株式投資は人生を楽しむ手段だよな。
倹約ばかりして、株式投資でコツコツ資産を積み上げること自体に喜びを感じていはダメだな。

ってなことは、最近というより以前からふつふつと心の中で考えていることでした。

配当金を再投資することも大切だと思います。ですが、普段行かない鉄板屋さんに行ったり、旅行に行ったりした方がいいんだろうな、そういう配当金の使い方をした方が後悔のない人生を送れそうだなって考えていました。

ということもあって、昨年2016年の冬に配当金でPS4を買いました。

子どもの頃からテレビゲーム結構好きなんですが、社会人になってほとんどやらなくなりました。大人になってもゲームは好きなんですが、どうしても他に優先することがあって時間がなかったです。あと一緒にゲームをやってくれる友人もあまりいないというのもありますね。

久しぶりにゲームでもするか~と思って昨年末にPS4を買いました。

この時、一つだけ自分の中で約束を決めました。それはサッカーゲームだけしか買わないということです。理由はあまりにゲームに時間を取られないようにすること。サッカーゲームならRPGみたいにドはまりして、ブログを書いたり友人と会ったりする時間を奪われないと思ったのです。
(子どもの頃のようにRPGに熱中するのも素敵な時間の使い方だと思いますけどね!)

そう決めたのですが、やはりゲームの誘惑には勝てず、ちょくちょくサッカーゲーム以外も買っていました。例えば、メタルギアソリッドというスパイゲームを買いました。これは適度な難易度で楽しくプレーできました。

で。最近、とあるPS4のゲームソフトを買ったのですが、これがあまりに難しすぎで辟易しました。

ダークソウル3というゲームです。
約4千円しました。中古です。

世間的には評価が高いらしいですが、私にとってはくそゲーでした。あまりに難し過ぎて全くクリアできません。終盤が難しいとかならわかるのですが序盤から激ムズです。

口コミ見てから買ったので、難しいのは知ってました。それでも買いました。ゲームは結構得意な自信があったので。小学生の頃とかたくさんアクションゲームやったし。スーパーメトロイドとかドンキーコングとかさ。

でも・・・

このダークソウル3というゲームは次元が違いました。無理です。こんなのクリアできる人いるのか!?っていうレベルです。しかも序盤から。雑魚敵強すぎ。

私はこのダークソウル3を損切りしました。2時間ほどプレーして「あ、これ無理や」と判断して電源切りました。それ以来やっていません。もしクリアできたら快感かもしれませんが、それでもそこに到達するまでがストレスフル過ぎる。

 

 

さて、人はどうしても元を取りたがる性質があります。元を取ろうと躍起になって、結局全体で見れば損していることも多々あるように思います。

食べ放題に5千円払ったんだから腹一杯になるまで限界まで食べてないとと思って食いまくったら、翌日腹が重すぎて動けない・・。もう飲みたくないけど、飲み放題だからラストオーダーでもう1杯注文して一気に飲み干したら、翌日二日酔いでしんどい。
こういったことは経験ある人も多いのでは。

企業も元を取りたいがために経済合理性に反する行動を取る時があります。

M&Aで今まで散々財務デューデリや人事デューデリをやってコストを掛けてきたけど、最後の法務デューデリで怪しい偶発債務を発見してしまった。これはもしかしたら買収企業に大きな損失をもたらすリスクがあるかもしれない。このM&Aを破断すべきか!?
今まで億単位の調査費用を払ってきたのに、ここで買収プロジェクトをストップしたら今まで労力とお金が無駄になるじゃないか。あくまでも”偶発”債務だろ大丈夫さ。M&Aは決行だ!

こういった企業行動は普通にあると思います。企業だって感情ある人間が経営して意思決定しているわけですから。企業は感情で意思決定してファイナンス理論で正当化しがちです。

こういった過去にすでに支払った費用に囚われて意思決定を誤ることを、サンクコスト(埋没原価)バイアスと言います。

日常生活でも、サンクコストに囚われないことは大切だと思います。

たとえば、冒頭で例を出したテレビゲームを考えてみます。4千円も払ってゲームソフトを買ったけど、そのゲームをやってみたらくそゲーだった。

そんな時どうしますか?

「くそゲーだけど、4千円も払ったんだからもうちょっとやってみよう。もったいないし。」という発想を抱く人は多いかもしれません。

ここではゲームソフトを買うのに支払った4千円はもはやサンクコスト(埋没原価)です。もうその4千円はどんだけあがいても返ってきません。その4千円はあなたの意思決定からは除外すべきです。その4千円の支払は完全に忘れた上で、そのゲームを続ける価値があるのかを判断すべきです。

でも人は往々にして4千円払ったことを忘れることができません。
支払ってから経過した日が浅ければなおさらです。

それは人間の感情だから仕方ありません。人間がこの4千円に囚われがちだからこそ、サンクコストバイアスなんて言葉が生まれるわけですから。

だから、サンクコストを無視するように自分で意識する必要があると思います。

でないと大切な時間を無駄にしてしまいます。お金よりも時間です。テレビゲームや読書のコストは、明らかにお金ではなく時間です。特にテレビゲームは嵌ったら100時間プレーすることもあり得えます。適当に1時間2千円だとすると、100時間だと20万円です。

本当に心から楽しいと思えるゲームだったら100時間プレーしても後悔ないと思います。でも、やっててもワクワクできないゲームを100時間もやるなんて時間の無駄です。100時間は言い過ぎだとしても、10時間でも無駄です。そのゲームに4千円払ったからって、くそゲーに10時間も消費するのは時間の無駄です。

時間の使い方ってあまりに神経質になると逆に疲れます。考え過ぎる必要はないと思います。ですが、時間はお金よりも軽視されがちな気がします。時間は貴重資源です。サンクコストに囚われて、あなたの貴重な時間が無駄にならないようお気を付けください。