家を買うことで快適な住環境を得たいのは当然として、できれば資産形成にも繋げていきたいところです。わざわざリスクを取ってコンクリートの塊(マンションの場合)を買うわけですから、賃貸を続けた時より金銭的に得をすることは最低ラインです。

住宅取得は特に1件目が重要だと言われます。沖さんもそうおっしゃっています。1件目で資産性が劣る物件を買ってしまうと、売却して引っ越すことができなくなり住む場所を縛られてしまうし、そんな残債割れの状態では自宅不動産で財産形成も覚束なくなるからです。

確かに最初に買う物件でめちゃくちゃ割高な物件を掴むのは避けたいです。ただ、それは2件目でも3件目でも避けたいことで、1件目に限った話ではありません。

私の個人的意見ですが、最初の1件目は資産性を気にし過ぎずスピード重視でさっさと買ってしまった方がよいと思います。もちろん賃貸派の人は買う必要はなく、購入すると決めている場合の話です。

資産性にこだわるのは2件目以降で十分かなと。というのも、最初はとにかく賃貸の家賃を支払っている状態からの脱却こそが、もっとも経済的に有利な判断になるからです。

仮に家賃13万円のアパートを借り続けている状態で家探しを1年間続けたら、それだけで年間150万円近い費用が発生します。まずは家賃の支払いを堰き止めて、住宅ローンという負債の返済に切り替えることが大事だなと思います。

1か月でも早く帰属家賃を得る状態に移行する、費用から投資へ切り替えるということです。

ただし、いくらスピード重視だからって、購入後即10%20%も値下がりする物件を掴んでしまうのは避けたいです。そこは注意した方がいいです。最低限の資産性チェックは必須です。20%も値下さがりしてしまったら、数年の帰属家賃ではカバーできません。

立地、条件が類似する周辺中古の坪単価をチェックして、自分が買おうとしている物件の坪単価と大きく乖離していないか確認が必要です。また、新築物件であれば「住まいサーフィン」の「沖式新築時価」も参考になります。

特に近年は新築で割高な物件が多いので注意が必要です。安全を見るなら中古の方がよいでしょう。

一次取得では資産性は60点くらいあれば十分かなと思います。100点を目指して割安な物件を血眼で探しても、ライバルがいる中でそれを実際に買い付けるのは困難です。探している間にドンドン時間が経ってしまい、その分家賃の支払期間が延びてしまいます。

私は資産性を重視して物件を探してきたとこれまでブログで散々言ってきましたが、自分が買ったマンションの資産性はやはり60点程度です。現実はそんなもんです。

23区内のマンション価格は1年前から約10%上昇していますが、私のマンションも同じく10%くらい値上がっています。市場平均と同じくらいの上昇率であって、大きく値上がっているわけではありません。今後もその程度だろうと想定しています。

資産価値80点90点を狙うには私の予算では足りませんでした。港区や中央区のタワマンを買うお金はなかったです。

それは仕方ないです。1件目は及第点でいいから、早めに買ってしまって低金利の間にローン返済を少しでも進めた方が結果として得だと判断しました。

新築のお得物件は抽選に当たりさえすればいいんですが、中古のお得物件を掴むのはかなり厳しいなと思いました。頻繁にスーモ等をチェックして「これは!」と思った物件をろくに妻と相談もせずに瞬足で買付を入れるのは現実的ではありません。

そう考えると、今後の買い替えでも資産性は60点くらいしか狙えないかもしれません。でも投資目的ではなくあくまで実需なのでそれでOKです。30点はまずいけど60点ならOK。こつこつ残債を減らしていければ十分にリターンはあります。

ただ2件目以降は、最初の購入よりかは資産性を吟味する余裕があります。仮に物件選びに時間がかかったとしても残債は減り続けるわけで、賃貸の状態で家探しを続ける時とは状況が異なります。また、1件目の売却で戻ってくるお金があれば、より高単価な物件を候補にすることができます。

そんなわけで、5年後か10年後かわかりませんが、次は資産性70~80点くらいの物件を狙いたいかな。もちろん、自分たちが住みたいと思える街で買うことが大前提で。