最近投資に興味を持ち始め、米株インデックスとビットコインを買ってる同僚が色々と経済の勉強をしてるらしく、この前TEAMSでの雑談でこんな事を言ってました。

金利ってじわじわ上がるのは良くて、急にカクっと上がるのがダメなんでしょ。最近みたいに、じわじわ金利が上がる分には特に問題ないんやろ?

聞いてて、一瞬戸惑いましたが、確かにその通りだなあと思いました。長期金利の上昇は一般的には株式価値にネガティブですが、じわじわ上がる分には一概にそうとも言えません。

長期金利は主に期待インフレ率と期待経済成長率の2つの要因に左右されます。

長期金利=短期金利+期待インフレ率+期待経済成長率+タームプレミアム

株式に悪影響があるのはインフレ期待の高まりによる金利上昇です。物価が上がればFRBが金融環境を引き締めに動き、経済の金回りが悪くなると予想されるからです。

一方で、経済成長期待が高まることによる金利上昇は株式に悪影響とは言えません。経済が成長すれば企業の収益も増えるし、インフレが起きなければFRBが経済成長をわざわざ止めることもないからです。昔みたいに、将来のインフレを事前に火消ししておくという発想をFRB幹部が持たなくなってもいますし。

経済成長ってじわじわしか起きないですよね。コロナ禍は特殊事例ですが、通常期であれば成熟経済国のGDP成長率が急に2%から5%に上がったりしません。だいたい2%~3%とか狭いレンジで動くでしょう。

しかし、インフレ率は突然上がることがあり得ます。これまで年率2%の物価上昇だったのが、放漫財政支出と供給不足の影響で突然5%を超えることは考えられます。

経済を成長させるにはとてもつない努力が必要ですが、インフレを起こすのはある意味で簡単です。ヘリコプターから紙幣をばら撒けばいいんです。それを実際にアメリカがやってるから、インフレ懸念が高まっているわけです。

金利がカクっと急上昇するということは、それは経済成長期待ではなく期待インフレ率の上昇がもたらしているものと言えます。なので、株式には悪影響というロジックです。

どんな背景があろうと突然金利が上がれば金融資産の時価は目減りするのは当然ですけどね。

最近は、朝起きてS&P500指数の次に見るのは米長期金利です。いや、むしろ金利を先に見るべきくらいかもしれない。それくらい金利の動きには敏感になっておく必要があるフェーズですかね。ま、金利より株価が気になって仕方ないですけどもw