ここ数カ月ほど、バロンズやウォールストリートジャーナルで医薬品株が非常に割安であるという論調を目にすることが多いです。何でもS&P500に対してこれほど割安になるのは数十年振りとか。

S&P500指数の予想PERが22~23倍にある昨今、PER一桁ないし10倍台前半の医薬品株が魅力的に見える気持ちはわかります。

主要医薬品企業の予想PERは以下の通り。

メルク(MRK):11.5倍
ファイザー(PFE):11.6倍
ブリストルマイヤーズスクイブ(BMY):8.4倍
アムジェン(AMGN):14.7倍
アッヴィ(ABBV):9.0倍

割安ですよね。医薬品ビジネスは利益率が高いです。高収益なビジネスをこんな安値で買えるのは悪くない選択肢だと思います。

ただ、マーケットは馬鹿じゃない、それどころか凄く優秀という事実も忘れない方がいいです。低PERでもマーケットに放置されているということは、それが妥当な価値とも言えるかもしれません。

PERが低い=割安という見方もありますが、一方でPERが低い=隠れたリスクがあるかも、という慎重な見方も必要かなと思います。低PER株に手を出し過ぎてお金を失ってきた私が言うだから間違いありません(笑。

最近のQ1決算発表でも医薬品株は結構荒れましたね。MRK、AMGN、BMYは結構売られました。幸い私が持ってるABBVは堅調でしたが。

今回に限らず、医薬品株はヘルスケアセクターの中でもボラティリティが高いと感じます。決算に対する失望、後はFDAの承認云々で株価が5%~10%平気で動くことがあります。

そういったリスクがあっての低PERです。医薬品の開発は参入障壁が高く長期投資向きなビジネスだとは思いますが、やや慎重な取り扱いが必要と認識してます。

過去の株主リターンを見ても医薬品株は意外と儲かってないです。1991年~2020年の30年間で見ると、年率10%に満たない銘柄も多いです。

例外で凄く株主リターンが優秀なのがアムジェンです。同期間のリターン(配当込み)は17.0%。ただ、創業年が新しいというのが影響しているかもしれません。アムジェンは1980年創業。

個人的意見ですが、長期投資なら医薬品よりも医療機器がオススメです。

主な企業としてはメドトロニック(MDT)、アボット・ラボラトリーズ(ABT)、ベクトンディッキンソン(BDX)、ストライカー(SYK)、ダナハー(DHR)、サーモフィッシャー・サイエンティフィック(TMO)、エドワーズ・ライフサイエンス(EW)などがあります。

いずれも過去の株主リターンは優秀です。

FY20の決算を見ていて特に有望視しているのはABTとTMOかな。

医療機器銘柄は全般的に医薬品株よりもPERが高いです。S&P500平均よりもPERが高いことも珍しくない。医薬品のように特許切れで収入源を失うリスクが、相対的に少ないことが影響していると思われます。

PERはやや高いのですが、長期的に株主価値を高めてくれる優良企業が多いのがこの業界です。ヘルスケアセクターの狙い目は医薬品よりも医療機器かなと思ってます。