株式投資の利益とは配当です。

株式を買うとは企業のオーナーになるということです。企業の税引後利益がオーナーたる株主の利益であり、その税引後利益からオーナーたる株主に配当として利益が還元されて初めて、オーナー(株主)は利益を確定させることができます。

配当を貰うと少額でも嬉しいもんです。
「はあ~、やっぱり不労所得っていいなあ」って思います。労働所得の10万円と不労所得の10万円は、金額は同じでも価値は違うなあと感じます、個人的に。お金に色はないとは言え。

配当再投資も大事でしょうけど「たまにはちょっと美味い飯でも食うか!」っていうのも全然ありだと思います。てか、こういう発想でいた方が、人生を楽しく豊かに過ごすという株式投資の本来の目的を達成できると思います。ただ金融資産を積み上げることが目的ではないはずです。

配当のような資本所得(不労所得)をなるべく多く獲得していくことで、資本主義社会を楽しく有利に生きていけると思います。

そんな嬉しい配当金ですが、一つ嬉しくないことがあります。

それが税金です。

投資先企業から配当を貰う際には、約20%の税金が掛かります。

額面10万円の配当金も手取りでは8万円になります。サラリーマンの給料の控除率よりマシかもしれませんが、それでも20%も税金取られるのは嫌ですよね~。しかも米国株投資であれば、米国でも10%の課税が追加で発生します。

配当に税金が掛かるのは仕方ないと思っているかもしれません。お金を稼いだら税金を払うのは国民の義務だから仕方ないと思っているかもしれません。

果たしてそうでしょうか?

配当に課税するのは、あまり理屈に合う話ではありません。

株主は企業のオーナーです。企業のコストは株主のコストです。企業は稼いだ利益に対して毎年法人税を国家に納めています。これはもちろん株主の負担です。その法人税を支払った後に残った残余利益から、株主に一定金額を配当して還元しています。

これは、よく考えたらおかしな話ですよね。

普通に2重課税です。米国株に投資している人はよく配当2重課税があると言いますが、法人税まで加味すれば3重課税を負担していると言えます(法人税+米国配当課税+日本配当課税)。

配当に20%の税金が掛かるとは、たとえて言うならATMからお金を引き出すときに問答無用に20%を差っ引かれるようなもんです。5万円引き出そうとしたら、勝手に1万円(20%相当)を天引きされて4万円しかATMから出てこなかったらどう思います?

怒りを通り越して、驚いて目がテンになりますよね。
「えっ・・」って。

サラリーマンの給料は税金やら社会保険料やらで30%くらい控除されて、それが給与口座に振り込まれます。それだけで「もう勘弁してくれ!」って感じだと思います。月収額面40万円だとしても手取りは30万円ほどしかないはずです。

すでに散々控除された給料をATMから引き出すときに、さらに20%も天引きされたらどうですか?
嫌ですよね。怒りますよね。

配当課税とはこういうことです。
配当課税とはATMからお金を引き出すときに勝手にお金を取られることと同義です。

 

でも仕方ないですよね・・。

お国が「配当にも税金を払いなさい」と言うのですから、下々は法律に従ってきちんと税金を納めるしかありません。私たち資本家は相対的に裕福な可能性が高いから、多めに税金を払いなさいってことですかね。。

税法も配当が2重課税だということは理解しています。
理解したうえで、株主に2重で税金を払うことを要求しています。

実は税制は配当課税が2重課税だと認識しているので、配当控除という制度を認めています。これは、「法人税と配当税で税金取り過ぎたから、いくらか返金するよ」というものです。全額返金されることはないと思いますが。

しかし、、「特定口座 源泉徴収あり」を選択している人はこの配当控除を使えません。源泉徴収された時点で納税は完了したと解釈されるからです。「特定口座 源泉徴収あり」を選択している投資家が大半だと思います。やっぱり確定申告は面倒だから、源泉徴収してもらった方が楽ですものね。

仮に「源泉徴収なし」にして配当収入を確定申告したとしても、外国株は問答無用に配当控除の対象外です。もちろんあなたが投資しているであろう米国株も配当控除の対象外です。

つまり、米国株投資家はこれからも法人税と配当税という2重課税を払い続けなければならないということです。残念ですが・・。

ただし、合法的に配当税の負担を減らすことができます。合法的な節税は後ろめたいものでは全くありませんので、しっかり対応しておきましょう。

たとえば、NISA口座の利用です。

NISAを利用することで、配当に掛かる約20%の税金が無税になります。
NISAで高配当銘柄に投資するのは良い判断だと思います。

あとは、投資信託を利用するのも節税になります。

投資信託では分配金が非課税で再投資されます。これは配当課税の繰り延べだと言えます。免税ではなく繰り延べです。今払わないけどいつかは払う必要があります。でも、この繰り延べ効果を馬鹿にしちゃいけません。キャッシュアウトをコストゼロで後倒しできることの意義は大きいです。

 

 

税金とは本当にやっかいです。家賃を踏み倒して夜逃げする人は世の中にいるかもしれませんが、税金を踏み倒して日本で普通に生活できる人はいないでしょう。

国家の徴税権は凶暴です。マイナンバーが普及するこれからはより一層、税金逃れは難しくなるでしょう。まあ、税金逃れはしたらダメですけどね。

ダメですけど、配当課税のように不合理な2重課税はできれば止めて欲しいなっていうのが本音ではあります。

ただ、やはり法律で決められている以上、税金はきちんと納めなくてはいけません。

あなたも配当税に不満を持っているかもしれません。
私もここまで書いた通り、ちょっと不満を持っているのが本音です。

でも、人より多く稼ぐ者は相応の税金を納めて国家の財政に貢献することも大事なのかもしれません。

国家の税収の大半は高額所得者が納付していると言われます。ここにもやっぱり80:20の法則はあるみたいです。

ダウンタウンの松本人志氏は、かつてこんなツイートをして物議を醸しました。

タレントの高額所得を取り上げる前に 高額納税者だと知れ。。。


まあその通りですよね。
私は松ちゃんを批判する気にはなれません。

日本は超過累進課税制度ですが、所得が4,000万円を超える部分の税率は45%ですからね。稼いだお金の約半分を国家が持って行ってしまいます。そして、そのお金は、働けない人や所得が低い人に再配分されているわけです。そうやって、日本人同士支え合って生活しているということですね。

株式投資をコツコツやっているのはサラリーマンが多いでしょう。私も普通のサラリーマンです。サラリーマンは所得の捕捉率は確かに高いですが(通称クロヨン)、それでも納めている税金なんてたかが知れています。

人的資本でリスクを果敢に取って、ビジネスで成功した人が日本の税収に大きく貢献しています。

我々はただ金融資本でリスクをとっているだけですが、それでも地道に投資を続けていればそこらの平均的リーマンより多く稼ぐことになるはずです。人より多く稼ぐ人は、相応の税金を払って国民全体の福利厚生の増大に貢献すべきなのでしょうね。

配当税を払い続けるということは、株式投資を通じて社会に貢献してお金を稼いでいる証拠です。自信をもって、しっかり税金払っていきましょう。