貯金するではなく、資本を蓄積すると考える

20代、30代の若い頃に節約して金を貯めることが幸福かどうか。

若い時こそ自分への投資を優先すべき、有り金はすべて使ってしまえと考える人。所帯を持ってなくて支出をコントロールしやすい若い間に、ある程度は貯金しておくべきと考える人。

色んな考え方があると思います。私はもちろん後者です。ちゃんと金は貯めておいた方がいいと思います。

貯金という安心を求めるというよりは、資本という一種の暴力性を手に入れたい。私はこんな発想でこれまで、特に20代の頃は節約して金を貯め、そして株を買ってきました。

貯金をする
資本を蓄積する

どちらも金を貯めるという行為は同じです。単なる言葉遊びに過ぎないと言えばそれまでですが、でも言葉、考え方って大事だと思うんですよね。それ次第でモチベーション全然変わってきますから。

コツコツを金を貯める地道な作業を「資本の蓄積」と考えると私はモチベーションが上がりました。

なぜなら、現代においては資本を持つとは強くなること、暴力性を備えることと同義だからです。

こんな私でも男として生まれたからには強くありたいと願うのです。現代は肉体的に強くても資源を多く手に入れることはできません。カネつまり資本の論理で世の中は回っています。

YouTubeに良質なコンテンツが増えてきたのは、そうすることでクリエイターがより多くの広告収入を得られるからです。テレビからおもしろいコンテンツが激減しているのは、スポンサーのテレビ広告予算が減っているからです。

資本主義には限界が来ている? そうだとしても資本を持つ者が強いのは不変

資本主義という仕組みは限界にきている。資本主義制度はアップデートされる必要があると最近よく言われます。

SDGs、ステークホルダー資本主義なんて言葉も出てきました。『人新世の「資本論」』はベストセラーになり、新書大賞まで受賞しましたね。こういう脱資本主義的な書籍は敬遠しがちなのですが、話題なのでいずれ読んでみたいと思います。

地球温暖化問題は喫緊の課題ですし、確かに今の経済の仕組みは持続可能ではないのかもしれません。

がしかし、それでも資本の論理で世の中が回るというルール自体は変わらないはずです。資本を持つ者が強いのです。

EV大手のテスラは温暖化ガスの排出枠の売却益のおかげで黒字を達成しています(ついでに言えば、ビットコインの売却益も)。

それは本業での黒字ではない。テスラは実質まだ赤字だ、投資に値しない、なんて意見を耳にすることもあります。

しかし、排出枠の売却で得たものであっても利益は利益なのです。きちんとキャッシュの裏付けがあります。

こうやって、環境に良いビジネスを行っている企業に経済利益を与えるというルールに世の中が変わってきています。こういう社会の変化を無視して、テスラの排出枠売却益を馬鹿にしていると投資で勝てないと私は思います。

これは資本主義がアップデートされている一つの事例です。今まで環境は外部不経済と認識されており、環境資源は無料で利用できました。利益最大化のために環境汚染も厭わないと考えてしまうのも仕方ない面はありました。

でも、今後は自然環境は無料では利用できません。環境汚染を行う企業には一定の罰金が課せられます。

こうやってビジネスのルールが変わってきてはいるものの、企業がカネを追求すること自体は変わっていません。そこは今後も変わらないと思います。

資本の論理で社会が運営されるという点は変えようがないです。資本を獲得するためのルールは多少改変されるとしても。

十分なカネがないと何もできません。テクノロジーが発達して社会が豊かになればなるほど、金の力で資源を外部から調達する必要性が増していきます。

たとえ金が無くても人間関係資本を築いて、いざと言う時に助けてくれる友人を多く持てばいい。こういう発想は個人的にはあまり共感できないです。身近な人のサポートで解決できる課題には限界があります。やはり、金を払って社会から資源を引き出せないとしんどい。

個人的には老後2000万円問題とか興味ないです。そういう将来の安心には実はあまり興味ないです。それよりも、家庭を持つかもしれない30代~50代の間を強く、またできるだけ自由に生きたい(もちろん60代以降も)。

そのためには資本を蓄積しておく必要がある。そう考えています。