夫が不倫したら、妻は夫よりも不倫相手の女を憎むと言われます。私は女じゃないので本音のところはわかりませんが、何なくそれは当然のことだろうなあという気がします。

最近は共働きが当たり前です。夫が働いて給料を家に持って帰って、妻は料理などの家事をして夫の帰宅を待つ、なんて生活は時代錯誤ですよね。今は女性もバリバリ働いて稼ぐし、周りを見てるとメンズの平均的な家事力(女子力?)も上がっているように感じます。私は全然ダメですけどねw。私はパートナーにバリキャリを求めはしませんが、専業主婦は勘弁してほしいです。少なくとも子どもがいない間は、最低限自分の食い扶持くらいは自分で稼いで欲しいです。もちろん、私も家事やります。

そういう男女平等な価値観が支配的になっているということは重々承知していますが、本能的には女性は男の財力を頼りにしたい気持ちがあると思います。既婚女性はどこか落ち着いている印象、というか余裕感を感じることが多いですが、それはきっと「資産」を手に入れているからです。旦那という「資産」を。

ここでいう「資産」とはロバート・キヨサキの言う「あなたのポケットにお金を入れてくれるもの」という意味です。夫が毎日頑張って出勤して稼ぐ労働所得は、妻にとっては資本所得みたいなもんです。

もちろん、それは逆も言えるんですけどね、共働き前提なら。妻の労働所得は夫の資本所得と。ただ、男はあんまりそういう考えは持たないですよね。4つ下の同僚の女性(独身)は「合コンとかで男性と知り合ったら、勤務先聞いて生涯年収をざっくり計算する。それは女子として当然!」とこの前言ってました。それは男にはない発想です。相手の女性の職業を知りたいと思うことはあっても、収入の多寡はあまり興味ないです。少なくとも私はそうです。

女は男に経済資源を提供してくれる「資産」としての役割を期待しています。お互い働いていて財布が別々だったとしても、特にいざという時養ってくれるかどうかという点で、多かれ少なかれ女性側にはそういう意識があるんじゃないかと思います。

だから夫の不倫は盗難事件なんです。夫という「資産」の盗難です。盗まれた夫が悪いのではなく、盗みを働いた不倫相手が悪いと思うのは自然です。資産をきちんと管理できてなかった自分を責めることもあるだろうし、盗まれた資産たる旦那を叱責したくもなるでしょうが、やはり怒りの矛先は盗難を図った女に向くのでしょうね。

子どもの頃、2度自転車を盗まれたことがあります。1回は路駐だったから仕方ないにしても、2回目はちゃんと駐輪場に置いていたのに盗まれました。母親からはなぜか「盗まれたあんたが悪い」と怒られるし。いやいや、どう考えても他人の自転車を盗む奴が悪いでしょって子どもながら納得できなかったです。

私が自転車を盗んだ奴を憎むのと、妻が旦那の不倫相手を憎むのは同じ論理じゃないでしょうか。

労働に頼らない経済資源を手に入れたいという思いは男女問わずあると思います。生活保証という意味では女性の方がその願望は強いかも。女性にとって結婚というのは生活保障の役割を果たしている面があります。やはり世の中見渡すと、男側の経済力が強いケースの方が多いですし。

30代で年収800万円で正社員で清潔感があって・・・、とか高望みをするから結婚できないのよ、もっと理想を下げないと結婚できないよ、とかそんなことが巷で言われることがあります。それは正論なんでしょうが、女性に理想を下げろと迫るのはかなり難しいことです。パートナーに「資産」としての価値があるかないかを、女性は無意識であれシビアに査定しているものです。一夫一妻制は平均的な女性にとって、必ずしもメリットのある制度とは言えません。

世の中、厳しいもんだと思います。誰しもこの資本主義経済という「ゲーム」をいかに有利に進めるか考え悩んでいます。『金持ち父さん貧乏父さん』を読んでなくても、資本を蓄積することがゲーム攻略の鍵だと勘の鋭い人は気が付きます。株式や不動産だけでなく、旦那も資本になり得ます。マッチングアプリでドロドロの駆け引きが行われるのは仕方ないこと。生存競争です。

私たち男子は基本的に、資本蓄積をパートナーに頼るという選択肢はありません。親が資産家でなければ、自分で資本を築くしかありません。自分の努力次第で運命に左右されることはありません。占い好きに女性が多いのは、資本主義ゲーム、遺伝子の生存競争の勝敗が運命に左右される要素が相対的に大きいからだと思います。男はすべて自分の勉強、行動次第ですね。客観的に現実をみつめる力が大切。おみくじの結果に一喜一憂してもしゃーない。