先日、オリックスがDHCを買収するという報道がありました。
DHCの営業利益100億円に対して買収額3000億円は割高ではというのが個人的ファーストインプレッションでしたが、ホリエモンのYouTubeでの解説を聞いて納得しました。
DHCのサプリメント以前飲んでました。妻は今も毎朝飲んでます。
資本関係を知ることで資本主義経済のお金の流れをより明瞭に理解できる
数年も経てばDHCがオリックス資本になったという事実は世間的には忘れ去られるかもしれません。
資本の所有関係というのは経済の表舞台に出てくることは少ないので、なかなか意識できないところがあります。
しかし、私たちが生きるこの資本主義経済を理解する上で資本関係を知ることは重要です。経済を理解するとはお金の流れを理解するということですが、お金の流れには資本関係が大きく関わっているからです。
たとえ100%出資でないとしても、子会社・関連会社の業績はいくらか親会社の業績に影響するので、親会社は子会社を経済的に支援するインセンティブが働きます。
綺麗ごとを抜きにすると世の中は金で動いていることがほとんどです。経済の裏事情である資本関係を知っていると、数段高い場所から経済の動きを見渡せるようになります。
意外と知らない? 日本企業の資本関係あれこれ
いくつか日本企業がかかわる意外な?資本関係を箇条書きで列挙してみようと思います。
「東芝」のテレビ「REGZA」は実は東芝ではなく中国Hisense資本(2018年に事業譲渡)。日本人に馴染みがある「東芝」のブランド名を敢えて残していると思われる。
PayPay、ヤフーはZホールディングスグループ。Zホールディングスの大株主はソフトバンクグループ
三菱UFJフィナンシャルグループはモルガンスタンレーの株式の20%超を保有している(リーマンショックの時に出資)
消費者金融アコムは三菱UFJ系列
ユーシーカードはみずほ系列
auじぶん銀行はもちろんKDDI系列だが三菱UFJ銀行からの資本も3割ほどある(KDDI7割、三菱3割)
PayPay銀行はもちろんソフトバンク系列だが銀行としては三井住友の資本が入っている
日本総合研究所は三井住友フィナンシャルグループの100%子会社
ポテトチップスで有名な湖池屋は日清食品グループ
カルビーの最大株主は米ペプシコ(保有比率約20%)
タリーズコーヒーは伊藤園の100%子会社
プロントはサントリーHDの子会社(過半数所有)
星乃珈琲とドトールコーヒーは同一資本グループ
モリバコーヒーはすき家やなか卯、ココスなどを展開するゼンショーグループ
化粧品、健康食品のファンケルはキリングループ
カネボウ化粧品は花王の100%子会社
ワインのエノテカはアサヒグループホールディングスの100%子会社
中外製薬はスイスのロシュの子会社
東京ドーム(ラクーアも)は三井不動産系列
丸の内にある高級ホテルパレスホテルの大株主はサントリーHD
イトーヨーカドー、そごう・西武、ロフトはセブン&アイホールディングスのグループ
雑貨屋のFrancfrancの大株主もセブン&アイホールディングス
ファミリーマートは伊藤忠商事系列(90%以上保有)
ローソンは三菱商事系列(過半数を所有)
ミニストップはイオン系列
まいばすけっと、マルエツはイオン系列
スーパーのサミットは住友商事の100%子会社
スーパーのライフは三菱商事系列
スーパーの西友は楽天、米ウォルマートの資本が入っている
KFCは三菱商事系列
カレーのCoCo壱番屋はハウス食品の子会社(過半数所有)
はなまるうどんは吉野家の100%子会社
ニュースなどで見かけたときに都度知識としてストックしていく
いかがでしょうか?
「知ってたよ!」ということもあれば「へー知らなかった」ということもあったと思います。
資本関係を知っていると世の中を見る視点が少し変わってきます。
たとえば、プロントは夜になるとカフェからバーに変わりますが、そのアルコールメニューがプレモルやビームハイボールなのはなぜでしょう?ウイスキーを推しているのはなぜでしょう?
そう、プロントがサントリーの子会社だからです。子会社というかそもそもプロントはサントリーが設立した会社です。UCCとの共同出資で。
だからプロントのビールがプレモルなのは当然なんです。スーパードライがなくても文句を言わないでください笑。
別に社会のテストがあるわけではないので資本関係を暗記する必要はないです。私も当然すべてを把握してるわけじゃないですし。
日々ニュースなどで見かける度に意識的に知識として蓄積する努力をすれば十分だと思います。今回のオリックスによるDHC買収の件も、記憶の片隅に置いておければいいですね。