「皆勤賞は不要?廃止じわり」というヤフーニュースを見かけました。風邪を引いたりして体調悪い時でも、皆勤賞のために無理を押して登校する子どもがいることを問題視しているそうです。確かに、皆勤賞で何かご褒美が貰えるわけでもないし、体調悪いのに無理して学校に行く必要なんてないと思います。

このニュースを見て思い出したエピソードがあります。20歳くらい年上の上司に聞いた話です。昔は有給休暇を1日も使わないで1年を終えると、経営陣から表彰されたそうです。「有給を一日も消化せずに会社のために仕事をがんばって偉い!」という意味合いでしょうか。

寒気がしました。。今の時代にこんなことやってる会社があったら、すぐにSNSとかで広まって炎上しそうですね。むしろ最近は有給消化しない=仕事の要領が悪い、ダサいくらいの認識です。私は転職したばかりの頃こそ、すべて消化できませんでしたが、最近はフルに消化しています。周りを見ても有休を失効させている人はほとんどいません。

でも、会社によっては有給取れないとこもありますよね。以前、地銀に勤めていた女性と付き合ってましたが、彼女は有給は事実上ゼロと言ってました。一応制度としてはあるけど、暗黙の了解で誰も取得しないそうです。風邪などで体調を崩した時だけ例外的に取得できると。なので、平日にお互い休みを取って旅行に行くとか無理でした。

結局、制度の有無どうこうより風土の方が大事ですよね。制度として営業ノルマを廃止しても、数字を追求する風土が変わらないことがかんぽ生命保険の不適切販売の原因じゃないでしょうか。

法律もそうですね。法律そのものが変わらなくても、世間の目が厳しくなると警察、検察の目も厳しくなります。

たとえば飲酒運転。お酒を飲んで車を運転することは当然昔からダメなことですが、とある事故をきっかけに世間の目が一気に厳しくなりました。覚えてないかもしれませんが、10年以上前に福岡で飲酒運転事故があり幼い3人の命が失われました。この事件は世間の風潮どころか、実際に道路交通法まで変えました。2007年に酒気帯び運転が厳罰化されました。

飲酒運転に対して世間の風当たりは強くなりました。昔はお酒飲んでもちょっとくらいなら運転してもいいやろ的な雰囲気があったと聞きます。でも今はあり得ないです。友達がお酒飲んだ後に車に乗ろうとしたら全力で引き止めますよね。昔は飲酒運転=ちょっと悪いことくらいだったのが、今は飲酒運転=極悪という認識に変わっています。

法律どうこうよりも、世間の目が厳しくなったことが酒気帯び運転を抑制させています。もちろん、それに関係なく自制すべきものではありますが。

私が中高生だった頃はタバコを吸うのはクールでちょい悪でカッコイイという風潮がありましたが、今はそんなことないでしょう。最近の中高生のことを知りませんが。推測です。喫煙率は下がる一方です。

一昔前はそれなりの年で結婚してない人は何か問題があると思われていたそうですが、今では別に30歳、40歳で未婚でも何とも思われません。そういう人生選択をしたのか、単に縁がなかっただけなのか。ただそれだけのこと。妻子を持たないと出世できないなんてこともありません。少なくともうちの会社はないです。結婚という制度に対する世間の見方は大きく変わりました。

出川哲朗は昔は「抱かれたくない男ランキング」で常に上位をキープしていた芸人さんですが、今ではむしろ好感度が高くテレビやCMに引っ張りだこに人気者です。いつを境に世間の評価が変わったかはわかりません。気が付いたら、たくさんテレビで見かけるようになった気がします。

こんな感じで世の中の普通、常識は時代とともに変わっていきます。絶対に正しい価値観なんて存在しません(飲酒運転は常にダメですが)。世の中一般的な考え方に同調しないと不安に思う時もありますが、それは時が経てば移ろい行くものです。気が付いたら変わってしまうような世間の常識に縛られるのは損です。自分の好きな生き方を追求した方が後悔はないと思います。