プロレスはプロフェッショナル・レスリングの略です。スポーツで稼いでいるアスリートはみんなプロなわけですが、競技名にわざわざ「プロ」と付けるのはレスリングくらいかなと思います。それには理由があって、プロレスだけにしかない「プロ」な要素があるからだと思います。
それは意図的に観客を楽しませようというパフォーマンスとしての性質があることです。
プロレスはボクシングとは違います。ボクシングはガチ対決。ボクサーは観客を楽しませることを意識してません。相手に勝つことだけを考える。なので開始1分でKO勝ちということもあります。それは観客からしたらちょっと拍子抜けかも。もっと試合を観たかった!って思うお客さんもいるかもしれない。でもしゃーない。
プロレスもガチ対決ではありますが、開始1分で終わることはあり得ません。仮にそれくらい実力差があったとしても、短時間で終わらせることはしません。リング上の格闘技であると同時にパフォーマンスでもあるからです。
プロレスは観客を楽しませるという点においてプロです。プロレスラーは格闘家としてプロなのはもちろん、エンターテイナーとしてもプロです。だからレスリングは”プロ”レスって言うのかなって僕は勝手に解釈しています。
ボクシングとプロレス、自分はどっちの方が好きかなあってたまに考えます。
ボクサーはお客さんのことは考えずにとにかく全力で闘う。その真剣に闘う姿が結果としてエンターテイメントになる。それにお金を払う人がいて、スポンサーも付いて経済性が成立する。
プロレスラーはマーケットを意識しています。お客さんにいかに楽しんでもらうかを考える。結果論としてのエンターテイメントではなく、自らエンターテイメントを創り出す。それにお金を払う人がいるから経済性が成立するのはボクシングと共通です。
どちらか言うとボクサーになりたいかな。マーケットを意識することなく自分がやりたいことをやる。演じない。素でいれる。それでも仕事として成り立つ。それが理想。ただし、そんな簡単なことではないけれど。
でもプロレスも楽しそうです。自分なりに「どうやったらお客さんが喜んでくれるだろうか?」って考えて戦略を練って実行に移す。それで成果が出たら楽しそう。達成感ありそう。
まあボクサータイプとプロレスラータイプで完全に二分できるわけじゃないかな。ボクサー:プロレスラー=70:30くらいが理想かも。
ボクシングの考え方について、半分正解ですが半分不正確です。
たしかに、アマチュアボクシングはそれで良いんです。純粋な競技だから、観客を楽しませることは関係が無い。
でも、プロボクシングは興行です。強いだけではダメで、お客さんを楽しませることも仕事の一つに入ってます。それは、1R早々にKOしてはいけないとかいうことではなくて、リング外での言動も含めていかにお客さんを楽しませることができるか。あくまでチャンピオンレベルの話にはなりますけどね。
お客さんを楽しませられない選手はいくら強くても試合を組ませてもらえないし、プロボクサーは純粋に競技だけに専念できる存在じゃないんです。
試合の練習よりも、オフ期にファンへの握手やサインの方が手が痛くてツライという、チャンピオンの生の声を聴くとわかります。
コメントありがとうございます。
応援してくれるファンを大切にしなくちゃいけないのはどのスポーツでも共通ですよね。
昔ソフトバンクの松中選手がファン感謝際を無断で欠席して、王監督が激怒していたことを覚えています(罰金にまでなったかも)。
ファンあってこそのスポーツビジネスなので、ファンを大切にしない人はプロとは言えませんね。
そういう意味ではプロスポーツ選手は100%「ボクシング」はできないと言えそうです。
どこか「プロレス」要素が必要なのだと思います。
>お客さんを楽しませられない選手はいくら強くても試合を組ませてもらえない
これは意外です。
たまにニュース等で開始数分でKO勝ちしているのを見るもので。
多少は魅せる試合を意識する必要もあるんですね。
スポーツでお金を稼ぐのは本当に大変なことだと思います。
私はその時の気分によって好みが変わるかな?派です。
純粋に強さを求めたい気分なのか、ドラマを求めて胸を熱くしたいかの気分で使い分けてます。
ちなみに、日本のサラリーマンはプロレスじゃないと偉くなれないです。強さよりも相手がどう思うかに赴きを持てる人に価値を見出します。
アメリカではボクシングじゃないと偉くなれないです。絶対的な強さが価値で、それで相手もねじ伏せることが正義です。
私の経験則なので、必ずしも全てにあてはまらないと思いますが、一個人の感想としてとらえてください。
日本のサラリーマンの大半が「プロレス」というのは私もそう思います。
上手く出世できる人はそういうタイプですかね。
最近は「プロレス」してまで出世したいと思う人はかなり少ない様に感じます。
自分の会社のことだけ見て言っていますが。
私はそこそこ「ボクシング」的な気持ちで働けているので、そんな環境を有り難く思っています。
自分の意識も大事かもしれませんが、やはり環境って影響大きいように思います。
http://www.akb48matomemory.com/archives/1073075013.html
こういう話なのですよね。日本の衰退って。生産性はどこに???
