よほど投資対象を誤らない限り、日本在住の資本家は財産を築き、それを維持することができます。

強いPL・BSを持つ米国企業や日本企業の株式、S&P500などのインデックス、都心部のマンションなどの優良資本を持っている人は、非資本家よりも確実に豊かになれます。

投資タイミングはあまり関係ないです。ほとんどの時期で株も不動産も高値に見えます。優良資産ほど基本的に右肩上がりのチャートを描くので、数年前の相場と比較するとどうしても割高に思えてしまうものです。

確かに、リーマンショックやコロナ禍真っ只中の時など、資産価格が不当に下落したこともありました。が、こんな大底で投資するのはかなり難しいです。

暴落が訪れるまで現金を抱えたまま我慢して、底値で全財産をリスク資産にぶっこむなんて芸当できるもんじゃないです。せいぜい暴落している時に気持ち多めに株を買うことができるくらいです。

マンションに興味を持って、昨年かなり勉強したのですが、結論として別に都心部でなくても首都圏で(首都圏以外は知らない)、それなりの条件を満たした物件を適正価格で購入すれば、だいたいリターンを得ることができます。

「リターン」というのは、ざっくり言って5年以上住んで賃貸よりは得になる程度の意味ですが。別に物件が値上がりするという意味ではないです。10年以上住めばかなり安泰です。低金利なので残債もドンドン減りますし。

株にしろ不動産にしろ、きちんと投資対象を選べば資本家は中長期的には報われます。リスクを取って資本を保有し、その結果社会に貢献できた人は金持ちになって良い生活を送ることができる。それが資本主義の仕組みだからです。

我が国の現首相は「資本家は金の亡者でけしからん!」みたいな、ポジショントークをよく展開されますが、もちろんこんなの真に受けてはいけません。世の中には非資本家の方が多いので、資本家いじめをしておけば政権支持率的に安牌なのでしょう。

アメリカほどでないにせよ、日本は資本主義経済で個人の私有財産権は保護されています。

資本主義社会では資本家が豊かになる、とはよく言われるフレーズですが、これが成立する時代、国に生きているということはとてもありがたいことです。

資本家が必ずしも豊かになれない社会条件もあります。具体的には街を破壊する戦争や、個人財産を接収する独裁政権の存在です。

戦車やミサイルで物理的に建物、道路を破壊する旧時代の戦争がまさか起こるとは思いませんでしたが、実際にウクライナでそれが起きてしまったのが現実です。

こういった戦争はガラガラポンを引き起こします。復興のためには個人財産の保護とか言ってられないので、金持ち資本家の富は国家再生のために使われます。

ロシアのオリガルヒの財産はプーチン大統領の一存で接収されることがあります。酷いケースでは、適当な言い掛かりをつけて有罪にされて収容所送りにされます。

日本やアメリカなどの民主主義先進国では、幸いにして旧来型の戦争も独裁者による接収もどちらも起こる可能性は低いです。

日本みたく安定した社会ではガラガラポンは起きないのです。よって資本家の富は増え続け、貧富の格差は拡大し続けます。

この現実をどう捉えるのか。

資本家が無一文になるようなガラガラポンを引き起こすブラックスワンの到来を願うのか。それとも、現実を客観視し、資本家になることが有利なんだから何とか自分も資本を持とうと努力するのか。

どんな時代でも株や不動産で蓄財することが正解だとは思いません。頻発する戦争や、為政者の気まぐれで容易に財産が奪われる環境ならば、宵越しの金なんか持たずに稼いだ金はさっさと使った方が得という考えもあります。

現代日本では資本を持とうすることは正解と言えます。資本家が安定して富を築ける環境が成立しているからです。

これ、当たり前のように見えて実はとてもありがたいことです。資本を持たないのはもったいないとさえ思います。