ダウの犬投資法なるものがあります。ダウ30種の中から、年末時点の配当利回り上位10銘柄に投資するというもの。配当利回りが高まっている銘柄は割安で仕込み時の可能性が高い、という考えに基づいた機械的な投資法です。高利回り=割安って一概に言えるわけじゃないですけどね、もちろん。

しかし、過去のダウの犬は結果を残してきました。以下は2001年~2017年の結果です。

  ダウの犬 NYダウ 判定
2001年 -5% -5% 引き分け
2002年 -11% -15% 勝ち
2003年 33% 28% 勝ち
2004年 7% 5% 勝ち
2005年 -5% 2% 負け
2006年 32% 19% 勝ち
2007年 2% 9% 負け
2008年 -39% -32% 負け
2009年 18% 23% 負け
2010年 21% 14% 勝ち
2011年 15% 8% 勝ち
2012年 10% 10% 引き分け
2013年 35% 30% 勝ち
2014年 11% 10% 勝ち
2015年 3% 0% 勝ち
2016年 17% 14% 勝ち
2017年 23% 28% 負け

ダウの犬の10勝4敗2引き分けという結果。

では、2018年のダウの犬の結果はどうだったのでしょうか。2017年は惜しくも敗れましたが、その借りを返すことはできたのでしょうか。結論から言うと、2018年ダウの犬は大逆転勝利を収めました!

以下が2018年のダウの犬10匹と、そのYTDリターンです(配当込み)。

ティッカー 銘柄名称 年間リターン
VZ ベライゾン・コミュニケーションズ 10.7%
IBM IBM -21.9%
PFE ファイザー 24.3%
XOM エクソン・モービル -14.6%
CVX シェブロン -9.5%
MRK メルク 39.3%
KO コカ・コーラ 6.6%
CSCO シスコシステムズ 15.6%
PG プロクター&ギャンブル 3.1%
GE ゼネラル・エレクトリック -54.5%

ゼネラル・エレクトリック(GE)の▲54%という数字が目立ちますね。GEは四半期配当0.01ドルと実質無配に転落しました。CEOも変わり経営再建を目指しています。IBMは相変わらず昨年も不発弾で▲21%。エクソン、シェブロンといったエネルギー株も不調でした。

そんな中、善戦したのが製薬大手のファイザーとメルク。特にメルクは+39%と好成績を残しました。ベライゾンやコカ・コーラ、プロクター&ギャンブルも踏ん張りましたね。

ダウの犬10種のリターンを単純平均すると▲0.1%となりました。一方でNYダウの2018年リターン(配当込み)は▲3.7%。

ダウの犬(▲0.1%) > NYダウ(▲3.7%)

というわけで、2018年はダウの犬の勝ち!!

実は9月末にダウの犬のパフォーマンスの中間発表を記事にしていました。その時は、ダウの犬が負けていました。このまま敗北するかと思いきや、11月以降NYダウが大きく下落する中、ダウの犬たちは踏ん張りました。最後の3ヵ月でNYダウをアウトパフォームし逆転勝利。特にメルク、ファイザー、コカ・コーラの3匹が頑張りました。

これで2001年~2018年のダウの犬の成績は、11勝4敗2引き分けとなりました。配当利回りだけで銘柄を選別するのは合理的とは言えませんが、意外と好成績なダウの犬。今後も毎年ウォッチしていきたいと思います。