SeekingAlphaホンマに最高。読者さんから教えて頂いた投資アプリなんですけど、これダウンロードしてから投資家生活が変わりました。冗談で言っているのではなく、本気で言ってます。素晴らしいのが、アプリに登録した銘柄の最新ニュースが勝手に配信される機能。しかも、一つの一つのニュースのクオリティが高い上に、ユーザーさんのコメントがたくさん付く。英語なのが辛いところだけど、これだけの機能を無料で使えるのは本当に凄い。
今日は決算で残業している時にSeekingAlphaから嬉しい速報が届きました。どうやら、ペプシコの2019年度Q1決算は好調でpre-marketで2%ほど上がっているとのこと。調整後EPS、売上高ともに市場予想を超えたようです。仕事の疲れも吹っ飛びました、、少しだけ。
この記事を書いているのは23時過ぎ。すでにNY市場はオープンしています。現在ペプシコの株価は前日比+3%の126ドル付近で推移しています。
保有銘柄の決算が好調で株価が上がるのは嬉しいこと。しかし、、ペプシコの株価にそれほど大きな上値余地はないだろうと思っています。2019年度ガイダンスとしてCore EPSは5.5ドルを想定していると、今回の決算で公表しています。
Core EPSとは調整後EPSと同義です。一時的な特殊要因(減損損失や訴訟費用など)を排除した、純粋な本業のEPSという意味です。調整後EPSって会社によって微妙に名称が違うんですよ。Non-GAAP指標だからしゃーないけどね。たとえば、日本企業で言えば武田薬品工業は中核利益(Core earnings)なる指標を公開しています。
すみません、ちと余談でした。で、ペプシコの調整後EPSは通期で5.5ドルと予想されているわけですが、現在の株価126ドルはその23倍に相当します。つまり、予想PER23倍ということ。益回りで言えば4.3%ほど。米30年債利回りに1.3%プラスした程度です。
うむ、、確かにペプシコは優良銘柄だろうけど、果たしてPER23倍というのはどうなのか。今年のEPSはほぼ横ばいと会社は公表していますが、そのような成熟企業のPERが23倍って妥当なんでしょうか。もちろん、もっと長期的なEPS成長を考えるべきなのでしょうけど。
今のペプシコの株価はフェアバリューの範囲ではあるけど、ちょっと高く見えなくもない。警戒ゾーンに突入しているとは思わないけど、積極的に買い増したいとは思わないです。
まあ、それを言い出すとペプシコだけじゃないですけどね。コカ・コーラの予想PERも22倍で同じくらい。プロクター&ギャンブルも23倍ほどあります。別にペプシコのPERが特別高いわけじゃないです。ブランド力のある消費財多国籍企業のPERはどれもこんなもんです。これがマーケットバリュー。これが現実。
ジェレミー・シーゲル氏の『株式投資の未来』を読むと、高いリターンを達成した銘柄の平均PERは高いことがわかります。S&P500平均より高い。市場のそこそこ高い期待を遥かに上回るEPS成長を達成できたから、高い株主リターンが実現しました。
EPS成長。これが大事なんです。利益総額の伸びでも、自社株買いによる株数減少でもどっちでもいい。手段は問わないけど、とにかく高いPERをペイできるだけのEPS成長がないと株主は金持ちになれません。
1957年~2003年のペプシコのEPS成長率は年率9.0%。コカ・コーラのそれは11.2%。凄まじい・・。EPSがこれだけ増えたからこそ、両社の株主は複利で大きな富を得ることができました。EPSが増えれば必然的にDPSも増えます。
ペプシコ、コカ・コーラは21世紀も一桁後半ないし二桁のEPS成長が可能なのか。まあ低インフレ経済だから、名目の成長率はもう少し低くてもいいでしょうが。どうだろうかね~。潤沢なキャッシュフローを原資に自社株買いを続けることで、地味にEPSを押し上げていくのか。そこに配当が加わることで、高いトータルリターンが期待できるのかな。
どうでしょうか。わかりませんね、未来のことは。マイクロソフトやビザといったハイテク系の優良銘柄は、高いPERを跳ねのけるだけの利益成長ができそうな気がします。直感ですけど。でも、コカ・コーラやペプシコってどうなんやろ?っていう一抹の不安を抱えながら投資を続けています。
コカ・コーラやペプシコ、コルゲート・パルモリーブが過去高いリターンだったと『株式投資の未来』で紹介されているわけですが、だからってこれらの銘柄が優等生であり続ける保証はありません。
大手食品メーカーのゼネラルミルズの予想PERは16倍くらいです。ペプシコもこれくらいのPERが妥当なんじゃないかなって思う時があります。いつか、バリュエーションが調整される時がくるかもな~と少し恐れています。
優良な銘柄には、高い対価を払う価値がある(優良なワインと同じだ)。
『株式投資の未来』より
PER23倍という対価をペプシコ株に払う価値は、あるような、ないような・・。
(Seeking Alphaはほんっとに便利。個別株投資家必須。神アプリ。)
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