今日のWSJに株式のインプライドデュレーションなる言葉が出てきました。デュレーションという言葉は普通は債券投資で聞くもので、株式で議論されているのを見たのは初めてでした。
デュレーションって聞いたことありますかね?
一般的には債券投資における元本の平均回収期間を指します。額面価格100円、残存期間5年、クーポンレート2%のデュレーションは4.7年みたいな。4.7年あれば元本回収できまっせということです(計算は適当です!イメージ例です)。
デュレーションという概念は固定利付の債券で用いられがちな発想で、将来EPSがどう変動するか予想しづらい株式ではあまり聞きません。
そんな株式でデュレーションを計測した人がいるそうです。
ミシガン大学のパトリシア・M・デチョフ、リチャード・G・スローン、マーク・T・ソリマン各氏は、2004年に発表した論文で、売り上げ・利益・簿価の伸びに基づいて将来のキャッシュフローを予測し、企業の「株式のインプライド(予想)デュレーション」を推計する方法を広めた。
ウォールストリートジャーナルより
早速、その株式のデュレーションなるものを見てみましょう。
米国株の平均デュレーションは19.8年だそうです。19.8年株式を保有し続ければ、累積EPSが投資簿価を超えるということでしょうか。
詳しい計算背景はわからないのですが、感覚的にはちょっと長いなあという気はします。仮にPER20倍でその後EPSがずっと横ばいで回収期間は20年になるなので。
まあリセッション確率、リスク、時間価値とか色んな要素があるんでしょうね、きっと。
大暴落直前のタイミング最悪の時に投資してしまっても、20年弱保有し続ければ損失は被らないという解釈もできます。
ちなみにデュレーションが長い方が金利上昇に弱いです。グラフの中でデュレーション最長のナスダックが最近売られがちなのはそういうことです。
この株式インプライドデュレーションの計算が厳密かどうかは実はあんま興味ないのですが、こうやって債券投資みたく株式を分析する視点が個人的に好きなんです。
どれだけ株価が上がるかばかりに注目が集まりがち株式ですが、想定保有期間が長い投資家ほど保有銘柄が今後どれだけEPSを稼ぐのか、その将来EPSに対して投資額(株価)が妥当かどうかという発想が大切だと思います。
株式でデュレーションを考えるという視点は、ウォーレン・バフェットが提唱するルックスルー利益の発想に通ずるところがあります。
結局、株価が上がらないと意味がないというのは事実ではあるのですが、株価が長期的に上がるには持続的なEPS成長が欠かせません。
累積EPSが投資簿価(=投資時の株価)を超えたあたりからが、長期株式投資が本当に儲かるウハウハゾーンなのではないでしょうか。
米株投資を初めて6年ちょっとの私なんてまだまだです。ようやく平均デュレーションの1/3に到達したくらいです。
アフターコロナの暴騰でそこそこの含み益が出てますが、複利でリターンを積み上がっている実感は正直まだ薄いです。
繰り返しですがまだ投資期間6年ですからそれも当然。焦りは禁物。
私が平均デュレーション19.8年に到達するのは50歳ちょい手前です。人生100年と考えたらまだまだ若いでしょ!w
今を犠牲にして蓄財しまくることにそこまで価値を感じるタイプではありませんが、人生の後半フェーズで金がないのは絶対に避けたいです。
長期投資がもたらす複利の儲けの凄さを実感できるであろう投資期間20年超を目指して、気長に頑張っていきたいです。