米国株って素敵ですよね。

コカ・コーラ、ジョンソンエンドジョンソン、エクソンモービル、マイクロソフト、アマゾン、Facebook、アルファベット、ペプシコ、P&G、、、、ドンドン優良企業が頭に浮かびます。

私たちの日常生活はこれら米国企業のサービスや製品で成り立っています。

アップルのiphoneでニュースを見ながら通勤する。デスクに着いたらインテルのCPUが内蔵されたパソコンを起動させる。パソコンを起動させたらマイクロソフトのOutlookでメールをチェックして、同じくマイクロソフトのパワーポイントで資料を作成する。仕事中に知らない専門用語が出てきたらグーグルの検索システムで調べる。お昼休みはランチしながらFacebookをチェック。残業でしんどいから自販機でコーラでも買おうかな。

私たちの生活は米国企業に支えられています。特にハイテク分野は顕著です。

そんな素敵な米国株投資ですが、私たち日本人には辛いことがありますよね。

為替です。

為替の変動にはいつも一喜一憂させられませんか。

2016年は1ドル120円くらいでスタートしましたが、チャイナショックと米利上げ影響で急激に円高が進みましたね。夏には100円を割りました。

と思えば冬には大統領選をきっかけに円安が進んで、2016年末は116円ほどで終わりました。年初と年末だけを見れば120円→116円と緩やかな円高ですが、中身を見ればジェットコースターです。

米国のディフェンシブ株に投資している人にとっては、短期的な変動は株価よりも為替の方が大きいことでしょう。

為替は長期投資リターンに中立という意見もあります。私はこの立場です

ですが、、とは言えね。

誰しも自分のお金に影響する話だから為替の動きって気になると思います。なるべく円高のタイミングで投資したいし、投資後は円安になって欲しいと思いますよね。

でもやはり短期的な為替変動は読めないと思ったほうがいいです。トランプ大統領が当選したら円安が進むなんてほとんどのアナリストは言ってなかったですよ。でも蓋を開ければこのありさま。

私は自分がトレードについて勉強不足なのは認めますが、それでも短期の為替変動は予測不能という意見です。

一方で、長期的な為替動向については自分なりの考えがあります。為替ってドル円の為替レートの話です。

私は長期的には、円高ドル安だと思っています。結構強い自信があります、まあ単なる自信過剰なだけですが。

なぜ長期的に円高ドル安だと私が思うのか?
念のため言っておきますが、私は経済ド素人です。マクロ経済学もミクロ経済学も大学で中途半端に勉強してからほったらかしです。

そんな私が長期的に円高ドル安だと思う理由、それは米国の高い教育水準です。

  米国高教育レベル→円高ドル安

円高ドル安っていう表現がありますね。

これは表現としては正しいのですが、より正しい表現はこうだと思います。

円安ドル激安。

意味不明ですか?w

要するに円もドルも安くなる一方だということです。

為替レートって相対的なものですから、円が安くなってもドルがもっと安くなれば円高ドル安となります。円高ドル安だからって別に円の価値が上がっているとは限らないのです。

長期的には円も安くなるし、ドルも安くなる。

でもドルの方がより安くなるから、円高ドル安になると予想しています。

なぜ円もドルも安くなるのか?

それは今の経済の仕組みが通貨安を内在しているからです。

中央銀行が(ほぼ)いくらでも紙幣を刷ることができるからです。

紙幣を刷ったら、当然お金の価値が下がりますよね。だから円もドルも価値は下がり続けると思います。日本はせっかく刷った紙幣が市中に届いていないから、政府の期待よりは円は減価していないようですが。

日本もアメリカも紙幣を刷り続けて、国内のマネーの量を増やし続けるはずです。なぜなら、そうしたほうが国家運営上得策だからです。

得策というのは2つあると思っていて、
・インフレ
・政府債務の目減り
です。

経済の実態が変わっていないのに、マネーの量だけ増えれば当然物の値段が上がります。インフレです。マイルドなインフレを政府は望みます。FRBは2%のインフレ目標を設定しています。

インフレ経済にすることで人々はお金を使います。お金を貯めこむインセンティブが薄れます。だって今買わないと1年後には2%値上がりしているのだから、なるべく早めに買おうとしますよね。

インフレとは意図的にお金を腐らせることです。

新鮮なお刺身は早めに食べますよね。だって放っておくと腐るから。

野菜を買ってきたら、なるべく早く料理してお弁当の具材とかにして消費しますよね。だって放っておくと腐るから。

インフレ経済ならなるべく早めにお金を使おうとしますよね。少なくともデフレ経済に比べれば消費の意欲は増えるはずです。だってインフレ経済下ではお金は少しずつ腐るから。

通貨ってそれ自体に価値はないです。流通することが必要です、早いスピードで流通して使用されてこその通貨の価値です。ドルも円も今は金と交換できないのですから。

マネーの量を増やしてインフレを誘発することができれば、通貨安が起こります。

通貨安で得をする人は誰でしょうか?

