ここ数年、週休3日制(週4日労働)が話題に上がることがちょくちょくありますね。日本マイクロソフトは昨年夏に試験的に週休3日を導入しましたが、どうやら上手くいったみたいです。あと最近知ったんですが、オランダなど週休3日をすでに運用している国もあるそうです。

果たして日本で実現するのはいつになるでしょうか。週休3日ということは祝日を含めると、ほぼ半分が非稼働になりますかね。これまでは、大人になると人生=仕事になることが多かったですが、それも変わっていきそうです。仕事以外の生き甲斐を見つけないと、ただ飯を食って寝るだけの生活になるかもしれません。それが幸せな人はそれでも構わないですが、私は耐えられません。常に何かしてたいタイプです。

週休3日は「働き方改革」の延長だと思っています。テクノロジーの発達によって、仕事の労働集約度はドンドン低下しています。経理業務について言えば、米国のイノベーション様様です。オラクルの会計システム、マイクロソフトの生産性改善ツール(エクセルなど)のおかげで、財務諸表の作成・分析を人手をかけずに行えます。

さて、週休3日になって労働時間が減るのは良いとして、心配なのは給料がどうなるかじゃないでしょうか。稼働が週5日から4日なるわけだから、単純に考えると賃金は20%カットという計算になります。せっかく休みが増えても、給料が減ってしまったら困る人は大勢いるはずです。自分だけならまだいいですが、養う家族がいる場合は大変です。せっかく1日増えた休日にバイトを入れるなんて本末転倒な事態まで起きそうです。

すでに週休3日を実施している他国の実情は知りません。あくまで個人的な考え、想定ですが、週休3日になっても給料はほぼほぼ現状維持となると思います。

なぜなら、サラリーマンの給料とは労働時間や仕事の成果に対して支払われるのではなく、労働力を回復するためのコストとして支払われるものだからです。時間に応じて支払われる残業代、成績優秀者のボーナス上乗せなど、ちょっとした例外はありますが基本は「標準生活費=給料」です。

資本家にとって給料とは労働者を雇い続けるための経費です。明日も出社して頭フル回転で働いてもらうために、標準的な衣食住とストレス発散の為のちょっとした娯楽のための経費を給料として支払います。資本家は労働者が生きるか死ぬかギリギリのラインに給料を設定しようとします。そういうもんです。資本家も1円でも多くの利益を上げるために必死だから仕方ないこと。

休みが1日増えたとて、私たちの生活コストは変わりません。休日だって普通に1日3回食事をとります。むしろ、休日の方がお金を使うことが多くなるくらいです。子どもを遊びに連れていかなきゃいけないパパや、彼女とデートしなきゃいけない男は特にそうでしょう。仕事していると金って使いませんよね。私は平日は食事と缶コーヒーくらいしかお金使わないです。

週休3日になっても労働力の再生産コストはほぼ不変だから、資本家、経営者は従業員の給料を下げることはできないと思います。想像してみて下さい、週休3日になって年収が20%カットするとなったら、組合は大ブーイングでしょう。「生活できない!殺す気か!」てな感じで。世論も労働者の味方です。世論≒労働者ですから。特に賃金=生活給という色合いが濃い社会主義的資本主義の日本では、週休3日にして正社員の給料をカットするのはかなり難しいはずです。

給料は据え置きで週休3日になる時代がいつかは訪れると思います。人間の労働が必要な仕事は着実に減っています。ましてや、毎日同じ場所に出社するなんて過去の遺物と化すでしょう。同時に都内の満員電車問題も解消して欲しいです。

ただし、資本家にとって人を雇うのが嫌になるのは当然のことです。以前より働かないのに同じ給料を払い続けなきゃいけなわけですから。優良企業の門はさらに狭くなりそうです。

もしあなたが正社員の地位を獲得していて、そこそこ安定した給料を得ているなら安易にその地位を手放さない方がいいと個人的には思います。もちろん、一度の人生やりたいことをやるのが優先だとは思います。あくまで経済性という観点のみで考えれば、日本のサラリーマンは大変コスパが良くなると思います。

ホワイト企業を見極めることができれば、その恩恵をフルに享受することができます。ホワイト企業がどうかを判断する一番の材料は企業の財務データだと思っています。