最近ウォールストリートジャーナルに面白い記事があって、米国のベインキャピタルなどのPEファンドが中国の不良債権を買い漁っているそうなんです。んで、買い取った債権をうまく処理して利益を上げているそうです。

買い取るのは主に不動産ローンみたいです。ということは実質的には担保不動産を買い取っているということですね。

ファンドはどうやってExitしているのでしょうか?

具体的な方法は記事に言及はなかったですが、債務者と交渉したり(闇金ばりに追い詰めるとか?)、ウィーワークばりに不動産を改装して付加価値を付けて第3者に売却するのでしょうか。わかりませんが、何らかの手段で売り抜いて利益を得ているのでしょう。で、その投資リターンは年率20%を超えるそうです。

年率20%って確かに凄いですよ。でも、やってることのリスクを考えたら、そこまで高利回りとも思いません。中国の銀行から不良債権を買い取るってかなりリスキーだと感じます。

でもこれが現実です。情報不透明な中国国有銀行のボロボロの債権に投資するというリスクを犯して、リターンはようやく20%に達するレベルなわけです。

楽して金儲けはできないなということを、記事を読んで改めて感じさせられました。普通に個人が不動産を買って20%で回すなんてかなりの無理筋です。こんなPEファンドの真似事をする必要はないけど、何か特別なリスクを負うとか付加価値を付けるとかしないと20%のリターンなんて絶対に無理です。

ある程度の投資利回りの感覚を養うって大切だと思うんですよね。今だと米株で5%、米国債で2%以下です。こういう環境で年率20%の投資案件を紹介されたら、先ず詐欺だと疑うべきです。「なぜそれを私に紹介するのですか。あなたがやればいいじゃないですか?」と言い返しましょう。

リスクに見合ったリターンなのか考えるのも大切ですが、リターンに見合ったリスクがあるのかという視点も重要です。もしリターンに相応しいリスクが見つからないとしたら、それは無知か詐欺のどちらかです。