最近、娘が生まれたことがきっかけで株式投資に目覚めた友人(同僚)がいて、僕は全力でサポートしています。さすがにこのブログの存在は社内で公にしてませんが、一応「株オタク」的なキャラは出来上がっているので、投資に興味を持った人は他部署も含めてみんな僕に相談してきますw。
娘の教育資金を貯めるため最初は保険を考えたのですが、あまりに収益性が悪過ぎて萎えたそうです。そこで、自分で勉強して株式投資にチャレンジすることを決断したと言っていました。
積立NISAでS&P500ETFを(これは来年からですが)、奥さん名義の通常NISA口座で米国個別銘柄に投資する方針だそうです。私が米国株の優位性をかなり刷り込んだことが影響していますが。
積立NISAのS&P500ETFも、通常NISAの個別銘柄もどちらも長期投資目的です。短期的な値上がりを確定することなく、長期保有でコツコツ資産を増やしていきたいとのこと。
個別銘柄投資用の通常NISA口座では、すでに300万円ほど投資したと言ってました。購入した銘柄はジョンソン&ジョンソン(JNJ)やゼネラルエレクトリック(GE)など、長期保有に相応しい優良企業ばかりです。GEは先日残念ながら減配しちゃいましたが、今後は収益の改善が期待されます。
そんな友人から、先日夜中こんなLINEが来ました。
おいHiro、ダウが100ドルも下がっとるやん。やばくね!これくらい普通なん?売った方がいい??
今のNYダウは23,000ドル以上あるんで100ドルなんて0.5%未満です。暴落とはほど遠い下落幅です。最近米国株はボラティリティが低い状況が続いていて、今年S&P500が1%以上下落した日はほとんどないように思います。
投資を始めたばかりの頃は、ダウが100ドル程度下げただけでも最初は狼狽しますよね。LINEしてきた友人の気持ちはすっごくわかります。25歳の頃初めて300万円くらいまとまった金額をETFに投資した時は、仕事中も株価や為替の動きが気になって仕方なかったです。日々の株価や為替の変動に一喜一憂していました。
「長期投資だから株価は気にしなくていい」と言われても、普通は株価が気になるものです。それが普通ですよね。株価の上げ下げ次第で日給分くらい変動することもあるし、投資額によっては月給相当分くらいの時価変動があることもあります。株価を気にして一喜一憂するのは人間心理として健全だと思います。
そんな心理に打ち勝って、株価を気にしない強い長期投資マインドを作るにはどうすればいいのか?
それは配当の重要性を理解することだと思います。結局長期投資のリターンは配当次第で日々の株価はノイズでしかないということを、どれだけ経済学的に、というか数学的に理解できるかが鍵かなと思います。それは投資リターンの大半が配当になるって意味ではないです。30年程度の投資期間であれば、リターンの半分以上は配当ではなくキャピタルゲイン(売却益)になるはずですし。言いたいことは、株式の金融資産としての資産価値は将来の配当によって決まっているというファイナンス的事実を、納得感を持って腑に落ちて理解することが大切だということです。
株価を完全に無視すべしと言いたいわけじゃないです。
株価をウォッチすることは大切です。
銘柄選別、セクター割合、投資タイミング、投資で大事なことは色々ありますが本当に大事なことは継続することではないでしょうか。市場に居続けること、暴落時に投げ売りしないことが最も大切です。ここさえ守れば多少投資タイミングをミスっても、長期ではそこそこの投資リターンが期待できるはずです。
株式を買うとは企業の一部を所有することであり、株式投資のリターンは投資先企業がいかに利益を上げて、その利益を将来どれだけ配当で株主に還元できるかに掛かっているという経済的事実を理解すること。ぼんやり何となくではなく、ファイナンス的に、数学的に理解することが重要だと思います。
数字数字ばかりじゃ人間味がないように聞こえるかもしれませんが、最後はきちんと数字で理解することは重要だと思うんです。
数字の裏付けのない資料の価値は、ゼロに等しい。
孫正義
数字という無味乾燥としたものでも、それを徹底的に突き詰めて行くと、遥かに人間味溢れたものになる。
孫正義
ミスターマーケットを華麗に無視して、現在のそして将来の配当にいかにフォーカスを当てることができるか。これが長期投資を継続するための心構えを作る上で必要なことだと思います。
リーマンショックのような暴落があった時に、「米国株価は長期的に右肩上がりが続いてきたんだ!、株価は必ず回復するはずだ!!」という気持ちだけで、株を売らずにマーケットに居続けるのってちょっとしんどいと思うんです。なんかこれだと神頼みみたいな印象です。
米国の株価は偶然右肩上がりなわけじゃありません。米国企業全体として、リセッションを挟んでもなお増配を続けてきたから株価は右肩上がりなわけです。
「株価はいずれ復活する!」と感情面で暴落を乗り切るのも悪くはないですが、「〇〇な理由があるから、暴落でも慌てる必要はない」と理論面で乗り切ることも重要かなと。
今米国株式市場は落ち着いています。ボラティリティも低いです。こういう順風満帆な時にこそ、将来もしかしたら襲ってくるかもしれないブラックスワンに対する心の準備、イメトレ的なことをやっておく価値があるかなと思います。いくら「長期投資だから暴落でも売らない」っていう決意を持っていても、いざ大暴落を目の当たりにすると怖くなって売っちゃうこともあるかもしれません。リーマンショックを経験していない私にはわかりませんが。
暴落に対して感情面だけでなく理論面でも武装しておけるといいですね。ドラクエ的に言えば、ボス戦の時に事前にスクルトとマジックバリアを掛けておく感じです。防御は大事だと思います。(ドラクエご存知ない方すみません。)
投資を始めたばかりの例の友人に「長期投資は配当が重要だから、目先の株価は気にしなくていいよ」と言うのは酷だと思いました。急に配当配当言われても向こうは「???」ってなるでしょう。
大丈夫大丈夫、これくらいよくあることだから。長期的には株価は上昇していくから気にせんでいいよ!
