約10年前に起こった杜撰なサブプライムローンと、その複雑な証券化商品のバブルに端を発した金融危機。日本では俗にリーマンショックと言われます(海外では使わない用語らしいです)。
当時、大手米金融機関がどれくらい減配したのか気になったので調べてみました。調査対象は以下の9社。
①JPモルガン・チェース(JPM)
②バンクオブアメリカ(BAC)
③ウェルズ・ファーゴ(WFC)
④シティ・グループ(C)
⑤USバンコープ(USB)
⑥ゴールドマン・サックス(GS)
⑦モルガン・スタンレー(MS)
⑧アメリカン・エキスプレス(AXP)
⑨ブラックロック(BLK)
①JPモルガン・チェース
四半期配当
$0.38→$0.05
②バンクオブアメリカ
四半期配当
$0.64→無配
③ウェルズ・ファーゴ
四半期配当
$0.34→$0.05
④シティ・グループ
四半期配当
$5.4→無配
⑤USバンコープ
四半期配当
$0.42→$0.05
⑥ゴールドマンサックス
四半期配当
$0.35→$0.35
⑦モルガン・スタンレー
四半期配当
$0.27→$0.05
⑧アメリカンエキスプレス
四半期配当
$0.18→$0.18
⑨ブラックロック
四半期配当
$0.78→$0.78
まとめ
商業銀行の減配幅が大きい
やはり「金融危機」だけあって信用供給の役割を担う商業銀行の減配幅が目立ちます。5行のうちバンカメとシティの2つは無配転落。他の3行も減配率は80%を超えています。
銀行株に投資する時は最悪これくらいの事態が起こるリスクを想定しておく必要があります。まあリーマンショックは100年に1度と言われるくらいですし、FRBのガバナンス監視も強化されていますから、同じ誤ちが繰り返される可能性は低いとは思いますが。
ただ世の中、何が起こるかわかりません。銀行株のバイ&ホールドには、50年超増配を続けているコカ・コーラやコルゲートパルモリーブ、ジョンソンエンドジョンソンといったディフェンシブ株のバイ&ホールドとは違うリスクがあります。たとえJPモルガン等の業界トップ企業であったとしても。 資本主義にはバブルが内包されていると言われます。再び大手銀行の配当が半分以下になる可能性もシナリオとして想定しておいた方が賢明かもしれません。
現在、米銀のバランスシートは非常に強固と言われますが、このような過去の事実をきちんと踏まえた上で銀行株への投資を検討する必要があります。
ところで、ゴールドマンサックスは配当を維持してたんですね。意外でした。資産運用大手ブラックロック、AMEXブランドのクレジットカードで知られるアメリカンエキスプレスも減配は回避できたようです。
こんばんは。
リーマンショックにも前段があったんですよね。
俗にいうパリバショック(サブプライム関連ファンドの解約凍結)。
その後、フレディマック、ファニーメイが政府管理下になり、ベアスターンズが救済(実質政府仲介)。そしてリーマンブラザーズの破綻。
AIGはCDS関連で破綻寸前までいくも政府救済。
なお、この混乱の最中にバフェットはゴールドマンに出資。
日本企業でも、三菱UFJがモルガンスタンレーに出資してましたね。
自分はTOPIX型ETFを買い下がっていました。
株価下落、減配は想定しつつも、リスクテイクする気持ちも持ち続けたいです。
こんばんは。
はい、映画などで見聞きしたことがあります。
不謹慎かもしれませんが、投資家としてリーマンショックを経験してみたかった気持ちも少しあります。
あれほどの流動性ショックはこれからの自分の投資家人生で起こる可能性は低いと思います。
資本の出してが少ない時に、リスクテイクの気持ちを持って資本を出すことは社会的に価値あることです。
割安な株を買って儲けるのは正当な儲けです。
リーマンショックとは比較になりませんが、今も相場の不透明要因が多い時期です。
バリュエーション精査は忘れずに、リスクテイクを続けていきたいです。
偶然かもしれませんが、GSはリーマン後にバフェットが優先株出資、アメックスはバフェット保有上位銘柄ですね。でも、ウェルズ・ファーゴは▲85%減配、と。
バフェットは「素晴らしい企業をほどほどの価格で」と言いつつ、割安株を果敢に拾いに行きますよね。
バフェットは主要銀行株の大半にアクセスしています。
どうなるか銀行株。
昨日ウェルズ・ファーゴを買いました。