「お気に入りの保有期間は「永遠」である」なんてバフェットは言ってますが、言動不一致も甚だしいです。

バフェットがもっとも長期間保有し続けている上場株はコカ・コーラ(KO)のはずですが、それでも30年ちょいです。とても「永遠」なんて言えるレベルではありませんね。

バフェット先生は結構すぐに見放します。損切りのタイミングが早い。コロナ禍でのデルタ航空株売却みたく失敗と言える損切りもあるけど、素早い売却のおかげで最終的には大きく儲けます。IBMを売ってアップルを買った判断がその典型です。

この姿勢は見習いたいです。

株式投資の原則は長期、分散です。私みたいにタイミングが下手くそでも、しっかり分散してマーケットに居続けるだけでそれなりに儲けることができます。

ただ、市場に居続けることには賛成とは言っても、同一銘柄を永久保有すると決めつける姿勢には反対です。

証券投資の良いところはすぐに撤退できるところです。不動産は売却のために数カ月を要することもありますが、流動性の高い上場株であれば売りたければ今夜にでも現金化できます。

いつでも売却できるというオプションがあることは、当たり前のように思えて実は非常に価値のあることです。株式はその流動性オプションも加味して値付けされています。つまり、いつでも売れるというメリットがある分、価格は割高になっているということです。

株を買うと、知らずうちにそのオプションも買っているわけです。

特定銘柄を永久保有すると決めることは、そのオプションを無償で放棄することに他なりません。自らそんな束縛ルールを課す理由はないと思います。

ましてや、現代は10年で社会が一変する変化の早い時代。今日の勝ち組が10年後も勝ち組とは限りません。決算をウォッチしていて、もう落ち目かなと思えば売却することも必要です。

バフェットがもっとも長く保有している上場株がコカ・コーラというのは興味深いです。そういう生活必需品セクターには永久保有しやすい銘柄が多いのかもしれません。プロクター&ギャンブルとかね。

そうは言っても、やはり鼻から永久保有を決めつけて冷凍保存する理由はありません。ダメだと思えば売るべきでしょう。

ましてや、テクノロジセクターは特定銘柄を一生保有するなんて怖くて無理です。GAFAMでさえ、10年後はさすがに大丈夫としても、20年30年後はどうなっているかわかりません。ショッピファイ、ストライプ、ドキュサイン、ズームビデオ、オクタ、サービスナウなど優良企業が次々に生まれています。

結果として同一銘柄をずっと保有することはあるかもですが、変に愛着を持たずに売る時は売るという姿勢を持っておきたいです。常にその時代の勝ち馬に乗りつつマーケットに居続けたい。不安ならETFに頼ればいいと思ってます。