いくら保有マンションが値上がりして含み益があっても売らなければ意味がない、とよく言われます。
これは同意します。
売らなければ意味がないというのは株式などの金融資産でも同じと言えば同じです。いくら莫大な含み益を持っていても、ニヤニヤとネット証券の画面を眺めているだけでは意味はないです(それはそれで悪くはないですが笑)。
ただ金融資産は一部資金化が容易です。簿価1000万円の株式が長年の複利運用で5000万円に成長したとして、うち500万円だけ取り崩して車買うとか、豪華なハワイ旅行に行くとかできます。
アンパンマンが頭の一部をちぎって渡すかの如く、ちょこっと売って、それで「人生の楽しみ」を買うことができます。
不動産はそれができません。売る時は全部売らないといけません。ゼロイチの世界です。
いくらバランスシート的には豊かになっていようとも、資産の大半が固定資産だと、それは本当に豊かになったと言えるのか怪しいところがあります。
カネがすべてと言いたいわけではありません、純資産価値を最大化してもそれが一生消費に結びつかないのはどうなんだろうと思います。
なので、不動産は株式以上に出口戦略が重要かなと思います。
ホームエクイティ(住宅価値と残債の差額)を膨らましつつ、どこかでそれを少なくとも一部は流動化したいと個人的には考えます。
そのためには老後は賃貸に戻るのが一案。そうすれば持ち家時代に蓄えたホームエクイティをすべて吐き出せます。
ただ高齢者は家を借りづらいという話も聞きますし、心情的にも持家に住みたい気持ちはありそうです。となると、グロスを抑えた物件に住み替えるという案になるでしょうか。
子供が巣立って夫婦二人、あるいは色んな事情で単身になっていれば、ファミリー時代よりも自宅が狭くなっても満足度はさほど下がらない可能性があります。あるいはより安い立地に移るか。
とにかくマンションすごろくのゴールが純資産価値の最大化だと、なんか違うかな~と思うんですよね。まあまだ最初の物件買って3ヶ月の私が考えることじゃないですが。
いつも参考になる記事ありがとうございます。
Hiroさんは、今後の不動産価格について(特に東京都心部マンション)、どのようにお考えでしょうか?
Hiroさんがご購入されたマンションは幸い既に購入価格から値上がりしているようで含み益状態とのことですが、今後も東京都心部マンションの価格は値上がりし続けるとお考えでしょうか?
若しくは、日本も黒田総裁退任後にまさかの利上げで住宅ローン金利が上昇し、不動産の買い手が減少して相場が崩れるようなことも想定されていますでしょうか?仮にそうなると、含み損(売却価格<ローン残債)を抱える人が溢れそうですが・・・
こんばんは。
ご質問ありがとうございます。
ここから10%20%と上がる可能性は低く、今の水準を維持していく程度ではないかと予想しています。
この10年不動産価格が上がってきたのは金利が下がってきた影響が大きいですが、さすがに金利はこれ以上下がると思えないです。
世界的には利上げの動きですし。
かと言って、世界経済が大きなリセッションに見舞われるようなことがなければ、価格が下がる理由も見当たりません。
都心のいい立地はすでに商業住宅に使われており新築マンションの供給には限界がある一方で、コロナ禍が住宅需要を押し上げています。
円安を利用して中華が買っているなんて噂も聞きますが、私の感覚的にはまっとうな国内実需が大半です。
ただおっしゃる通り、金利が一番のリスクだとは思います。
ご回答ありがとうございます。
私もここから不動産価格がグイグイ上昇する可能性は低いと見ています。
この10年間の不動産価格の上昇は、金融緩和による低金利の後押しが大きかったですからね。未来永劫、金融緩和が続くわけでもないですし、それが終わった後に不動産市場がどうなるのか興味あります。
でも、Hiroさんのようにある程度金融資産がある方なら、仮に多少金利が上がったとしてもやろうと思ったら繰り上げ返済もできるし、そこまで影響ないかもしれませんね。問題はほとんど金融資産ないのに、フルローン組んでカツカツな層とかでしょう。。
不動産はバランスシート面の健全さとキャッシュフローの健全さが乖離しがちだなと思います。
いくらBS純資産価値は大きくとも、資金かつかつだと、所謂黒字倒産のリスクが高まります。
債務不履行までいかずとも、それを恐れながらギリギリの生活だと幸福とは言えませんね。
資産価値を重視して無理にフルローンを組まずとも、ほどほどの物件を余裕のある資金繰りで購入した方が幸せだと思います。