FY22(2022年9月期)決算データ反映、コメント刷新

S&P100構成銘柄を中心に米国企業の業績、財政状態、キャッシュフロー、株主還元状況について過去10年分のデータをグラフ化しています。

今回はアップル(AAPL)をご紹介します。

基本情報

会社名アップル
ティッカーAAPL
創業1977年
上場1980年
決算9月
本社所在地カリフォルニア州
従業員数154,000
セクター情報技術
S&P格付AA+
監査法人EY
ダウ30
S&P100
S&P500
ナスダック100
ラッセル1000

地域別情報

地域別売上構成比

地域別売上高推移

セグメント情報

製品種類別売上構成比

製品種類別売上高推移

セグメント利益推移

開示なし

セグメント利益率推移

開示なし

業績

キャッシュフロー

バランスシート

資産

負債純資産

株主還元

連続増配年数

10年

過去10年の配当成長

年率+26.2%

この10年で配当は10.2倍になりました。

過去の株主リターン(年率、配当込み)

過去10年(2012~2021):+30.5%
過去20年(2002~2021):+36.8%
過去30年(1992~2021):+22.4%

バリュエーション指標(2022/10/28時点)

予想PER:23.7倍 最新情報はこちら

配当利回り:0.6% 最新情報はこちら

コメント

スティーブ・ジョブズが1977年にパソコン開発のためにガレージで起業した会社がアップル設立の起源です。

1976年に初代マイクロコンピュータである「AppleⅠ」を開発しました。その後に発表した「AppleⅡ」が大ヒットし、1980年には株式上場を果たします。

1984年にマックの愛称で親しまれる「Macintosh」を発売。今見ると図体がデカく使いにくそうなパソコンですが、当時としては画期的な商品でした。ジョブスは「Macintosh」を「AppleⅡ以来のメチャクチャ凄いPCだ」と自信満々に商品発表を行いました。

ジョブズは「Macintosh」の生産について強気の計画を指示しましたが、当初の販売は計画を下回る結果となりました。それが原因で1985年にジョブスは自らが創業したアップル社を追放されました。1996年に復帰するまでの10年間、アップルはジョブズ不在の時期でした。

2001年にはポータブル音楽プレイヤーのiPodを発売。そして、2007年にiPhoneを発表。iPhoneはアップルのドル箱商品に成長しました。iPhoneは世界中の人々の生活に革命を起こし、仕事の進め方、コミュニケーションの方法を大きく変えました。

ジョブスはiPhone4Sの発表後、2011年5月に56歳の若さでこの世を去りました。

iPhoneの世界販売台数は2億台/年を超えます。特に日本のスマホ市場はiPhoneのシェアが高く60%近くあります。米国のそれはかつては30%台でしたが、2022年現在は50%を超えています。

総売上高に占めるiPhoneの割合は50%強にまで低下(FY15は67%)。今後は稼働しているiPhone1台当たりの収益を最大化すべく、Apple MusicやApple TV+といったサービス売上を拡大させていく方針です。AirPods等のウェアラブルの収入も伸びてきました。チップ内製に伴って近年はMacの需要も急増中。

財務データを見てみましょう。

FY22(2022年9月期)の売上高は3,943億ドル。ドル高の逆風をはねのけて前年比+8%の増収を達成。

製品種類別の伸長率は以下の通り。
iPhone +7%
Mac +14%
iPad ▲8%
ウェアラブル、アクセサリー +7%
サービス +14%

地域別の伸長率は以下の通り。
アメリカ大陸+11%
ヨーロッパ+7%
中華圏+9%
日本▲9%
その他+11%

iPhoneの販売数量は市場予想を下回りましたが、それでも前年比で7%の成長。Macとサービスは二桁伸長。iPadのみが減収でした。地域別で見ると日本の減収が目につきます。円安の影響も大きいでしょう。

粗利率の改善が顕著です。2010年代後半の粗利率は38~39%でしたがFY22は43%。販管費率はさほど変動してないので、粗利率が改善したぶん営業利益率が改善しています。

FY22の純利益は998億ドルで前年比+5%。

昨年、営業キャッシュフローが1000億ドルの節目を超えましたが、FY22はさらに上昇して1200億ドル以上のキャッシュを獲得しました。小国の税収くらいあります。

2012年から配当を出しており、DPS(一株当たり配当)はこの10年で10倍に拡大。また、配当以上に自社株買いの規模の大きさが目立ちます。配当性向は10%台ですが、総還元性向は100%を超えています。