住宅ローン減税、思った以上の改悪で萎えるわ

住宅ローン減税改正案の速報が飛び込んできましたが、思った以上の改悪でした。ニュースをざっくりまとめると以下の通り。確定ではないので今後変わったらすみません。

逆ザヤ解消のため控除率が1%から0.7%に変わるという話は随分前から出ていましたが、ローン残高上限が4000万円から3000万円に縮小するのは寝耳に水でした。

従来は最大で4000万円×1%=40万円の税金還付が受けられたのに、今後は3000万円×0.7%=21万円が最大還付額となります。期間は現行10年より伸びるでしょうが、仮に15年でも最大還付額315万円と現状の400万円に劣ります。

40万円の税金還付を受けられるのはある程度の高額所得者だけなので、細く長く還付がある方がメリットという人もいるでしょう。しかし、全体としてみればこれは増税だと思います。

あと何気に所得上限を3000万円から2000万円に引き下げています。所得2000万円超の人は住宅ローン減税の適用なしとなります。お得意の金持ちいじめですね。

今年契約した人はギリギリ1%減税に滑り込めます。でも、だからラッキーではありません。増税によって住宅市場が冷え込めば、住宅価格が下がるのですでに物件を購入した人のバランスシートが痛むリスクが高まります。

まあ個人的にはファミリータイプの新築マンションが1億円近くまで値上がりしている都心部に限っては、今回の実質増税が需要に影響するとは思いません。

億ションを検討している人は、減税総額が400万円だろうが300万円だろうがそこまで気にしないでしょう。2億、3億のマンションを買う人はキャッシュ一括の人が多いのでそもそもローン減税関係なし。

都心まで電車で30~40分かかるような近郊、郊外の住宅市場が今回のローン減税改悪の影響をもっとも受けるのではと予想します。坪180万、70㎡前後、グロス4千万円ほどのマンションを検討している人にとって、今回のローン減税枠縮小の影響は大きいはずです。

経済的影響もさることながら心理的影響が気掛かりです。

日本は資本主義国家とは呼べない

コロナ禍から立ち直って経済を回さければならないこのタイミングで、景気効果の大きい住宅市場で増税に踏み切るのはちょっと私には理解できません。

一応毎回選挙には行ってますが、私の1票程度では何も変わらないことは初めからわかってます。それでも朝一で投票所に向かってます。

ああこれが日本の政治なんだという認識をしっかり持つことが重要だと改めて思うところです。

よく「議員報酬をもっと引き下げろ!」って主張する人がいます。

私はそれには反対です。

ダメですよ、そんなことしたら。議員の待遇はよくあるべきです。議員になったら美味しい思いができた方がいいのです。昔の杉村太蔵さんのように当選して自分が金持ちになれることを大っぴらにテレビの前で言うのはどうかとは思いますよ(笑)。

でも、それが本音でしょう。人間そんなもんでしょう。必死になって選挙を戦うのは議員という待遇が恵まれているからです。表面的な給料はそれほど高くなくても、国政のためという名目でありとあらゆる支出が経費で落ちるのです。詳しいことは知りませんが。

もちろん国家の利益のために私利私欲を捨てて国政に当たっている方もいらっしゃるとは思います。でも、使命感だけで続けられる職務ではないでしょう。たくさんの金と権力が付いてくるから政治家を続けたいと思う。それで何ら問題ないです。

だからこそ、政治家は次も国民に選挙で選ばれるよう一生懸命がんばるわけです。少しでも自分を支持してくれる業界団体の利益になるよう働きかけをしてくれます。若い人の支持が必要なら現金のばらまきだってやぶさかではないのです。

株価を上げてくれるなら株主は数十億円のCEO報酬をケチるべきではありません。同じく、政治家に対する報酬も下手にケチるべきではないと私は思います。

金利が低いにもかかわらず銀行融資が伸びない時代が続いています。こういう時代は中央の影響力が大きくなります。財政出動の余地が大きくなるからです。より国民の方を向いて政策を決めてもらう必要がある時代です。優秀な人材が政治家になりたいと思うような経済インセンティブが必要です。

政治家は次も選挙で落ちないよう考え抜いて政策を決めています。落選したら甘くて美味しい地位がなくなってしまうので必死です。

にもかかわらず、今回のような住宅ローン減税の改悪を決めてしまうわけです。別に政治家を批判する気にはならないです。これが私たち日本国民の意思なんだなと思うだけです。政治家は国民の代表ですから。

これが日本なんです。良い悪いの議論は横に置いて、いまこのタイミングで景気を冷やす政策を導入するのが私たち国民の希望ということです。

金持ちから金を取る、適当なタイミングで経済を冷やして敢えて経済成長は目指さない。抜け駆けで金持ちになるのは許さない。それならみんなで貧乏になった方がマシ。こういう価値観を感じますね。

こういう価値観があること自体はおかしなことではないと思います。色んな考え方がありますから。純粋資本主義が絶対正しいとは思わないし、かつて流行ったネオリベ的な思想を持っているわけでもありません。

ただ、日本はあまりに嫌資本主義だなと感じます。

そんな日本でどう振る舞うべきか?

私は資本主義ゲームで勝つためにはどう行動すればいいか考えてきましたが、そもそも日本は資本主義というルールで物事が動いていません。資本主義ゲームが開催されていないのに、資本主義ゲームをプレイしようとしてもうまくいきません。

じゃあ、どうすべきか?

日本から脱出するしかありません。物理的に移住するのはハードルが高いですが、金融資本なら移動は超簡単です。

日本株に長期投資しようなんてとても思えないです。少なくともコアにはできない。中国もダメということがわかってきましたね。

やっぱ米国ですよ。ポートフォリオのコアはS&P500やナスダックがいい。

多少PERが高くても、そのプレミアムを払う価値は十分あります。テクノロジーを中心に利益が成長しているからだけでなく、リスクを取った人が豊かになることを許容する文化、政治にプレミアムを払う価値があると思うのです。リスクを取って成功した人がいい生活を送る、というのは至極当然なことだと思います。

私は日本嫌いではありません。むしろ好きです。毎週どっかしら都内を散歩をしてますが、デパートのトイレは感動するくらい綺麗だし、千円出せばちょっと豪華な外食ができます。そんな国日本くらいと言われます。

海外移住の希望はありません。お金だけアメリカに移住してもらって頑張って稼いでもらいます。んでそのお金を、物価が安く清潔でご飯が美味しい日本で使いまくります。