悪徳銘柄という言葉があります。実際にVICE(悪徳)というティッカーの米国ETFが存在します。

VICEはゲーム、化学薬品、アルコール、カジノ、たばこ、宝くじといったビジネスを運営する企業に投資します。具体的にはゲーム用ヘッドセットを製造するタートルビーチ、ビールメーカーのボストン・ビール、ハンバーガーチェーンのジャック・イン・ザ・ボックスなどです。

確かにこれらのセクターが世間から忌み嫌われているのは理解できます。これらの「悪徳」銘柄には一切投資しない方針のファンドも多くあります。

しかし、世の中何が正しくて何が間違っているかなんてはっきり区別できるものじゃないなあと思います。少なくとも、営利企業として利益を出して存続しているということは、顧客に求められているわけで、それをイメージ先行で「悪・即・斬」的(←るろうに剣心の斎藤一)な感じで扱うのはどうなんですかね。

今は地球環境に悪影響を及ぼす化石燃料はけしからんというのが世界の論調です。環境重視のヘッジファンド「エンジン・ナンバーワン」はエクソンモービルの3つの取締役ポストを獲得しました。

でも、1970年代とかは、石油ガンガン燃やして経済を成長させることに疑問を抱く人は少なかったはずです。環境どうこうよりも、人間の物質的な豊かさを充足させる方が大事だと思われていました。

何が正しいか間違いか、というのは画一的に判断できるものではないです。人の価値観、正義感、歴史観によって様々だし、何より時代によって異なります。

これは絶対ダメと決めつけるのではなく、その時々に応じて柔軟に自分の頭で考え、自分の意見を持つことが大切なのかなと思います。その際に感情に任せず、なるべく科学的に考えて、ファクト、一次情報に基づいて判断する姿勢が必要と思います。

まあでも、全員の意見が一致することなんて当然にあり得ないし、世間はあまり科学を重視しないから難しいところですが。

何が正しいかなんて考えても絶対の答えはないわけです。ベストセラーになった『スマホ脳』を読むと、フィリップモリスやマクドナルドよりも、アップルやフェイスブックの方がよほど悪徳銘柄に見えてきます。

自分にとって何が善なのかを考えるのは必要としても、社会的に何が善で何が悪なのかを考えるのってあんま興味ないというか、もう人それぞれやから知らんわって感じです、正直言って。

ViceかVirtueかを勝手に判断しようとは思わない。そんな価値観どうでもよくって、株式投資ではただ金が稼げればいい。儲かるか儲からないか以外の視点はノイズ。

世間が美徳と評している企業が株主を金持ちにしてくれる可能性が高いなら、私も便乗してその株を買いたいです。世間が悪徳と批判している企業でも、株主を金持ちにしてくれるなら、世間の評判なんか気にせずその株を買いたい。私の保有株なんて誰にも知られないわけだし(ブログで公開してるかw)。