YouTubeでよく消費者金融の動画広告を目にします。テレビCMでの露出も多いし、地下鉄の駅内にもよく広告が貼ってあります。それだけ消費者金融が美味しいビジネスってことですね。広告での露出が多い商品・サービスは、それだけマーケティング費用がかかっているということであり、そのコストを負担しているのは最終消費者です。

特に金融の世界は広告予算が多い商品ほど品質が悪いと思います。低コストのインデックスファンドやETFなんてほとんど宣伝されません。低コストだから宣伝コストを負担できません。

書いている途中にふと数年前の出来事を思い出しました。休日にエクセルシオールでコーヒーを飲んでいると、横のテーブルで保険の営業マンが顧客らしき若い夫婦の方と話をしていました。休日に会うという事は契約はほぼ確定という状況でしょうか。

んで、その営業マンがこんなこと言ってました。「うちのグループは保険事業が一番儲かってるんですよ~、ハハハ!」って。おいおいそれ言うかwって横で本読みながら思ってました。保険の胴元が儲かっていることを、これから契約してもらう顧客に普通言うかね。私がそんなこと言われた保険を買う気なくなりますけどね。儲かるってことは、自分が損するってことだよなって発想しちゃいます。

顧客が損する商品が売れると企業は儲かる。儲かるから広告予算がたくさん貰える。たくさん広告を打てるからさらに儲かる。という好循環(顧客にとっては悪循環)。顧客が損をする商品ならいずれ販売が低迷するのが市場原理ですが、金融は専門的で情報の非対称性が大きいから、あまりその原理が働いていない気がします。コンビニが不味いデザート販売したらすぐに棚から消えますが、銀行が悪質な金融商品を売り出しても簡単には消えません。

消費者金融もその類ですね。金利14%とか18%とかありますよ。ヤバいですよね、普通に。そんな高利で金借りたら利息はすぐに膨らみます。そんな高利のローンを、綺麗な女優や俳優さんが爽やかに宣伝してるんだから恐ろしいです。「消費者ローンって気軽に借りれるんだなあ」という印象を持っちゃう若い人は結構いそうです。

ちょっと投資の世界に足を踏み入れると、消費者ローンなんて怖くて絶対借りれなくなります。世の中の金利がどんなもんかわかるからです。債券はゼロ金利、リスクのある株式でも期待利回りは6%、7%くらい。そういう「常識」を知ると、10%を超える利息が法外だとわかります。

貯金じゃわからないです。「預金金利0%の時代なのに借金の金利が18%なのはおかしい」という発想にはきっとならないんだと思います。銀行預金はただお金を預け入れる箱という認識で、利回りという発想を抱かないから。リスクのある株式投資や不動産投資を知ることで、18%という利回りの高さを身に染みて理解できます。「マンション投資で7%の表面利回りしかないのに、消費者ローンの利息が18%もあるのはおかしい」って気が付きます。

金を余らせて株を買って資本家になるには、攻撃よりも防御の方が大切です。リターン追求よりもまずは無駄金を使わないこと。高コストな金融商品、不必要な保険、高利の借金。

消費者金融でお金を借りるのは絶対ダメですね。いくら働いても金が貯まらなくなります。穴の開いたバケツで水を溜めるようなものです。終わりのないラットレースに巻き込まれます。

世の中に虚業なんてない。どんなビジネスも利益を得て存続しているということは、社会に必要とされているということ。そう思ってます。しかし、消費者金融は疑問に思う時があります。高利でも短期資金を借りれることで、デフォルトを回避できた商店の主さんがいるかもしれません。それは価値あることです。でも、無知な若者に遊び資金として貸し付けることに価値があるかは疑問です。