Hiroさんのコメントにあるように、このご時世、賢い人は「プロレス」までして出世なんて目指さないのは当然だと思います。
何故なら、給料倍なんて役職が上がれば上がるほど無理ですし、昇給の絶対値が大して増えないのに、無駄に責任だけ増えて背負わされる。。。 自身の価値観に合わせた時に見合わないとなると、それらを考えられるIQがあれば、必然的に答えは昇進することが正ではないのが一つの答えだと想像します。
年代として、優秀であれば30代からそこに気づくかと。いまの技術の発展や、それを使いこなせるリテラシーがあって、自身の能力に自信があればという前提ですが。
答えは一つではないというのが面白いですので、そこはプロレスと共通してますね。
わかりやすい例ですね。
うちの会社ではメールの最初に「お疲れさまです」と書くのを止める取り組みが以前ありました。
今では誰も書きません。
些細なことかもしれませんが、一つ面倒が減ります。
海外子会社の経理担当者の頻繫にメールしますが、彼らはすごくドライです。仕事で必要なことだけを書いてきます。
日本人駐在員のメールはすごく長い傾向にあるので、紹介頂いた例と似ています。
まあ、海外担当者のこちらの質問に対してほんの一言で返信してくるので、もうちょっと詳しく教えてよって思う時もありますが。
最近は働き方改革のせいなのか、管理職が部下に気を使ってる気がします。
仕事に対する価値観は人それぞれではありますが、仕事の責任の金銭対価のバランスは管理職の方が悪いな~と外から見てて感じてます。
私は今の仕事が好きなので仮に管理職に上がっても構いませんが(上がれるかどうかは置いておくとして)、それはもはやお金を求めてではありません。
お金の方は投資で頑張ります。
>お客さんを楽しませられない選手はいくら強くても試合を組ませてもらえない
これは意外です。
たまにニュース等で開始数分でKO勝ちしているのを見るもので。
多少は魅せる試合を意識する必要もあるんですね。
う~ん、たぶん正確に意図が伝わっていなさそうですね。
開始数分であっという間にKO勝ちすることは別に問題無いんです。
が、アマチュアと違うのは、プロボクサーの場合それだけではいけないということなんです。強いだけではいけない。試合後のマイクやリング外での言動等ありとあらゆる場面を含めて、お客さんに観てもらえる人でないとダメなんです。
ボクシングではないですが、K-1の最強チャンピオン、セーム・シュルトなんかは良い例ですね。
彼は圧倒的に強かった。とにかく強かった。しかし、マイクパフォーマンスを始め、お客さんを楽しませる気持ちが無い人でした。だから興行主から干されました。
同じくチャンピオンのピーター・アーツやアーネスト・ホーストも強かったですが、それだけでなくファンを楽しませることを常に意識していた人でした。だから興行主から使ってもらえました。
プロ(ボクシング)ってそういうものなんです。強いだけでは務まらない。
丁寧なご説明ありがとうございます。
理解できたつもりです。
ファンを楽しませるというプロ意識がないと食っていけないということですね。
プロスポーツは厳しい世界です。成功できるのはほんの一握り。
格闘について詳しくないので、とても新鮮な視点でした。