「ひと財産つぶした」”日の丸液晶”株主総会で批判
というタイトルのヤフーニュースを今日目にしました。

“日の丸液晶”とはもちろんジャパンディスプレイ(JDI)のことです。5年連続赤字で目下リストラを敢行しているところです。

JDIにはINCJ(産業革新投資機構)が2,000億円以上の資金を投じてきました。INCJの財源は主に政府予算、つまり私たちの税金です。INCJの投資損失は間接的に私たちの投資損失と言えます。

役所でも企業でも立場が上になればなるほど、職務内容がリソースの配分になります。自分が汗水たらして働くのではなく、配下の従業員をどう配置するか、会社の資金をどこに投資するかジャッジするのが仕事になります。そのジャッジをミスると大変なことになります。

僕は決算の仕事でミスをする時があります。疲れていると、仕訳の金額を誤ってしまうことがあります。後輩の資料の作成ミスを見逃してしまうこともあります。ミスをした時は迷惑かけた人に謝って、できる限りフォローアップするしかないです。

誰だってミスはある、人間だもの。

ただ、立場が上がると一つの判断ミスがもたらす損失額が甚大になります。僕が会計仕訳を一つミスっても恐らく1円も会社に損害を与えないですが(いや、余計な残業代を発生さることで損失を生んでいるか・・)、社長が2,000億円のM&Aで判断を誤ってしまえば、株主に与える損失は多大です。株主総会では怒号が飛び交います。

社長も人間だからミスはあり得ます。日本企業は買収で発生したのれんを減損する事案が散見されますね。

失敗が成功の元。失敗を恐れてチャレンジしないのはもったいない。失敗してもそこから学んで次に活かせばいい。時間は有限。トライ&エラーで進めるのが効率的。

とは言え、取り返しのつかない失敗はなるべく避けたいところ。なるべく若い内に小さな失敗をたくさん経験しておくことが大事なんでしょうね。「失敗したけど次はがんばります!」と言って許してもらえるレベルのこともあれば、そんな悠長なこと言ってられない時もあります。