米タバコ大手のアルトリアグループ株(MO)は、2017年初をピークに株価が低迷しています。この10年でS&P500指数が3倍超に成長するかな、MOは1.8倍ほどしか上がっていません。

しかし、配当込みのトータルリターンで見ると、アルトリアのパフォーマンスもそんなに悪いものではありません。以下は、S&P500指数とMOの直近10年のパフォーマンスを株価値上がりと配当に分けたもの(2021年6月5日起算)。

配当込みだとMOへの投資もこの10年で3倍になってるんですね。

MOは株価貢献分は小さいけど、オレンジの配当貢献分が大きいことが一目でわかります。株価貢献は+80%ですが、配当貢献分は+142%もあります。

高配当株の場合、10年という中期で見ても、配当がいかにリターンを下支えするかがよくわかりますよね。

ただし、上記のデータには重要な前提条件があります。MOの配当をMOに再投資し続けるという前提です。その再投資効果も含めてのリターンです。配当を再投資しないとしたら、10年で3倍にはなっていません。

そこが現実的に考えて難しいところ。

私はドル口座に貯まった資金は円に替えず、ドルのまま保有し米株の購入原資にしています。だいたい2000ドルくらい貯まったら、米株を買うことが多いです。配当はすべて再投資している。配当をきちんと再投資して複利の恩恵を受けよう、という長期投資の黄金律を守っています。

ですが、再投資する銘柄はバラバラです。A株の配当をA株の購入に充てているわけではありません。その時々で欲しい銘柄を買っています。A株の配当でB株、C株を買うことの方が多いです。

私は2017年にアルトリア株を60~70ドルのレンジで高値掴みしてから、今まで一株も売却していませんが、一株も追加購入していません。ただ保有し、粛々と配当をもらい続けてきました。

その配当は別の銘柄の購入資金として使ってきました。お金に色はないので、どの株にアルトリアの配当を充当したかはわかりませんが。

だから、上記グラフで示したようなアルトリア株の配当込みトータルリターンは、私にとっては幻想に過ぎないのです。机上の計算というか。

配当再投資が効果を発揮するのは、株価が低迷し利回りが高まっている時に、機械的にその銘柄に配当を再投資できた場合です。

配当再投資を通じて株数が知らず知らずのうちに増え、いつかモメンタムが変わって株価が上昇した時に、巨額のキャピタルゲインを掴むことができるというわけです。

が、それを実践するのは難しいです。マーケットから見放されている銘柄に淡々と資金を投じるのは、損したくないという感情の強い普通の投資家にはかなりハードルが高いです。解があるとしたら、DRIPを使って配当を自動で再投資する仕組みを持つことでしょうか。

コントロール可能なインカムが欲しいから、ほどほど高配当な株を持つのはいいと思います。

ただ、高配当株の配当再投資戦略でトータルリターンを高めるというのは、コアというよりサテライト戦略にした方がいい、というのが私がこの5年で感じたこと、学んだことです。