これまでかなりの数の投資本を読んできました。ブログで情報発信を始めた2016年以降はアウトプットが多くなりましたが、それより前はとにかくインプットインプット。毎週末、カフェに引きこもって投資本、マネー本を乱読していました。

勉強しなきゃっていうよりは、単に楽しくて読み続けていました。社会人になるまでこんな金融投資で稼ぐ世界なんて全く知りませんでした。普通の労働者でも財産を築ける方法、しかも再現力の高い方法があると知って一人で興奮してました。やっぱお金に対する執着が強かったです。今も強いですが、当時はもっと強かった。お金がないのがしんどかったから、何とかしてまとまったお金を手に入れたかったです。

毎週最低でも5冊は読んでたかな。適当に。月20冊。年間で200冊くらいかな。まあ、パラパラ読んで放置した本もたくさんありますけどね。『バフェットからの手紙』のような重たい本から、気軽に読める新書まで色々です。覚えてないけど、少なくとも300冊は読んできたと思います。

未知の分野の情報を集める時は本に限りますね。最近はYouTubeなどの動画で勉強するのが流行ってますが、私は本が好きです。昔から読まれ続けている古典的な書籍は難しいけど何度も読み返せば血肉になります。単発の知識ではなく、物事を見る視点を得ることができます。抽象化できるということです。あと単に文字の方が消化の効率がいいです。

そんなこんなで投資関連の本をたくさん読んできました。おかげさまで株式投資の本質は何なのか自分なりに理解できました。高リターン銘柄に必要な要素とは何なのかわかりました。

リターンが高くなる銘柄とは、投資額当たりの企業利益を最大化してくれる銘柄です。つまり、長期的にEPSを成長させ続けることができる企業です。つまり永続と成長こそがリターンの源泉ということです。「投資額当たり」の利益最大化が目的なので買値も重要ですが。

要は株主利益=企業利益という当たり前の事実を再認識しただけです。

数百冊の本を読んで学んだことがこの程度とは寂しいなあと思われるかもしれません。でも、こんなもんじゃないですかね。本当に大切なことはシンプルなことが多いですよね。

どうも人間というものは、簡単なことを難しくしたがる傾向がある

ウォーレン・バフェット

まさに投資の世界はこの言葉が当てはまりますね。いかにもテクニカルなチャート分析やら会計知識が必要と思われがちな投資の世界ですが、その本質は極めて単純でした。儲かるビジネスを持ち長期的に繁栄できる企業の株を買えばいいだけです。

この程度のこと勉強しなくてもわかることかもしれません。株式とは企業の持分証券ということくらい知ってましたし。一応経済学部出身で会計士です。ガリガリ投資の勉強をしなくても、株式会社制度の最低限の知識くらいは持ってます。ちなみに、会計士試験の科目には会社法があります。

でも、株式投資を知った時はなぜか株価しか見えなかったです。

「世界経済は成長するから、インデックスに投資しておけばその波に乗って金持ちになれる。株価は途中上下すれど長期的には右肩上がり。」

なるほど!!って22歳の時に思いました。

配当なんて要らない。S&P500に100万円投資しても配当は税引き後では2万円を切ります。そんなのよりとにかく株価よ上がれ上がれ。そう願ってました。祈ってました。S&P500指数の価値は、指数を構成する500の企業の利益次第だということくらい考えれば当時でもわかっていたはずです。が、なぜか株価にしか目が行ってなかったです。

たくさん本を読み、実際に投資を経験していく中で考え悩む中で、株主利益を大きくするためには投資する企業の長期的な利益に着目しなくてはならない、という至極当たり前の事実に辿り着きました。

(長期)株式投資はこれ以上でもこれ以下でもないです。株主利益=企業利益ということさえ理解できれば、これ以上株の勉強する意味あるかな?くらいに思います。それは言い過ぎですかね。まあ、でもそれくらい重要なことです。

ただ、この大原則を理解できたからって、高い成果を上げれるわけではありません。なぜなら、こんなの常識だからです。

どの銘柄を買えば長期的なリターンが高くなるか事前にわかることはないので、様々なアノマリーが検証されてきました。低PER戦略、ダウの犬投資法、高配当戦略、グロース株戦略などなど色々な投資メソッドがありますが、目的はすべて同じです。すなわち、投資額あたりの累積利益を最大化することです。どの銘柄を買えばそれが実現できるかわからないから、一定の法則に従って機械的に投資して成果を上げようというわけです。

散々投資の勉強をして、巡り巡って辿り着いた結論がこれです。勉強した意味はあったのだろうか。いや、あったと信じてます。株式投資の本質を理解していれば、インデックス選びでも銘柄選びでも大外しはしないと思います。

人生においてはほんのいくつかのことを正しくやればいいんです。たくさんの間違いを犯さない限り。

ウォーレン・バフェット

常に完璧な投資判断を下すのは無理。2018年後半にアップルに投資して時価は2倍以上に増えましたが、こんな幸運が今後も続くとは思っていません。アルトリアなど大きな含み損を抱えた銘柄もあります。しかし、ポートフォリオ全体としてはそれなりに利益が出ています。株式投資の本質は株価ではなく企業利益である、という事実を抑えていれば「たくさんの間違いを犯す」ことはない。概ね正しくやれるはず。そう思います。

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