、今後の決算を注視していきます。粗利率はFY14をピークに減少しています。

FY18の売上高は795億ドルで前年比微増。為替の恩恵を除外して考えれば、ほぼ前年並みと言えます。グローバルでのコンサル事業は2%ほど伸長しましたが、その他の部門は減収でした。

FY18の純利益は87億ドルで前年比+52%。前年FY17は税制改革に伴って55億ドルの特別損失を計上していました。その反動で増益幅が大きく見えています。調整後EPSは+1%ほど。売上高と同じく利益もほぼ横ばいという理解でOKでしょう。

キャッシュは安定してるものの、この10年減少傾向です。FY18は運転資本の増加と法人税納付額増加が響いて、前年より営業CFが減っています。まだキャッシュは潤沢ですが、今後急に営業CFマージンが低下するような事態に陥らないかウォッチしていきたいところ。

バランスシートを見てみましょう。流動資産が4割、固定資産が6割という資産構成。流動資産は現預金と金銭債権が多いです。IBMは顧客への融資(金融事業)も行っており、債権が多く計上されているものと推測します。固定資産はのれんが多いです。レッドハット買収が確定すれば、のれんはさらに増加するでしょう。

自己資本比率は14%と低めの数字です。これまで多額の自社株買いを行ってきた結果です。レッドハット買収のための資金を負債で調達するはずで、財務健全性は悪化するでしょう。

連続増配年数19年。バフェットが株主だった2012年前後は100億ドル以上の自社株買いを実施していましたが、戦略的事業への投資を進めている最近は控え目で30億ドル~50億ドル/年程度です。それでも総還元性向は100%超です。

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