友人の結婚式のため3連休は福岡の実家に帰ってました。うちの実家は私が4歳の時に買った9階建ての分譲マンション。特に目立った点もない至って普通の物件です。
子供の頃は同じマンション内でたくさん友達ができました。うちの両親と同じく、結婚して子どもを授かって家を買った夫婦が大勢いたからです。お隣さんも私と同い年くらいの子どもが二人いて、よく庭で一緒に遊んでました。幼稚園も一緒。今はどうしてるのか全く知りませんけどね。
そんなうちのマンションにも高齢化の波が押し寄せています。そりゃそうですね。30年前の分譲マンションですから、当時30歳の人は60歳になる頃です。ちなみにうちの両親も60代です。
実家に帰って気付いたことがあります。少し高い所にあるエントランスに至るまでの道がバリアフリー化されていたんです。車いすでも通れる立派な通路ができていました。
マンション住人同士の議論なのか投票なのか知りませんが、何らかの意思決定があって修繕積立金の用途を決めたはずです。小さな子供を持つ若い夫婦も数組住んでますが、そういう夫婦にとってバリアフリーの通路なんて不要でしょう。もっと他にお金を使いたいことがあったはず。でもその意見は通りません。怖くても発言すらできなかったかも。自分より年上しかも多数。勝てるはずがない。
最近、日本の65歳以上の数が全人口の28%を占めるという報道を見ました。そういうニュースを見ると、年金改革なんて絶対に無理だろうなと半ば諦めの気持ちを抱きます。
政治というのは選挙権を持つ大多数の利益を気にするものです。それは悪いこととは思いません。そういうもんでしょ。1億人の利害を調整するんです。誰も不満を持たないリソース配分なんて土台無理な話。なるべく大勢の人の幸福に寄与するような政治意思決定になるのは仕方ない。
将来の日本を生きる若い世代の利益を考えるべきという意見もあります。65歳以上の高齢者層は確かに人口の3割を占める大きな勢力かもしれないけど、これからの未来ある子どもたちのためにお金を使って欲しい、使うべきだと。
これは正論かもしれないけど、少なくとも私には自分の親世代にこんなこと言う資格はないです。なぜなら、私自身が自分の利益ばっかり考えている欲深い奴だからです。今の子ども世代はまだしも、100年後の子ども達の利益なんてほとんど考慮できてないのが正直なところ。
みんな自分が一番可愛いから、夏は毎日のように35度を超える猛暑日が続くのでしょう。私が子どもだった頃は35度に達したら大ニュースだった記憶があります。温暖化を食い止めるために車、飛行機には乗りません、エアコンも控えます、なんてできません。自分の生活環境の方が優先。今の便利な生活を捨てるなんて無理です。 自分一人が行動したところで世の中変わらないだろという思いもあります。
世の中は徐々にしか変わらない。技術発展のスピードは凄まじいけど、法整備など政治意思決定は先ず追い付かないです。なぜなら、政治は人口ピラミッドに左右される面が大きいですが、人は1年ずつゆっくり年を重ねるからです。
逆に言うと、ゆっくりではあるけど世の中は確実に変わっていくとも言えます。「働き方改革」は団塊の世代が引退したから政策として掲げることができたそうです。「もう終身雇用は不可能です」と日本を代表する企業のトップが発言できたのもそういう背景があります。
不確実な世の中において、人口ピラミッドほど予見可能なものは他にありません。2020年~2050年の人口ピラミッド予想を眺めるのは、意外に長期投資のポートフォリオ作りに役立つかもしれません。ただその場合は日本じゃなくって、世界のデータを見る必要がありますけどね。まあ今の時代、ググれば世界の人口ピラミッドも出てくるでしょう。