仕事、ビジネスに貴賤はありませんが、堅実さというか安定感という意味では様々ですね。そりゃ稼げるならたくさん稼ぎたい気持ちはあるけど、私の場合はどちらかというとより基盤のしっかりした収入源を持ちたいという思いが強いです。

もっとも安定に欠けると感じるのは広告収入に依存したビジネスです。YouTubeやブログ(アドセンスのみ)とか。たとえばYouTubeで月収100万円達成したとしても、それでサラリーマンを辞めることは私には考えられません。

広告収入って基本的にはPV集めてなんぼの世界です。収入=単価×PVだから単価を上げる努力も必要かもだけど、そこはコントロールしづらいですね。医師向けの広告とかはかなり単価高いって聞いたことありますが。まあ、PV数を増やして広告効果を高めるのが基本路線かと思います。

そのとにかく人を集めてなんぼっていう発想がしんどいなあと感じます。常にコンテンツを作り続けなくてはならいし、内容もマニア、ニッチ層向けというよりはマス層向けにする必要があります。お金を払ってくれる広告主との直接的な繋がりもないですし。

YouTubeはチャンネル登録者=ファンを増やす方向に努力できるからまだいいけど、ブログは検索流入が基本なので、グーグル様の意向でいきなりウェブ空間の隅っこに追いやられることもあります。これは実際に体験済み。ありがたいことに私のブログは検索流入よりも直流入の方が多いので、今でもそこそこのアクセスを維持できていますが。

フェイスブックやグーグルといったプラットフォームは安泰ですが、コンテンツクリエイターとして広告収入だけに依存するのはリスキーだと感じます。それ単独で独立なんて怖くてできません。たまに見かけますけどね、YouTubeのゲーム実況で人気が出て勤め人を辞める人。すごいなあって思います。自分にはできません。

ファイナンス的に言うと、広告収入って凄く割引率が高いです。どれだけ高収入が見込めても、その現在価値は低く評価しちゃいます。ユーチューバー年収1000万円よりも普通のサラリーマン年収400万円の方が価値が高いと感じます。

じゃあ、どんなビジネスがもっとも安定しているのか?

タイトルの通りですが、それは株式投資だと思います。これは聞く人によっては意外に感じるかもしれません。いまコロナ禍でこれだけ株価がジェットコースターのように上下しているのに、株式投資が安定収入だなんて馬鹿げた意見だと思うかもしれません。

しかし、私は大企業1社のサラリーマンをするよりも、複数の優良大企業の株主になる方が稼ぎ方としては遥かに安定感が高いと思います。

たとえば、XLPというETFがあります。米国の生活必需品セクターの企業にまとめて投資できる優良金融商品です。XLPの上位構成銘柄はプロクター&ギャンブル(PG)、ペプシコ(PEP)、コカ・コーラ(KO)、ウォルマート(WMT)、アルトリアグループ(MO)、モンデリーズ・インターナショナル(MDLZ)、コストコホールセール(COST)、コルゲート・パルモリーブ(CL)などです。

XLPに投資するということは、これらのビジネスの小さなオーナーになるということです。

PG:日用品の製造・販売
PEP:スナック菓子、清涼飲料水の製造販売
KO:清涼飲料水の製造販売、ブランド提供
WMT:世界最大の小売り
MO:たばこの製造、販売(マールボロ)
MDLZ:スナック菓子、ビスケット、チョコなどの製造販売
COST:有料会員制の量販店
CL:歯磨き粉などオーラルケア製品の製造販売

とまあ、こんなビジネスを丸っと抱えることができるわけです。それも、どれも世界的なブランドばかりです。

株式は表面的には証券口座の金額データが増えたり減ったりしているだけの虚業に見えがちですが、その裏にはこういうリアルなビジネスがあるわけです。株式はペーパーアセットではありません。リアルアセットです。

XLPを保有すること以上に安定した収入源って他に何かありますか?

そうそうないと思います。トヨタ自動車の正社員よりもXLP株主の方が安定してます。

仮にXLPを5000万円持っているとします。それに益回り7%をかければ年収350万円です。年収にしてはちょっと寂しいかもしれませんが、まあ一人暮らしなら普通に食っていける金額です。企業に勤めて350万円稼ぐよりも収入源としてはよほど盤石です。

サラリーマンは安定の典型みたいに言われますが、1社への集中投資という意味ではリスキーです。人間関係が悪化して辞めたくなることもあります。コロナ禍で一時帰休による減給やボーナスカットというニュースもよく見ました。それに引き換え、株式投資は複数に分散できます。それも超優良企業ばかりに。

ただ株式収入も良いことばかりではありません。さきほどさらっとXLP5000万円なんて書きましたが、そんな大金普通は用意できません。特に若い内はそうです。株式投資の恩恵を感じるにはある程度のボリュームが必要です。そのボリュームをどう確保するか作戦を練る必要があります。

あとは、株式収入(上記の例でいう350万円)はあくまで理論的な金額、会計的な利益であって、現実は株価の上下に振り回されがちという点です。ディフェンシブ株が多いXLPとは言え、エクイティである以上株価は大きく上下します。

XLPを通して様々なビジネスの一部を所有しているという実感はどうしても薄くなります。株を長期間保有すれば理論的な利益が実際の利益と段々と一致してきますが、短期的には株価に振り回されます。

この2つのハードルを乗り越えることができれば、株式は超堅固な安定収入源になります。リストラの心配もありません。仮に1社がぽしゃっても分散投資していれば何ら問題ありません。ETFなら尚更問題なし。