20代の頃読んでいたファイナンスのテキストには「家賃を200倍すれば、その家の購入金額をざっくり計算できる」と書いてありました。

時代を感じます。この公式はもはや使えません。計算すればわかりますが、家賃の200倍というのは利回り6%であることが前提です。

利回り5%なら250倍、4%なら300倍、3%なら350倍となります。

2021年11月現在、23区内のマンションの平均利回りは約4%です。価格がかなり高騰しており、利回り6%台の物件なんて見たことありません。5%台もほぼない。4%代後半なら安価な物件でちょくちょく見ますかね。

平均利回り4%ということは、買値を試算したい時は家賃を300倍すればいいということです。もしあなたが都内の賃貸マンションにお住まいでしたら、家賃×300のお金を用意できればその家を購入できます。

家賃10万円なら3000万円。我が家は家賃15万円なので4500万円ですね。こんな1LDKが4500万円もするなんて高いなって改めて思います。

家賃×300=想定購入金額(都内)

これ、覚えておいて損はないです。

新築マンションを買う時に価格表を見せられます。305号室は6700万円、405号室は6800万円といった感じで住戸毎に価格が載っている一覧表です。

その際にこの公式を頭に入れておけば、割高な住戸を避けることができます。

通常、住戸毎に想定賃料という情報を売主が持っているのでそれを確認するようにしてください。

たとえば、305号室の想定賃料が20万2千円、一つ上の405号室の想定賃料20万円4千円だとします。

この2千円の賃料の差をどう評価すればいいでしょうか?

はい、300倍してください。2千円×300=60万円。つまり、405号室は305号室よりも60万円くらい高いなら妥当ということです。

405号室が305号室より100万円高ければ、それはちょっと割高かもしれません。もちろん、4階から眺望が抜けるなどの事情があれば話は別です。あくまで一般論。まあ、そういった要素も賃料に反映されているはずですが。

利回りを考える習慣というのは非常に重要です。株式投資よりもマンション投資(自宅購入)において重要です。なぜなら、賃料は株のEPSと違って良くも悪くも安定しており硬直性があるからです。