ナスダック指数にレバレッジがかかった商品、通称「レバナス」が流行りましたね。今は金利が上がってグロース株がだいぶやられているので、流行も過ぎた感じでしょうか。

私はレバレッジ商品には原則投資しない方針です。短期トレードはともかくとして、長期保有目的として買うことはありません。

オプションなど高度な金融技術を用いて指数の2倍3倍の値動きを常に実現しているわけですが、それにどれほどの(隠れ)コストがかかっているか理解できないからです。勉強すれば理解できるかもしれませんが、今の自分の知識レベルでは理解不能です。理解できないものには手を出しません。

ただし、レバレッジつまり借金して投資すること自体には否定的ではありません。むしろ肯定的です。上手な借金の活用は資産形成のスピードを高めてくれ、ひいては人生の幸福度を高めてくれます。

借金、負債、レバレッジを正しく理解することはすごく大切です。個人にとってのファイナンス理論で最重要と言ってもいいかもしれません。

金融商品はシンプルイズベストです。ETF等に内包された複雑な金融技術に頼るよりは、シンプルに銀行等からお金を借りてレバレッジをかけた方がわかりやすいです。お金を借りるコストは、融資手数料および利息として誰でも明確に理解できるからです。

銀行等からお金を借りるとして、どういう条件であれば合理的と判断できるのか?

二つ条件があります。

①金利が十分に低いこと
②返済の資金繰りに余裕を持てること

判定の順番は①→②です。まず①を見て合格だったら②の判定をする。逆ではダメです。金利が十分に低くなければ、たとえ返済見込みが立つとしても借金はオススメできません。

「十分に低い金利」とは具体的にどれくらいなのか?

これはインフレ率や国債利回りなどで変わりますが、まだ低金利政策を続けている今の日本で言えば、個人的には2%台までが合格です。3%だと場合によってはありかも。4%以上の金利でお金を借りることは考えられないです。

言うまでもないですが、消費者金融とかリボ払いなど二桁の金利なんて論外です。

法人に比べて相対的に信用力のない個人が、金利3%未満の有利な条件でお金を借りられる商品は限られます。

具体的には住宅ローン、自動車ローン、証券担保ローンの3つくらいしか私は知りません。

住宅ローンは変動であれば0.4%前後であります。自動車ローンは銀行系であれば1%~2%台。証券担保は現在変動で1.5%からあります。

資金繰りに問題がない範囲で、これらの借金を積極的に活用することで資産形成のスピードアップを図ることができます。

特に住宅ローンの優秀さは飛び抜けています。税制優遇もありますし。持家か賃貸か考えは人それぞれですが、満足度や資産性どうこうという話だけでなく、住宅ローンという金融商品の有能さも勘案して考えることが大切かなと思います。

②の「返済の資金繰りに余裕があるか」という観点における理想は「一括現金払いできるだけのお金があるけど、敢えて借金する」という状況にあることです。金利が上がるなど不測の事態が起きたとき、最悪一括で繰り上げ返済できる資金力があると安心です。

家を一括払いできる現金を持つのは現実的ではありませんが、車はできれば一括払いできるだけのお金を貯めた上で、低利の銀行系ローンを組んで買うのが理想だと思います。

特に都内住まいの場合、車は必需品ではなく贅沢品という位置づけになりますし、一括払いできるだけの現金がない状態で無理して買って、家計がカツカツになってもそれはハッピーではないかなと思います。車が大好きって人は別でしょうけど。

特に私たち投資家は借金をうまく活用する必要があります。期待利回りが5~7%の株式等で資産運用しているわけなので。

借金できるのにそれを避けて現金を流出させるということは、運用して得られるはずのリターンを逃すことを意味します。借金を避けることの機会費用が高いということです。

たとえ低金利であっても借金を背負うと不安を感じることがあるかもしれません。安心感を得るために借金を避けることを否定するつもりはないのですが、経済合理的とは言えない場合があります。

経済合理性より安心感を優先するという判断も、それはそれで全然ありです。大事なのは①と②の条件を満たすなら、借金する方が経済的には有利という事実を理解していることです。それをわかった上で敢えて借金を避けるのは全く問題ないと思います。

いくら十分な貯蓄があったとしても、毎月の返済で給料を全部持っていかれるとかになると、精神的にはしんどいですからね。

まあ、私はマンションフルローンですし、車までフルローンで買ってしまったら、その状況に限りなく近づきそうですが笑。