高配当株投資は少なくとも今は不人気ですよね。それもそのはず。ここ10年以上、グロース株がバリュー株をアウトパフォームし続けていますから。GAFAMの株を持たずして米国株投資家にあらず、くらいの雰囲気です。

実際にこれらハイテク大手に投資してないと高いリターンを実現するのが困難な時期が続いています。いずれも無配ないし低配当ですから、高配当株投資を実践している投資家は大体市場平均に負けているはずです。あ、私もその中の一人です。

なんか毎年毎年バロンスなどで「バリュー株の時代が来る」、「エネルギー株の復活は近い」というニュースを年初に見てる気がします。

いつ来るんじゃい!?って感じですw。あと10年来ないかも。そんなに待てんわ。はよ来いや。まあ、最近は私のポートフォリオもグロース株の割合が増えたのでどっちでもいいけどね。

給与所得があればこその外国税額控除

そんな不人気の高配当株投資ですが、実は資産形成期のビジネスパーソンと相性が良い面があるんです。それが税金。

ご存知の通り、米国株の配当には約30%の税金がかかります。米国で10%、日本で約20%です。日米で二重課税されていてあまりに株主が可哀想ということで、米国に支払った10%相当は確定申告をすることで戻ってくる制度があります。外国税額控除と言います。

たとえば、保有する米株から額面で年100万円の配当がある場合、約30万円の税金(米国10万円、日本20万円)を一旦支払いますが、確定申告することで米国に納めた10万円は戻ってきます。

これは税金還付制度なわけですが、あくまでも「税額控除」です。給与所得などで所得税を支払っている場合、その税額から控除してあげるというものです。何が言いたいかというと、配当以外の何らかの所得がないと外国配当税は還付されないということです。

若い内はグロース株のキャピタルゲインで資産を増やして、リタイア後にインカム投資に移行するというのも一つの投資戦略かと思います。ただ、リタイア後の米国株の配当には約30%の税金が丸々かかってくる点には留意した方がいいです。10%の還付申告はできません。なぜなら、リタイア済みで給与所得がないからです。もちろん、自分でビジネスをやって事業所得などがあれば話は別ですが。

控除すべき所得がないと外国税額控除は使えません。常に安定した給与所得があるサラリーパーソンは、安定して外国配当税を控除できます。そこは現役時代にインカム投資(外国株)をするメリットの一つかなと思います。

グロース株のありがたみを感じているところだけど、配当株投資もいつか報われることを願う。

配当株投資があまりに不人気なので、なんかポジティブな側面ないかなあと考えこんな記事を書いてみました。と言っても日本での約20%の税金はかかるわけで、配当株投資が税務的に非効率である点は変わりませんが。

ちなみに、私はこの5年間で30万円強の外国税の還付を受けています。2019年度の還付は10万円ちょいだったかな。払った税金が戻ってきただけなのに、なんだか臨時収入な気がして嬉しいもんですよ。

インカム投資のメリットを感情論で語ることが多いのがちょっと虚しいですw。

が、やっぱ私はインカム投資が好きですねー。最近はほどほどにしてますが。インカムの優先を落としてアップルやマイクロソフトに投資したところ、トータルリターンは改善しました。

高配当株投資ってその性質的に成果が出るのに長い時間が必要なんです。そこは言っておきたい。性質的にって言うのは、配当は毎年数%と安定している反面、キャピタルゲインみたいに1年で+60%とかあり得ないという意味です。

もちろん、だからって長期間あれば高配当株(≒バリュー株)が必ずグロース株をアウトパフォームするわけじゃないですけどね。未来はわかりません。悩んだ末に私が行き着いた答えはバリュー株とグロース株の分散投資でした。