全国の経理部員が為替に振り回されているはずです。3月決算企業は今の時期は2020年度の計画策定(業績予想の作成)を行う時期です。想定為替レートをどこに設定すべきか。経験豊富なCFOとて1年後の為替なんて見通せません。それができるなら、ファンドマネージャーに転職した方が生産性が上がるでしょう。

当初コロナショックで株価が暴落した時は、想定通り調達通貨である円が買い戻されて円高ドル安が進みました。リスクオフ時の円高ですね。一時101円まで円が買われました。

この時、うちの経理部内では2020年度の想定為替レートの変更は不可避だと判断。ドル101円で予想PLをシミュレーションするように指示され、エクセルをカチャカチャいじってました。

したら、株式市場は混乱したままというのに、逆に円安ドル高が進んでいくではありませんか。一体何が起きているのでしょうか。今日朝起きたら、1ドル111円台でぶったまげました。

円安になればドル建ての米国株の円評価は上がるので、そういう意味ではポジティブではあります。ドラクエで言えばベホマラーの呪文を唱えた感じです。しかし、今後の買い増しを考えればネガティブ。円高の時にドルを買っておけばよかったです。

来週、出社したらまた想定レートをどうするかで議論になること間違いなしです。もう、テキトーでいいんじゃないかって開き直りたくなりますw。疲れました。誰もわかりませんよ、未来の為替なんて。

まだ株式市場の雰囲気はリスクオフなのに、どうしてこんなに円安ドル高になるのか。あと、債券利回りが上がっているのも気になります。普通は株安なら債券は買われて、利回りは下がります。現在、米10年債利回りは1.16%まで上がっています。なんかカオスです。What is going on here !!?

ロイターがこんな解説をしています。

バノックバーン・グローバル・フォレックスのチーフ市場ストラテジスト、マーク・チャンドラー氏は「ドルの強さは強力なショートカバーによるものだ」とし、「ドルは世界の資金循環の大部分で資金調達に利用されていたが、資金循環が逆転し、調達通貨が買い戻されている」と述べた。

ロイターより抜粋

ドル高ということは誰かがドルを買っているということです。知りたいのは「なぜ」ドルを買ってるのか、その背景です。ロイターによれば、調達通貨の買い戻しとのこと。なんか難しい表現ですが、要するにドル建て債務の返済のためということです。ドル建ての借金を返済するためにはドルが必要です。だから、ドルが買われている。結果としてドル高が進んでいると。

うーん、わかるようなわからんような。今みたいに経済が一時停止する時期って、資金繰りのためにむしろ借金するんじゃないのか。でも、企業業績に懸念があれば、債券投資家だって追加のプレミアムを要求するのは自然です。それで金利が上がっていて、ドル建て債務を借換えなしで返済する企業が増えている。それがドルが買われている背景か。

リスクオフ時のドル高。なんか新しいトレンドですね。今までもこんなことあったのでしょうか。経験なくて知りませんが。

コロナ問題が落ち着くまでは株安ドル高(円安)トレンドが続くかもしれません。円で買い付ける日本人投資家としては買い場なのか微妙になってくるかも。と言っても、株価の下落率の方が圧倒的に高いから普通に買い場だとは思いますが。

為替も株と同じで、短期的にはファンダメンタルズ関係なく、需要と供給で決まります。ドルの需要が相対的に強ければドル高になります。ただ素人意見ですが、私は長期的にはドル安円高トレンドだと思っています。