大学2年生の時に某資格専門学校の会計士講座に通い始めてからというもの、私の人生は会計一色です。
当時使っていたシャープの電卓を今でも大切に使っています。
まあ相棒みたいなものですね(笑)。
無事試験に合格してからは監査法人に勤務し、今は上場企業の経理に転職しました。
決算書をチェックする側からチェックされる側に変わったという違いはあるものの、毎日数字と睨めっこな生活は変わりません。
エクセルスキルは極めていますよ(笑)。
パワポは全くダメですがね。。
こんな会計と過ごしてきた10年間でしたが、実は会計はそんなに好きではありません。
色々と小難しい会計議論が好きな方は特に監査法人にはたくさんいますが、所詮過去の事実をどう記帳するかということであって、過去の数字の集計作業に過ぎないと思うからです。
無論、過去の数字を正しく集計して決算書を作成することは、資本主義社会の根幹で非常に大切なことですが。
会計(アカウンティング)よりも財務(ファイナンス)が好きです。
部署でいうと経理部より財務部で働きたいと思っています、将来は。
株式投資をしていることもファイナンスを好きになる一因かもしれません。
そんなこんなで、最近は本格的にファイナンスの勉強をしています。
土日に某社会人大学院で3か月間のファイナンス講座をとって勉強しています。
そして、社内でもアメリカのMBAのテキストを使用したファイナンス講座が開催されているので参加しています。
まさにファイナンス漬けの様相です。
仕事も決算で忙しい中なのでなかなか勉強する時間を捻出できていませんが、好きなことを勉強するのは楽しいです。
ブログを書いている暇があったら勉強すればと思ったあなた、、はい正論です・・。
ファイナンスを学ぶ目的とは何か? 日米の違い
日本とアメリカのファイナンスMBAテキストを同時に勉強するという貴重な機会を得ました。
アメリカのテキストは英語で書かれている上にとても分厚いので大変です。
埃を被った電子辞書を取り出して、久しぶりに起動させました。
3年ほど前、英語勉強熱があった頃に買った高額品です。
英語マイブームは案の定すぐに過ぎ去り、ずっと眠っていました。
そんな電子辞書をいきなりたたき起こして、勉強を始めています。
日本のテキストもアメリカのテキストも第1章はファイナンス総論です。
ファイナンスとは何か?
なぜファイナンスを勉強する必要があるのか?
といった内容です。
日米両方のテキストを読んで、やはりアメリカの株主資本主義の徹底は凄いなと思いました。
日本のテキストのファイナンス総論
・ファイナンス的な視点に立ったものの見方がますます重要になっている。
・間接金融から直接金融に比重が移ってきて、従来のような株主軽視の意識ではだめだ。
・投資家利益を重視した、企業価値経営が大切である。
ざっくりまとめるとこんな総論。
読んで違和感はありませんでした。
アメリカのテキストのファイナンス総論
アメリカのテキストではとにかくこれでもかという位、”stockholder”という言葉が出てきました。
stockholderとは株主のことです。
アメリカのテキストではこう言っていました、
「ファイナンス理論の目的は既存株主の一株当たりの株主価値を最大化すること」
非常に明確に書かれています。
株主重視が求められていると言っている日本のテキストと志向は同じかもしれませんが、言葉の明確さが全然違います。
はっきりと「一株当たりの株主価値の最大化」と書かれてあるのです。
これはつまり配当と株価上昇の総和を最大化させる経営を実現すべきであり、これが株主から委託を受けた経営者の役割だと言っているのです。
せっかくなので原文を載せます。
“The goal of financial management is to maxmize the current value per share of the exisiting stock”
長期投資はやっぱりアメリカ株
短期株式投資と長期株式投資では、利益を得ようとする手段が異なります。
短期では現在の実際株価と理論株価とに差異があることを見出し、そこの歪みが収斂していく過程で利益を得ます。
私が実践している長期株式投資では、安定したキャッシュを稼ぎそれを忠実に株主に還元してくれる優良企業の株式を保有し続けて配当再投資をして、資産を積み重ねていきます。
長期投資では企業の事業としての魅力、キャッシュを稼ぐ能力も大切ですが、それと同じくらいに誠実な株主還元の姿勢・仕組みが大切です。
コーポレートガバナンスがしっかり確立されているか否かということです。
アメリカの大企業の経営者になるような人は皆、MBAのファイナンスコースくらい勉強しています。
日本の様に下っ端からコツコツ出世して社長になるという文化ではありません。
会社はトップがすべてある。
会社は頭から腐る、と経営共創基盤CEOでJAL再生メンバーの富山和彦氏は仰っています。
アメリカ企業の経営者になる人は、学生時代から
“The goal of financial management is to maxmize the current value per share of the exisiting stock”
と書かれてあるファイナンスのテキストをしっかり読み込んで勉強しているわけです。
S&P500指数がリーマンショックをも乗り越えて最高値を更新し続けているのもむべなるかな。
このアメリカの経営者教育の優位性は10年・20年で簡単に挽回されるものとは思えません。
日本人にとってアメリカ株式を買うのはドル円の為替リスクを負うことになります。
ですが、その為替リスクに見合うリターンをアメリカの経営者は実現してくれる可能性が高いのではと思わされました。
私のポートフォリオのアメリカ株式の割合は約60%。
今後少しづつリバランスをして、アメリカ株式の割合を80%ほどまで引き上げようと考えています。
日本でもスチュワードシップコード?の関係で今後は株主に対する姿勢がいい方向に変わっていくのを期待はしております。
確かに、日本企業も株主重視の姿勢は年々強まっている気はしますよね。
まあ、アメリカに追いつくことは少なくとも我々が生きている内はないかな~と思っていますが。
それと、雇用の硬直性も株主利益を優先できない一つの要因ですかね。
私が勤めている会社で言えば、財務部の資料などを見るとしっかり株主還元を意識しているなと思う反面、従業員は家族みたいな風潮は依然根強く残っています。
働く側としては、一概にそれが悪いことだとは思わないですけどね。
森金融庁長官の発言などからわかる通り、悪質な金融商品は根絶させようという動きも活発です。
日本人として日本国内の投資環境が改善することを切に期待しています。
これまた懐かしい記事をピックして下さり、ありがとうございました!
村上氏の「生涯投資家」にもあるように、日本でもお金に対する教育がしっかりとされてフィナンシャルリテラシーの優れた株主が多くなれば、日本企業の多額の内部留保も有効活用されると思います。
アメリカの企業が日本の企業よりも株主還元に積極的なのも、投資する側が受けてきたお金に関する教育の差なのでしょうね。
チェルシーさん、おはようございます。
最近読んだ日経のニュースによると、日本企業は内部留保400兆円でうち200兆円が現預金だそうです。
内部留保相当額を即株主還元できないことは理解していますが、それでも200兆円も現預金で持っているのは多すぎる印象です。
「生涯投資家」にも書いてあったことですが、企業と株主間での資金のキャッチボールが大切ですね。
お金って所詮経済の媒介役に過ぎませんから、それをあまりに貯蔵すると経済が停滞するのは必然です。
とは言え、経営者は経済合理的と考えて現金を貯め込んでいるわけですから、やはり株主資本主義として適切なガバナンスが機能していない面があるのだと思います。
日本は間接金融中心で発展した歴史があるので、それも仕方ないかもしれません。
でも徐々に変わっていると思います。
資金がグルグル循環して、それに伴って日本国民皆が豊かで幸せになれるといいです。