企業は常に成長を求められます。

特に株式を上場したら不特定多数の人が所有者になるので、毎決算数字で客観的に成果を見せないといけないというプレッシャーが高まります。今は投資期間なので赤字でも許して、とは言いづらくなります。

成長成長、、と言われ続けてせわしない感じがしますね。まあ仕方ないのかな。

PER50倍のアマゾン、30倍のアップルに成長を求めるのは無理もありません。益回りはそれぞれ2.0%、3.3%です。債券よりはマシとは言え、エクイティのリスクを取るわけだから利益横ばいだと投資家は不満でしょう。

そこはわかる。ただ、PER10倍前後のバリュー株も成長を求められるのって経営者はしんどいだろうなって思います。

PER10倍前後の銘柄と言えば、ぱっと思い付く大型株ではAT&T(T)、アルトリアグループ(MO)なんかがあります。少し倍数が上がるけど、ベライゾンコミュニケーションズ(VZ)もそんなもんでしょうか。

これらの企業は目前の高成長は無理としても、中期的にはそこそこEPSを伸ばしてねという投資家からの要求を受けています。

PER10倍ということは益回り10%。100万円投資した場合の予想利益は10万円(100万円×10%)です。

それって十分じゃないでしょうか? ましてや低金利の昨今。それだけPERが低くければ(益回りが高ければ)、利益成長なしでも投資家は満足すべきではと思うこともあります。

不動産投資で実質利回り10%と言うと、かなり妙味のある案件ですよね。人脈のない素人に回ってくる案件で、これほどの高利回りが得られる投資マンションはほとんどないと思います。

不動産の場合、賃料はそんなに上げられないです。満室経営を維持して、実質利回り10%をずっと維持できればオーナーは満足でしょう。

それが投資対象が株式になった途端、投資家は利回り10%でも成長を求めてきます。資本主義の権化たる株式という資産は常に成長を求められるのですかね。

これは批判でも何でもないです。逆です。常に成長を求められているからこそ、株式という資産は魅力的だと言いたいです。

長期投資ポートフォリオは、株式以外にも不動産(REIT)なども幅広いアセットクラスを持つべきと言われることも多いです。そう言えば、シーゲル氏が『株式投資の未来』で推奨していたポートフォリオも一部REITが入ってましたっけ。

色んな考えがあるでしょうが、私はREITには投資する気は一切なく株式100%で行くつもりです。ポジショントークと思われるのは承知してますが、やっぱりあらゆる資産の中で株式がベストだなと思いますね。