貧富の差が拡大し過ぎることは良くないことではありますが、(今のところ)戦争などのガラガラポンが起きない現代先進国では金持ちはますます金持ちになっていくのが現実です。

なぜ金持ちはより一層金持ちになっていくのか?

その理由を3つ書いてみます。

r > g

一つ目が有名なこの数式です。資本収益率rは経済成長率gよりも高いという意味です。

株式収益や不動産所得などの資本所得の成長率がr、給与所得の成長率がgです。

株式はインフレ考慮後の実質で年率7%程度のリターンを残してきました。インフレ率次第ですが、名目では9%はあると言えます。最低でもインフレ率は2%あると想定して。

給料が年率9%で上がり続けることは考えられないです。22歳で年収300万とすると30歳で600万、40歳で1400万、50歳で3350万という計算になります。30歳で600万はあり得るとして、50歳で年収3千万円なんて無理です。

しかも労働収入は60歳ないし65歳で途絶えます。

資本収入はこのペースで増えることが現実的にあり得るわけです。新卒年収300万が50歳で10倍の3千万になる感じ。しかも定年もない。夢があります。

でもこれは夢ではなく現実です。資本家は実際こういう世界線を生きています。無論、毎年安定的に9%の利回りがあるわけではなく、いばらの道ではありますが。

純粋な消費が少ない

金持ちはその財力に物を言わせて高額な商品を買って贅沢な生活をしているように見えます。

しかし、それは純粋な消費ではないことがよくあります。むしろ、消費のつもりが気付いたら投資になっていることもあるくらいです。

典型的には都心のマンションで、10年前に70㎡2億円で買ったタワマンが今3億円で取引されているくらいざらにあります。お金を払うどころか1億円もらって高級マンション生活を送っています。

家についで高額な商品として車があります。家みたいに値上りすることは少ないですが、ポルシェやフェラーリなどの高級車は3年5年くらいでは状態によりますが買値と同額でリセールできる場合もあります。

庶民がPLで扱っているものを金持ちはBSで扱っています。

有利な条件でお金を借りれる

借金を上手に活用することは蓄財を進める上で重要なスキルです。なるべく低利かつ長期間で借金することが理想です。

有利な条件でお金を借りれるのはどういう人かというと、お金を借りる必要がない人です。これは皮肉な事実です。

お金を借りなくてもいいけど借りた方が経済的に得だから借りよっかな~、くらいの気持ちで借金する人が有利です。一方で、手元にお金も担保資産なく、生活のためにお金を借りざるを得ない人は足元を見られて不利な条件でしか借金できません。

十分に担保資産がある、金融資産がある、収入が高い、こういう人は金融機関から良い条件でお金を借りることができます。これらの属性が良い人はリスクが低いからです。

銀行の融資は保険と一緒で統計に基づいたビジネスです。貸倒リスクが低いと思われる人には低利で貸すし、貸倒リスクが高いと思われる人には高利で貸します。そうしないと利益が出ませんから。