債券市場はインフレにビビッていない
アメリカではインフレ率が高止まりしており、パウエル議長もついに「インフレは一時的なもの」という認識を取り下げました。FRBは2022年に3回の利上げを見込んでいます。
ついに長い長い債券強気相場が終焉を迎え、ここから金利は上がっていくのか・・
そして、こういう局面では、エネルギーや金融、素材といったバリュー株が強いのが一般的な解釈です。
GAFAMをはじめとしたハイテクグロース株からバリュー株に切り替えるべしという意見を最近よく見かけるようになりました。
しかし、どうでしょうか? 本当にバリュー株の時代が到来するでしょうか。
個人的には疑っています。というのも長期金利が切り上がる気配がほとんどないからです。2021年12月19日現在の米10年債利回りは1.41%でコロナ前の水準には戻っていません。
以下は米10年債利回りの過去5年推移です。
(CNBCより)
物価上昇に金利が追いついていないため、アメリカの実質金利はかつてないほどのマイナス圏に沈んでいます。イールドカーブは1年前よりもフラット化しています。つまり短期金利は上昇傾向も、長期側はさほど上がっていないということです。
この債券市場のメッセージを真摯に受け止めた方がいいのではと思います。
債券投資家が依然として長期債を買っている。
これは何を示唆しているのでしょうか?個人的に2つあると思います。
①さほど利上げせずともFRBは物価をコントロールできる
②経済は大きく回復せずリセッションすらあり得る
数回の利上げは必須としても、2000年代前半のような4%、5%台まで政策金利が上がるとは想定されていないようい見受けられます。
インフレインフレ言われていますが、債券市場は「そんなに慌てるな。冷静になれ」と言っています。「コロナ前は失業率が3%台でも物価は上がっていなかったよね、そのことを思い出せ」と。
貯蓄の増加、サプライチェーンの混乱などの一時要因が収束すれば、またかつての低成長経済が戻ってくるだろう。債券投資家はこのように考えている節があります。
②についてですが、今は景気回復の初期という見方もありますが、実はそうではなく数年のうちにリセッション入りするのかもしれません。だから、安全を見て長期債を買っている。こういう見方もできるかもしれません。
いずれにしても、一つ言えることは債券市場は過度なインフレを予想していないということです。
QQQとVYMを組み合わせてバーベル型ポートフォリオを作る
ただ、債券マーケットが判断を誤っている可能性もあります。FRBがインフレを止めることができず、1980年代のような持続的なインフレが起き、FRBは金利を上げ続けざるを得なくなるかもしれません。
そうなれば、グロース株はハチャメチャにやられて、相対的にバリュー株がアウトパフォームするでしょう。エネルギーや金融などがGAFAMなどのハイテクより優秀な成績を納める可能性が高いです。
どっちに転ぶかわからないですが、個人的には、今ポートフォリオをバリュー株重視に切り替えるのは反対ですかね。今の債券市場を見ていると、まだしばらくハイテクグロース株が強いフェーズが続くのではと感じます。最近は調子悪いですが。
ただ、バリュー株の地合いが少しずつ良くなっているのは確かなので、グロース株だけのポートフォリオというのも不安です。
そこで、バーベル型のポートフォリオでポジションを作りたいです。
ここで言う「バーベル」とは重量挙げに使うあのバーベルのことで、ダンベル戦略とも呼びます。対照的な資産クラスを同時に保有することを言います。
グロース株とバリュー株を両方保有するバーベルポートフォリオはいかがでしょうか?
具体的にはたとえば、グロース株としてQQQをバリュー株としてVYMを選んでみたいと思います。QQQとVYMの割合を変えて、グロースとバリューの割合をコントロールします。
バリュー株の方がアウトパフォームする可能性が高いと思うならQQQ30:VYM70とか。逆に、まだグロース株が強い相場が続くと予想してQQQ70:VYM30にするとか。
ちなみに、私の気持ちとしてはQQQ60:VYM40くらいですかね~。
何が儲かった損したというのは結局のところ結果論でしかなく、将来のことはわからないです。だからこそ投資にはリスクがあって、そのリスクを取る人には儲けの機会が与えられています。
マーケットから逃げ出したくなる局面だからこそ、しっかりポジションを取ってリスクテイクを続けたいところです。私はマクロ経済は予測できないので、さっきも言った通りややグロース寄りではあるものの、基本はグロースとバリュー両方買っていこうと思っています。
もちろん、そんなややこしいことせずにS&P500指数を買って放置も全然問題ないと思います。
私は貧乏なので単価の安いSPYGとDGRWをバランス見ながら投資しているのですが、
これもダンベル戦略でしょうかね。
とてDGRWもMSFTとAAPLで10%占めていたりしますからVYMほどの対称性はないのかもしれませんが、
私もハイテクに強気なので個人的には良い塩梅かなと思っています。
DGRWはHiroさんのブログで知りました。ありがとうございます。
DGRWいいですよね!
ご紹介できて幸いです。
国内ネット証券からは買えませんが、DGROも良い商品で米国投資家に人気みたいです。
DGROとあと個別株ではネスレが欲しいのに買えない銘柄ですかね~。