それは借金している人です。インフレ経済=通貨安経済では貯金する人が損をして、借金する人が得をします。

言うまでもないですが、日本もアメリカも借金大国ですね。

日本の政府債務の対GDP比率は250%ほどもあり世界トップ。アメリカのそれは105%ほどでこちらも多額の借金を抱えています。

日本もアメリカも多額の政府債務を抱えているのですから、どちらも通貨安にしたくなります。したくなるというか、する必要がある。

国民にお金を使わせて経済を活性化するためにインフレにしたい。政府債務を目減りさせたい。日本もアメリカもこの二つを達成したいのだから、これからも両国とも紙幣を作り続けますよ。

インフレも行き過ぎるとストップをかけないと経済が過熱化してバブルを生むので、そういう時は一時的に通貨量を抑えます。今のアメリカはそういうステージです。でもアメリカはこれからもドルを刷り続けると思います。何かあったら躊躇なく量的緩和をするでしょう。

最近は自動車ローンや、PACEローンというクリーンエネルギー設備ローンが問題視されており、第2のサブプライムだと揶揄されています。
※PACE=Property Assessed Clean Energy

強いドルはアメリカにとって国益とか主張する人もいますが、あんなの嘘っぱちだと思っています。普通に考えて弱いドルがアメリカの国益です。

円もドルもその価値は下がっていく宿命です。この流れは不可避だと思います。金の裏付けがない今の通貨制度において、中央銀行が錬金術師になれる今の経済において、非常時にお金を刷らない理由はないからです。

円とドルは、これからも価値が下がっていくでしょう。

だから円安ドル安です。

ドル円の為替レートを予想するとは、円とドルどちらの方がより安くなるかを予想することに等しいです。値下げ合戦の勝者はどっちかという話です。

円も値下げ、ドルも値下げ、どっちがこの激安牛丼戦争に勝つのかということ。

私はドルが勝つと思います。

アメリカが勝つと思います。

ドルは円よりも早いスピードでその価値を失っていくと思います。いや正確にはアメリカ政府が意図的にドルの価値を失わせていくはずです。なぜなら、それがアメリカの国益に適うからです。

中央銀行はいくらでも紙幣を刷ることができると言いましたが、具体的には中央銀行が民間銀行等から国債等の債券を買い入れるということです。欧州は国債だけでなく社債も対象です。日本は株式まで対象になっています。

アメリカは国債等の債券買入れだけで量的緩和を済ませました。そして今は金融引き締め態勢です。一方で日銀は株式ETFにまで手を出しています。

アメリカは債券(国債と住宅ローン担保証券)買入れだけで事足りた。日本はETFまで買入対象になっている。

私はここに日米の強さの違いを感じています。日米の中央銀行のお金を刷る能力の差をひしひしと感じています。

アメリカの方が日本よりもたくさん借金できるのです。アメリカの方が国債をガンガン発行できるからFRBがいざという時にドルを刷る余地はたくさんあると思います。

なぜアメリカは国債をたくさん発行できるのか?

それはその米国債を買う人がいるからです。

誰?

日本や中国、新興諸国です。

買うんです。彼らは(私たちは)。

なぜ米国債を買うのか?

なぜ買わされるのか?

それはアメリカの経済がめちゃくちゃ強いからです。世界中の企業がアメリカのトップ企業のサプライチェーンの一つに組み込まれることで飯を食っているからです。

みんなアメリカ経済のお世話になっているのです。だからみんな米国債を買うんです。米国債を買い支えるから、「今後とも我が国をよろしくお願いしますねアメリカ様」ってなるんです。

なぜアメリカ経済がここまで強いのか?

アップル、Facebook、グーグル、アマゾンなどのイノベーターはなぜアメリカからしか生まれないのか?

それはやはり教育でしょう。MIT、スタンフォード、ハーバード、ケンブリッジ、カリフォルニア工科大学、こういったトップエリート教育機関がアメリカ経済の基盤です。また、優秀な人材が相応の対価を貰える風土文化があることから優秀で勤勉な移民がアメリカにはたくさん流入します。

知識、アイディア、イノベーション、21世紀これらの要素は強い経済により必要だと思いませんか?

もう先進国には生活必需品は行きわたっていますよ。衣食住は満足だという中間層がグローバルでどんどん増えています。

そんな21世紀、人々はどんなサービスにお金を払うのでしょうか?

それは独創性に溢れたイノベーティブな製品やサービスでしょう。アメリカの十八番じゃないですか。

21世紀は再び製造業だ!日本製造業の復活だ!とか言っている人を、、私は理解できませんが。

教育制度の整備って今から日本がアメリカに追いつこうと思っても、一朝一夕には無理です。感覚的にも無理だろうなって思いますよね。もう一種のブランドですから。コカ・コーラが最強ブランドなのと同じで、米国の教育機関のブランドも最強です。世界中から優秀な人をたくさん引き寄せます。

21世紀もアメリカの時代だと私は思います。世界経済を引っ張るのはアメリカのエリートたちです。アメリカのイノベーターたちです。

アメリカはその経済力を活かして、いくらでも借金をできます。

アメリカはその借金力を活かして、いくらでもドルを刷ることができます。

アメリカはいくらでもドルを刷ることができるから、ドルの価値は下落します。円よりも遥かに早いスピードで下落すると思います。

強い米国経済は弱いドルを生み出すことができます。アメリカ政府はそれを利用します。

30年後、1ドル50円になっていても何ら不思議ではないと私は考えています。