先週NYダウは+12%と歴史的な高騰を見せました。とはいえ、2月の高値からはまだ20%近くも落ちている状態です。30%下がって10%戻すというまさにジェットコースターのような相場です。
私は絶叫マシンが苦手です。富士急ハイランドのFUJIYAMAに乗った時はあまりの怖さに「ギャー」という声も出ず、目を閉じたまま「ううー」と唸りを声をあげてました(自覚、記憶はなく横に乗っていた友人談)。
最近の相場もそんな感じです。目を閉じてネット証券の画面はほぼ見ることなく「ううー」と耐えてる感じ。最初の大降下は何とか乗り切れました。ジェットスターと違うのはコース全容が見えないこと。あと何回急降下があるのか、ぐるぐる回転させられるのかわかりません。
と、カッコイイ様ではありませんが、今のところ相場にしがみつけています。暴落に耐えれてる理由の一つとして、ストックよりもフローを意識している点があげられます。株価よりも配当、利益を見ているとも言えます。
幸いにして保有銘柄で減配の連絡は来ていません。懸念だったエクソンモービルも配当を維持してくれるとのこと。ウェルズファーゴはFRBの指示で配当保留を命じられるリスクがありましたが、それも杞憂に終わりそうです。
ゴールドマンサックスのアナリストによれば、今年はS&P500指数を構成する企業は平均して配当を50%カットするそうです。リーマンショックの時も、確か配当は半減したと聞いたことがあります。そういう意味でも今はリーマン並みと言って差し支えない事態でしょう。そんな中、ポートフォリオで減配が起きてないのはあり難いことです。
株価が下がって資産時価は大きく目減りしたけど、インカム(配当)は1円も減っていない。つまり、株価が下がった分配当利回りが上がっただけ。そう考えると、暴落も怖くない!、は言い過ぎだけど狼狽して売りたい心境にはなりません。
ただ、投資家にとってのインカム、フローを配当だと考えると判断を誤る時があるので注意が必要です。確かに配当は唯一株主の口座に現金を振り込む手段ではありますが、短期的な配当の支払いは企業の実力と関係なく行われることがあります。
たとえば、エクソンモービルはフリーCFで配当を賄えておらず負債でカバーします。マクドナルドは自社株買いを停止し、さらに一部従業員の解雇までして配当を維持しています。投資家が注目すべきは企業のインカムが持続的か否かです。つまり利益(EPS)をあげ、営業キャッシュフローをちゃんと稼いでいるかどうかです。
どちらを見るにしても下落率は株価より小さいはずです。相場ショック時の下落率は大きい順に、株価(ストック)>>>利益見通し(フロー)>>>配当(フロー)です。
投資額がそこそこ大きくなると日々の株価変動が月給を超えることもあり、急落時はげんなりした気分になりがちです。そんな時こそストックではなくフローを見ましょう。たとえ、株価が30%暴落したとしても、あなたの投資企業の長期の利益見通し、配当見通しは30%も下がっていないはずです。フローこそが企業価値の本質です。