セクター分散をすすめて良かった

これは1年前、2018年10月末のポートフォリオです。

生活必需品(MO、PM、KO、PEP、GIS、CL、VDC)
ヘルスケア(PFE、MDT、ABBV)
通信(VZ、T)
と景気後退局面に強いディフェンシブ株がかなりの割合を占めていました。

これが1年後の現在2019年10月末のポートフォリオです。

この1年で結構変わりました。AT&T、コルゲート・パルモリーブは全株売却。アップル、シスコシステムズ、ウェルズファーゴを新たに加えました。金融銘柄のブラックロックの割合もかなり増えました(1.6%→5.3%)

ハイテク、金融といった相場全体が強い時に株価が上がりやすい銘柄が増え、ディフェンシブ株の割合は減少しました。今後はさらに資本財セクターの銘柄を一つ追加することも検討しています。まあ来年になるかな。

ジェレミー・シーゲル氏の『株式投資の未来』を読んで2016年に米国株投資を始めました。書籍ではフィリップモリスやコカ・コーラといった生活必需品銘柄、ファイザー、ブリストルマイヤーズスクイブといったヘルスケア銘柄の長期リターンが際立って高かったことが紹介されていました。

その高リターンの理由も納得でした。高いブランド力で顧客に対する強い交渉力を持ち高収益を維持できる。にもかかわらず、地味なビジネスのため株価が買われ過ぎることもない。永続してキャッシュを稼ぐ企業こそ、「金が金を生む」という複利のパワーが働きやすい銘柄。

21世紀も生活必需品セクター、ヘルスケアセクターは市場平均を超えるリターンをもたらしてくれるはず。そう思い2016年から米国株ポートフォリオを作ってきました。

その考えは今も変わっていませんが、実際に投資をやってみて誤算だったことがあります。誤算というか認識不足というか。それは各銘柄の値動きが偏るのが意外としんどいということです。生活必需品、ヘルスケアともにリセッションに強く、景気拡大局面では市場平均に負けやすいセクターです。

S&P500指数がグングン伸びている時は、置いてきぼりにされがち。逆に貿易問題などで資本財銘柄やハイテク銘柄が落ちている時は、踏ん張って底堅い値動きを見せてくれます。

すべての銘柄が一方向に動くのは精神衛生的に良くないなあと思いました。あと、セクターが偏っていると、ポートフォリオの特定の銘柄が割安割高になるということが少なく、押し目買いがしづらいです。今みたいに低金利で債券価格が高いと、債券に近い性質がある生活必需品セクター銘柄はどれも割高になりがちです。結果としても、どの銘柄も再投資しづらい。こういう時に金融銘柄でも保有していると、そこは割安になりやすいので(少なくとも指標的には)、金融系に追加投資しようかなって思えます。

銘柄だけ分散してもダメで、セクターもしっかり分散した方がいい。特に難しいことはでないないのですが、実際に投資をやってみないとその重要性を理解することはできませんでした。

30年後の結果論としては結局生活必需品、ヘルスケアのリターンが他を上回るかもしれません。が、たとえそうであったとしても、そこに至るまでの道のりのデコボコを抑えることは大切ですね。結果だけでなく過程も大事ということ。投資した後、株価は一切見ずにタイプカプセルのように株を地中にしまっておくなら、過程はどうでもいいかもしれません。しかし、そういうわけにはいきません。スマホで株価は見ちゃうし、定期的に給料や配当から追加投資する必要もあります。

きちんと分散するという株式投資の基礎の基礎の話です。投資本にも書いてあること。でも、これは実際に身銭を切ってマーケットに立たないと理解できないことでした。

見切り発車でやってみて、後から修正していけばいい

投資本を読むのも大事だけど、先ずは10万円でもいいから実際に株を買ってみてマーケットに参加した方がいいと思います。

株価が下がって含み損を抱えて感じる痛み、株価のボラティリティが大きい時に感じる不安。こういうのは本を読んだだけではなかなかわからないところです。

株式投資なんて学校で一切教えてくれませんから、独学にならざるを得ないです。書籍やYouTubeなどで勉強して実践する。最初は失敗して当然だと思います。なんか違うな~という感覚は実際に投資をしないと分からないです。少しずつ修正を繰り返して、納得できるポートフォリオを作り上げればいいと思います。正解はないから納得感が重要ですね。

あと、勉強期間がやたら長過ぎると機会費用も発生します。相場は基本的に右肩上がりです。最近の米国株市場を見ればわかる通りです。私は22歳から投資の勉強を始めて、実際に初めて株を買うまで3年かかりました。ちょっと長過ぎでした。もっと早くから株を買っておけばよかったです。まあ過去を後悔しても仕方ないですが。

そんなわけで、本を読むのも大切だけど、勉強はほどほどにしてなるべく早めに投資をやってみた方がいいと思います。