2021年はドル安予想が多く聞かれます。ドル円は100円を目指すだろうと。

株価と同じく為替もどう動くかわかりませんが、20年30年先を見据えて投資をしている私たちはあまり為替に神経質にならなくてよいと思います。

その理由の一つとして、為替は短期的には大きく動くけど長期的にはレンジ相場になる可能性が高いということです。以下はドル指数の1990年からの推移です。

(ウォールストリートジャーナルより)

ドル指数はこの30年でほぼ横ばいです。同期間にS&P500指数が15倍近く上昇していることと比べれば、為替変動の影響なんてピーナッツです。

あと、そもそも為替水準は長期的には物価に連動するので実質的な株主リターンには中立です。

仮に今後ドル安円高が続くということになれば、長期的には米国の物価上昇率が日本のそれより高くなることを意味します。米国の物価が上がれば米国企業の売上、EPSの名目額も上がるので、S&P500指数も上がります。その米株高と円高為替差損が相殺されます。

逆もまた然り。

グローバル企業は日常的に為替ヘッジを行っていますが、それはあくまで短期的な業績、キャッシュフローを管理するためです。

為替は長期的には物価水準で自動調整されるので、私たち長期投資家は特段の為替ヘッジなどは行わずに流れに身を任せるでいいのではと思います。