ハイテク大手の強さが際立っていますね。ナスダック総合指数は最高値を更新し続けています。同指数の主要銘柄に投資するQQQの年初来リターン(7月11日時点)は+24%でS&P500、NYダウを大きくリードしています。
私はQQQは持っていませんが、QQQの構成比トップツーを個別株として保有しています。アップル(AAPL)とマイクロソフト(MSFT)です。AAPLは運よく2018年末の暴落時に掴むことができました。MSFTはコロナ暴落の後にホテル缶詰めで検討して投資を決めました。まだ保有歴は浅いです。
ナスダックの上昇はこの2銘柄と、あとアマゾン・ドットコム(AMZN)の上昇が主に牽引しています。株価が上がっているので当然ですが、表面的なバリュエーション指標は警戒心を抱かせる水準にまで上昇しています。
PER100倍を超えるアマゾンは一旦横に置いておきましょう。持ってないし。気にしているのはマイクロソフトです。この1年で60%近く上昇し、7月11日現在の株価は214ドル。2020年6月期の予想EPS5.7ドルから計算されるPERは37.5倍です。益回り2.7%。
シティのアナリストはMSFTの目標株価を最大260ドルに引き上げました。クラウドAzureの成長が根拠とのこと。仮に株価が260ドルになればPERは45.6倍にまで跳ね上がります。益回りは2.2%。
さすがにここまで行くと割高な気もしますが、どう思いますか? てか、PER38倍の今でも普通に考えれば割高感があると言えます。ただ、これまでの売上成長率、利益成長率を考えれば高いPERも問題ないかもしれません。少なくともマーケットはそう判断しているわけです。マーケットの判断は馬鹿にできません。少なくとも私よりもマーケットの方が賢いです。
マイクロソフトの過去10年の売上成長率は年+8.8%、調整後純利益のそれは年+8.4%です。凄いのはNY市場で時価総額首位争いをする巨大企業にもかかわらず、過去3年間の成長率の方が高いことです。過去3年の売上成長率は年+14.8%、調整後利益のそれは年+29.1%です。
こんだけ成長していればPER40倍でも問題ない気もします。しかも今は金利がめちゃくちゃ低いですからね。米国債10年の利回りは0.6%台です。マイクロソフトの益回りはまだ2%超ありますから、米国債より遥かに魅力的な投資対象に見えます。キャッシュフローの安定度は米国政府と遜色ないでしょうし。通貨発行権のある国家(しかも基軸通貨国)と比べるのは酷ではありますが。
年10%の成長が今後10年も続くならPER40倍でも問題ないかもしれません。10年でEPSが2.6倍になるわけですから。益回り2.2%が5.7%になります。まあまあか。PER40倍なら年率10%でもちょっと物足りないかなあ。どうだろうか。とりあえず、最低でも10%の利益成長は欲しいところ。
ただ、将来の利益成長がどうなるかはわかりません。クラウドはまだまだ成長しそうですが、AWSとの競争もあります。10年、20年と二桁台の成長を続けるのはさすがに難しいんじゃないかって気もします。いやいや、これから企業のデジタル・トランスフォーメーションが進んでいくことを考えたら、実は10%成長でも控えめな予想なのかも。
うーん、未来のことはわからんなあ。わからんけど、悲観シナリオも想定しておきたいところ。
マイクロソフトが超優良企業であることは、同社の財務諸表を見れば疑いようのない事実だとわかります。が、それでも買値は常に重要。PER40倍台に突入したら、さすがに警戒心が高まります。
1999年、ウォルマート(WMT)のPERは平均40倍台でした。もっとも高い時で60倍にも達しました。その後のWMTのリターンはどうだったでしょうか?
2000年~2010年末までウォルマート株を保有し配当を再投資したとします。そのリターンは年率▲1%のマイナスです。配当込みで10年保有してマイナスです。耐えられず途中で売っちゃいそうです。
株価=EPS×PER。EPSが成長してもPERが落ちれば株価は低迷します。買値は重要なのです。
無配のアマゾンやテスラは置いておくとしても、マイクロソフトは純利益の100%を株主に配当や自社株買いで還元している企業です。ハイテク企業は資本投資せずとも、内部の優秀な従業員の頭脳で成長を続けることができる点で、20世紀型の製造業とは異なります。総還元性向100%でも成長を続けられることは、すでに数字で証明済み。
しかし、歴史に学べば、還元ステージにある企業でPER40倍というのはやや危険水域だと感じます。ハイテクは特殊なのか。そうかもしれません。その可能性は十分ある。マイクロソフトの決算書を見るとその希望は持てるなあと思えます。
TTID(This time is different)なのか、それともやっぱり今回もTTIDは通用しないのか。未来のことはわかりません。私はと言えば、とりあえずMSFTはホールドです。追加投資はしないけど売りはしない。10年後に株価1000ドルになっていることを願います。さすがにそれは無茶かw。
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1999年末にウォルマートに投資していたら、10年保有してもリターンはゼロだった
MSFT10年後に$1000は懐疑的ですがQQQ10年後に$1000は確実だと思います
どうかな?
QQQが10年後に1000ドルというのも結構高いハードルですね。
ですが、最近のモメンタムが続けば実現する可能性もありそうです。
ハイテク革命はまだ序章ですから。
さすがにここまで順調に株価が上がると不安になりますね。マイクロソフトがないと今の社会は成り立たないのも事実で、私の会社、その周りでもAzureの利用もどんどん進んでいますし、しばらくはマイクロソフトの天下は続きそうですね。とりあえず、決算を連続で失敗しない限りはのんびりとホールドしたいと考えています。
ナスダックが最近下がっていてむしろ安心しています。
ハイテクの未来は明るいとは言え、ちょっとバリュエーションが行き過ぎてる感はありましたから。
低金利で金余りですし、MSFTのPERが40倍を超えるまで買われても驚きはしないです。
しかし、投資家は株式に対しては債券や不動産よりもリスクを感じている姿勢を感じます。
株価は上がって割高感を感じるかもしれませんが、他のキャッシュフローを生む資産クラスと比べると大人しいもんです。
私もMSFTはのんびりホールドしたいと思います。
問題はWFCですーw