↑
てな感じでLINEは返信しました。
やっぱり配当じゃなくて株価にフォーカスして話した方が普通は理解し易いし、安心感を持てます。でも投資を続けていく中で、最終的には配当の重要性とその意味を理解して欲しいなと思ってます。米国株投資に興味を持ってくれる友人は超レアですし、これからも何でも相談に乗ってあげたいです。
Hiroさん こんにちは
いつも為になる記事をありがとうございます
お知り合いの方に投資を教えていらっしゃるとは尊敬です。
というのも自分には怖くて出来ないです((( ;゚Д゚)))
S&P500は長期でみたらほぼ確実に利益が出る投資対象だと思います。
自分がどうしても誰かに投資を教えるなら、同じくS&P500を勧めます。
だけど過去を振りかえるなら何年もS&Pが含み損になった期間はありますし、今年以降がそうなるかもしれません。
もちろん自分の投資なら何も思いませんし、むしろ安く変えてラッキーくらいの感覚です。
でも友人の不安げな、あるいは冷たい視線に長年耐えられる自信はないのです。
むしろ自分の投資より友人の投資状況のが気になってしまいそうです(笑)
イトカネさん、こんにちは。
再コメントありがとうございます!
そうそう、よくわかります。
いくらS&P500のインデックス投資と言っても、株式100%である以上リスクは高いですものね。
30年以上普通預金の世界に居続けた友人を、いきなり株式100%の世界に誘うのは私もちょっと抵抗があります。
なので、こちらから「投資やってみない?」と誘うことはほぼありませんね。
あくまでも、向こうから「教えてくれない?」って言ってきた時だけ相談に乗ってます。
それでも、10人中9人はちょっと検討するだけで実際に投資はしませんね。私のこれまでの経験上。
ただ、今回の同僚は違いました。
将来のお金のことを真剣に考えていて、株式投資にチャレンジするという決意は固かったです。
なので、私も真剣に相談に乗りました。
同僚も相当自分で投資本を読んで勉強しているようでした。
積立NISAでS&P500を積み立てるという方法については、私に相談する前から知っていましたし。
私はどちらかと言うと、個別銘柄の選別方法についてアドバイスしました。
少しずつリスク資産に慣れていってくれると嬉しいなと思ってます。
他人のお金を何億円と預かっているファンドマネージャーのプレッシャーって凄まじいでしょうね。。
リーマンショックでやむを得ず口座凍結して顧客からクレームメールがたくさん来る、というシーンが映画「マネーショート」にあったのを思い出します。
私はリーマンショックで100近くあった資産を半減させてしまいましたが、内訳は先物/FXで10、株投信売却損15,含み損15くらいだったかな・・・と思います。
その後も投資を続けたので今は取り返しています。(ただ含み益ですからあてにはなりませんが)
投資をやめなければ取り返せますから、心配ないです。
痛いのは先物は株式・配当と損益通算できないこと。なんとか取り返してやろうと思いつつ、3年の通算可能期間が過ぎました。先物はただ損して一生終わり!です。これだけは悔しいです。
>リーマンショックで100近くあった資産を半減
暴落で資産半減しても諦めずに投資を続けることができるって凄いことだと思います。
「暴落で投げ売りしてはいけない」とブログでたまに書いておりますが、そういう自分はまだ一度も投資家として暴落を経験していません。
いざ自分の資産が半分も溶けてしまったら、たとえそれが一時的な含み損とはいえ、相当精神的にしんどいだろうなと思います。
しかも、それが減配に繋がるならもはや一時的な損失とも言えませんからね。
リーマンショック後も株を持ち続ければ回復した、とは今だから言えることだと思います。
当時マネー誌などで「ドル紙幣は紙くずになるぞ!」と言われていたのを覚えています。
今なら笑って冗談にできますが、当時は深刻に捉える人もいたはずです。
大前研一さんなんかもアメリカ経済は終焉だ、みたいなことをよくおっしゃっていた記憶があります。
>投資をやめなければ取り返せます
そうできるよう、普段から謙虚に慎重に投資を継続したいと思います。
>痛いのは先物は株式・配当と損益通算できないこと
なるほど、勉強になります。
税務戦略は大切ですよね。
ヒロさん
いつもブログ読まさせていただいて、楽しみにしております。
鈴木と申します。
物流会社で13年働いて、去年になって転職してエネルギー系の会社の営業で、働いています。
エネルギー株の推測のされかたなど、業界に居るので、納得する部分が多く、
さすがといつも感じております。
私も、HPを作成しようと思うので、出来ましたらご連絡させていただきます。
鈴木さん
いつもありがとうございます。
エネルギー系の会社にいらっしゃるんですね。
業界にいるからこそ、エネルギーの未来を想像して投資判断に活かせることも多そうですね。
シュルンベルジェに追加投資しようか迷っているのですが、迷いは消えません。
最近の日経新聞でJXかどこかのCEOが「2040年の石油需要は今より微増だ」とおっしゃっていました。
シェルのCEOよりポジティブな見方です。
色んな意見がありますね。もう私にはわかりません(笑)。
HPできたら、是非ともご連絡下さい。
今後ともよろしくお願いします。