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バフェットの「NYダウは100年後に100万ドル達成」発言に僕は否定的です

   

昔からお世話になっている読者さんから、こんなコメントを頂いていました。

バフェットのコメントの「100年後のダウは100万ドルまで上昇している」について、Hiroさんの私見をブログ記事でお願い致します。
お願いばかりです(笑)

ということで、一つ記事を設けて私見を申し上げたいと思います。
(チェルシーさん、コメントありがとうございました。)

一つ仮定を置きますが、インフレ率は現状の2%弱が続くことにしますね。高インフレを前提にすれば、100年後のダウ平均は100万ドルでも500万ドルでも可能になるので。

結論からですが、私はバフェットの「100年後のダウは100万ドルまで上昇している」発言にちょっと否定的です。そこまで、NYダウは上がらないと思います。でも、それは米国株投資家のリターンが低くなるという意味ではありませんのでご安心ください。

 

世界の人口増加率が鈍化していくなか、NYダウが100年後に100万ドルまで上昇するのは厳しいと思います。

100年後にダウが100万ドルになるということは、複利ベースの年上昇率は3.9%です。株式のリターンとして年率4%弱とはそれほど難しい壁には思えないかもしれません。しかし、これはそれほど簡単でもありません。

WSJによると、1916年から2017年までの100年間のNYダウの名目上昇率は年5.5%で、平均インフレ率は年3.1%でした。ということは、実質的なNYダウ上昇率は年率2.4%(5.5%-3.1%)だったということです。

果たして、これからの100年間はどうなるのでしょうか?

期間 株価上昇率(名目) インフレ率 株価上昇率(実質)
1916年~2016年 5.5% 3.1% 2.4%
2017年~2117年 ??? 2.0%と仮定 ???

上の表の「???」はどうなるかってことですね。

これまでの100年間NYダウは物価上昇を跳ねのけて年率2.4%上昇してきました。過去には10%を超えるインフレを経験している米国ですが、それでもNYダウはしっかりと物価以上に上昇してきました。株式が長期ではインフレに勝つことを示していますね。

で、これは個人的意見なんですが、2017年からの100年間のNYダウ上昇率(実質)は1916年~2017年のそれには及ばないと思います。1916年~2017年のNYダウ上昇率(実質)は2.4%でしたね。2017年~2117年の100年間はそれほどNYダウは上がらないと想像してます。

なぜ、これからの100年間のNYダウ(米株価)の伸びが鈍化すること考えているのか?

それは世界人口が徐々に頭打ちになる中、グローバルでビジネスを展開する多くの米国企業の利益成長も鈍化するだろうと思うからです。2100年までアフリカを中心に世界の人口は伸び続けると予想されています。2100年の予想世界人口(国連予想)は112億人です。2017年現在の世界人口は約74億人です。

これは国連が公表している世界人口予測です。これからも人口は増加していきますが、増加ペースは鈍くなります。

 

人口の増加幅が小さくなっていくと、米国企業の利益成長のスピードもゆっくりになっていくはずです。21世紀、グーグルやフェイスブックなどのハイテク企業がグングン成長していますが、これらの企業とて成長が永遠に続くわけではありません。

フェイスブックなんてわかりやすいですが、人の時間をいかに奪えるかが収益に直結します。ただ、人の時間は一日24時間と決まっています。「世界の人口数×24時間」というのが、地球上の人の時間リソースの限界です。ネットワークによってビジネスにレバレッジを掛けやすいハイテク企業と言えども、「奪える時間の壁」という成長の限界があります。

人口数だけで企業全体の利益成長率が決まるわけではないでしょうが、人口動態が企業利益に大きな影響を与えることは疑いようがありません。

利益が伸びないと株価は上がりません。当然ですが。株価とは将来の期待利益(配当)によって決まるものですから。

NYダウが100年後に100万ドルを達成するには年率3.9%の株価上昇が必要ですが、現状のインフレ率2%を前提にすれば、実質上昇率は1.9%ほどになります。2017年までの100年間のNYダウ上昇率(実質)が2.4%だったことを考えると、1.9%という数字は無理そうでもないですが簡単でもないと思います。

ここは数学的根拠のないただの直感なんですが、人口急上昇と産業革命による技術革新があったこれまでの100年間のNYダウ上昇率(実質)が2.4%程度なのに、人口増加が鈍るこれからの100年間でNYダウ上昇率(実質)が1.9%までいくとは思えません。根拠のない直感で恐縮ですが。

 

NYダウの上昇率がどうなろうと、米国株投資家の長期リターンは安泰です。

僕の仮説が正しいとしたら、これまでの100年よりこれからの100年の方がNYダウの上昇率(実質)は悪くなる・・。ってことは、米株インデックスに投資している人の投資リターンは悪くなるということか?
って不安に思うかもしれません。

いえいえ、そんなことはありませんので心配しないで下さいね。たとえ、これからの100年間NYダウの伸びが鈍化したとしても、米国株が投資家に提供するリターンは変わりません。変わりませんっていうか、株価の伸びによってリターンが決まるものではありません。株式に対するリスク認識が変わらない限り、株価の伸び率にかかわらず、投資家はリターンを得られるはずです。

株価が伸びない中で投資家が何によってリターンを得るかと言えば、配当です。

私の頭の中にある100年後の空想未来では、S&P500やNYダウの配当利回りが今の2%から大幅に上昇しています。100年後、S&P500の配当利回りが4%くらいはあっても不思議じゃないと思っています。それは今の低インフレ率が継続すると仮定しての高配当利回りってことですよ。インフレ率が上昇して配当利回りが高まるって意味じゃありません。インフレ率は現状の2%程度が継続すると仮定して話を進めています。

100年後のS&P500の配当利回りが、2017年現在の成熟企業フィリップモリスやアルトリアと同じ程度になっているかもな~と想像してます。

たとえ株価が上がらなくても配当が多ければ投資リターンは確保できます。これからの100年間、S&P500やNYダウに投資している人はかつてほどキャピタルゲインを得られなくなる代わりに、インカムゲインたる配当が多くなるだろうと思います。

イメージ的にはこんな感じです。

期間 キャピタルゲイン インカムゲイン 総リターン
1916年~2016年 35 65 100
2017年~2117年 20 80 100

2016年までの100年間よりも、2017年からの100年間の方がキャピタルゲインは減ると思います。でも、その分インカムゲインは増えると思います。株式に対するリスク認識が変わらないならば、これからも米株は投資家にリターンをもたらしてくれるでしょう。

ところで、地味に注目して欲しいことは、2016年までの100年間でさえも総リターンの65%は配当がもたらしたという事実です。

現在の2%弱のインフレ率が続くとしたら、僕は100年後の2117年にNYダウが100万ドルまで上昇している未来を想像できません。まあ、素人投資家Hiroと投資の神様ウォーレン・バフェット氏の意見に対立があって、Hiroの意見に賛同する人は誰もいないでしょうけどね笑。

ただ、バフェット氏が正しくてもHiroが正しくても、米株投資家が実質ベースで7%程度のリターンを得られるであろう点は変わりません。100年後のNYダウがどうなるかなんて関係ありません。リスク資本を提供する者は相応のリターンを得ることができます。それがすべてです。これからも優良米国株をしっかりホールドしていきましょう!

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