※2021年12月期決算データ反映、コメント刷新

S&P100構成銘柄を中心に米国企業の業績、財政状態、キャッシュフロー、株主還元状況について過去10年分のデータをグラフ化しています。

データソースはMorningstarです。

今回はロッキード・マーチン(LMT)をご紹介します。

基本情報

会社名ロッキード・マーチン
ティッカーLMT
創業1909年
上場1961年
決算12月
本社所在地メリーランド州
従業員数114,000
セクター資本財
S&P格付BBB+
監査法人EY
ダウ30×
S&P100
S&P500
ナスダック100×
ラッセル1000

地域別情報

地域別売上構成比

地域別売上高推移

セグメント情報

セグメント別売上構成比

セグメント別売上高推移

セグメント利益推移

セグメント利益率推移

業績

キャッシュフロー

バランスシート

資産

負債純資産

株主還元

連続増配年数

20年

過去10年の配当成長

年率+12.5%

この10年で配当は3.3倍になりました。

過去の株主リターン(年率、配当込み)

過去10年(2012~2021):+19.6%
過去20年(2002~2021):+13.6%
過去30年(1992~2021):+14.3%

バリュエーション指標(2022/2/28時点)

予想PER:15.4倍 最新情報はこちら

配当利回り:2.7% 最新情報はこちら

コメント

ロッキード・マーチンは米国最大の軍用機メーカーです。売上高の約7割は米国政府向けで、ペンタゴン(米国防総省)やNASA御用達の企業です。

開示セグメントは以下の4つ。
・航空機
・ミサイル防衛
・ミッション、ロータリーシステム
・宇宙システム

「航空機」は戦闘用、移動用の航空機、無人航空機の研究・設計・開発・生産・維持フォローを担うロッキードの主力部門です。F-35、C-130ハーキュリーズ、F-16ファイティング・ファルコンなどがあります。

「ミサイル防衛」は弾道迎撃ミサイルシステム”THAAD”や地対空ミサイルの”PAC-3″、多連装ロケットシステム”MLRS”、空対地ミサイルの”ヘルファイア”などを開発、製造している部門です。また、特殊作戦部隊のミッション成功のサポートも担っているようです。

「ミッション、ロータリーシステム」は軍用及び商用ヘリコプター、潜水艦の戦闘システム、レーダーシステム、沿岸戦闘船などの設計、開発、アフターサービスを担っています。2015年にユナイテッド・テクノロジーズから買収したシコルスキー部門は当事業に含まれます。「ブラックホーク」が有名です。

「宇宙システム」は衛星や宇宙輸送システムの研究開発・設計・エンジニアリングを行っています。

財務データを見てみましょう。

売上高はFY14を底に成長を続けています。ステルス戦闘機F-35の販売が好調。FY16からシコルスキー買収が売上増に寄与しています。

FY21(2021年12月期)の売上高は670億ドルで前年比+3%。事業別の成長率は以下の通り。
航空機:+2%
ミサイル防衛:+4%
ロータリー、ミッション:+5%
宇宙システム:-1%

F-35の契約は減少しましたが、シコルスキーヘリコプタープラグラムなど他部門が補完し全体として売上増となりました。

純利益は63億ドルで前年比▲8%と減益。営業利益は91億ドルで+6%の増益でした。

FY17末には一時債務超過になっています。2012年~17年あたりは自社株買いが多く純資産が削られました。近年、純資産は厚みを増しています。

配当は毎年増加。配当性向は50%前後でまだ余裕はあります。FY21は41億ドルと直近10年では最大の自社株買いを実施しました。配当と合わせた総還元性向は111%

さて、コロナ前の高値を超えれていないロッキードですが、ウクライナ問題が流れを変えるかもしれません。ロシアの軍事侵攻を目の当たりに、西欧指導者の安全保障に対する価値観が変わりつつあります。

貿易を通じた経済連携だけではダメで、軍事力を強化して自国民を守る必要があるということです。ドイツは米国から戦闘機を購入すると既に表明しています。

PER15倍のロッキード・マーチンは「買い」かもしれません。