2022年度税制改正大綱が公表され、住宅ローン減税の改正内容が明らかになりました。
期間こそ10年から13年に延びるものの、控除率は1%から0.7%に縮小。対象金額は3000~5000万円と幅を持たせていますが、全体的に見て増税と言えます。
そもそも、今回のローン減税改正は会計検査院の指摘がきっかけでした。
曰く「住宅ローンの金利が1%を下回るケースが大半を占める昨今、現行の1%の控除率は益税となっている。それが故に、一括で買えるだけの現金を持っている人も益税目的にローンを組んでいる」と。
前段はまあとりあえず納得。もともとの立法趣旨が利息の負担軽減であるならば、控除率が住宅ローン金利を上回っている現在の状況が歪というのは理屈としてはわかります。
が、後半は理解に苦しみます。会計検査院は、住宅ローン減税が過剰なローンに繋がっていると主張しています。
これは勘違いも甚だしいでしょう。仮に減税制度が全くなくとも、0.5%前後の金利でお金を借りることができるなら、普通の財務リテラシーがある人なら借金して家を買いますよ。金融資産が2億3億あるような富裕層であっても、組めるならローンを組むでしょう。
値上がりしている都心のマンションとは言え、利回りは4%前後はあるわけです。0.5%で資金をファイナンスできるなら、その資金でマンションを買うのは経済合理的です。
住宅ローン減税があるから借金不要な人も借金しているという仮説は99%誤りだと思います。そうでなく、単に金利が低いから借金しているだけです。ローン減税なんておまけみたいなものです。
一括で買えるだけの手持ちキャッシュがあるなら普通は借金はしないはずだろう、という前提がなんか「借金は悪」という先入観に取りつかれてる気がします。国の1機関(しかも会計検査院)がこのような発想を持っていることが誠に遺憾です。
世の中には良い借金と悪い借金があります。良い借金とは、運用資産の期待利回りよりも十分に低い金利の借金です。
デフォルトしないよう財務リスクを適切にコントロールすることを前提とすれば、良い借金は積極的に実行を検討してよいと思います。桃鉄でいう急行カード、特急カードみたいなもんです。資本主義ゲームの攻略が早まります。
今の私が知る限りにおいて、個人ができる良い借金のツールは2つあります。
・住宅ローン
・野村の証券担保ローン
私は最初、野村の証券担保ローンに興味を持っていましたが、急にマンション熱が高まり、住宅ローンを取りに行きました。ほぼフルローンなので、証券担保ローンでこれ以上負債を増やすことは今のところ考えてないです。