レバレッジ投資=時間分散という発想に感動
初めてレバレッジ投資に興味を持ったのは橘玲さんの『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術』という本を読んだ時です。20代前半だったかな。
世界経済は長期では右肩上がり。世界分散株式投資は長期でほぼ確実にリターンをもたらす。であれば、レバレッジをかけて世界の株価指数に投資するのは極めて合理的だ。
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こんな感じのことが書かれていました。なるほど~、確かにそれはその通りだな。レバレッジ・インデックス投資を続ければ経済成長の波に乗って、早く億万長者になれるのではとワクワクしてました。
が、やはりレバレッジ投資といえど、その本質は借金に変わりはなく、自分のリスク許容度を超えた投資法だと思い、悩んだ末に断念した経緯があります。
それから数年が経たった昨年、とある書籍を読んで、再びレバレッジ投資熱が再燃しました。『ライフサイクル投資術』という書籍です。昨年10月に記事を書きました。
黄金の扉を開ける賢者のレバレッジ投資術(ライフサイクル投資術)
発想が斬新で感動しました。『ライフサイクル投資術』はレバレッジ投資=時間分散なんだと説きます。投資家人生全体における株式エクスポージャーを均等にするために、若いうちはレバレッジを掛けてでも株式比率を上げ(ただしMAXで200%まで)、後期には一部債券を組み込んで株式の比率を落とすというもの。投資元本が少ない20代、30代の間は積極的にレバレッジをかけるよう推奨しています。
レバレッジ投資とはリスクを高めて期待リターンを高める方法だと理解していましたが、この本を読んで考えが一変しました。レバレッジを使うことでリスクを上げることなく、期待リターンを高めることができる。面白い発想だと思いました。
でも、読んだだけで結局やらずじまいで今に至ります。
理論的でも実践的でないと意味はない
最近、コロナショックの件で株価は大きく調整していますね。ダウは高値から20%下落し11年続いた強気相場は終焉を迎えました。S&P500指数も時間の問題でしょう。ゴールドマンサックスはS&P500が2,450までは下がると予想しています。20%どころか30%に迫る下落率です。
2013年から株式投資を始めましたが、これまでにない暴落(まだ暴落とは呼べない?)を目の当たりにしてちょっと動揺すると同時に、ふとレバレッジ投資の件が脳裏をよぎりました。書籍でレバレッジ投資の有用性を学んだのに実践できなかったのは、米株の高いバリュエーションが気になったのも大いに影響しています。株価が落ちて高バリュエーションが剝がれ落ちそうな今こそ、レバレッジ投資を再度検討すべきではと。
しかし、それは、もはや『ライフサイクル投資術』で学んだ時間分散の発想とは程遠いです。レバレッジ投資=時間分散というのは、こういう一時的な調整があることを踏まえつつも、予めレバレッジをかけて株式の比率を上げておく投資法です(最大でも200%)。そういう哲学です。
私が今からレバレッジ投資をやるとしたら、それは時間分散というよりは、ただ追加のリスクを取ってたくさん金を儲けたいという欲望でしかありません。やっぱりそういう発想になってしまいます。レバレッジはリスクテイクの手段であって、株式エクスポージャー均等化の手段にするのは難しい。そう感じてます。
たとえ時間分散という投資哲学のもとでレバレッジ投資をするとしても、今のような悲観一色の相場を前にしては逃げ出してしまうかもしれません。耐えられずに。
以下はS&P500の3倍レバレッジのSPXLの過去5年の値動きです。
私はリスク資産は株式100%(個別株80%、ETF20%)です。現金比率は6%ほどなので、フルインベストに近いです。個別株は生活必需品セクター、ヘルスケアセクターが多めでそこそこディフェンシブにしたつもりです。ですが、今回のコロナ問題に端を発する弱気相場で、結構しんどい思いをしています。やはり下げる時はあらゆる銘柄が下がりますね。今のリスクテイク量が自分の限界だと感じます。
レバレッジ投資に限らない話ですが、理論と実践は異なります。ハリー・マーコウィッツの現代ポートフォリオ理論は、理論的でありかつ現代では実践的でもあります。なぜなら、株式、債券ともに市場全体に投資できる低コスト商品がたくさんあり、かつそれは投資家が安心して持ち続けられるものだからです。 バンガード創設者のジョン・C・ボーグルの功績もあります。
『ライフサイクル投資術』の著者は「分散投資に二度目の革命を起こしたい」と語っていましたが、それは難しいかなと思います。というのも、理論的だけど実践的ではないからです(私にとっては)。やはり、今回のような大きな調整局面ではレバレッジ商品の下落率は当然に大きくなります。それに耐えられるメンタルがある強い投資家はよいですが、私のような並みの投資家には耐えがたいボラティリティです。
書籍などで投資理論を学ぶのは大切ですが、それが継続して実践可能かという視点も大切だなと今は思っています。マーケットに居続けることが最重要ですから。
生活に支障のない余裕資金の範囲内でレバレッジをかけずに優良株に分散投資というのが私の精神力で続けられる投資法みたいです。これでも株式100%なんだから、世間的に見れば十分過ぎるほどハイリスクですけどね。今のところ狼狽売りすることなく耐え凌ぐことができています。
というわけで、レバレッジ投資はお蔵入りとします。でも、『ライフサイクル投資術』の発想はとても勉強になるので一読はオススメしますよ!
黄金の扉を開ける賢者のレバレッジ投資術(ライフサイクル投資術)
こんにちは
こう言う先行き不透明な下落相場は色々と雑念が頭によぎりますね。
確かに、レバレッジETFは動く相場では魅力的に映ります。
私の場合、どうせ下げ相場……落ちるナイフを掴むな…の格言に従うなら今月は静観かなぁとも思いましたが、微妙です。
おそらく、強気になる要素が見つから無いなら……リスクを取ってベア型レバレッジETFに今月の資金と貯まった配当金で買うのが正解かもと思い始めでます。
皆が資産売却して現金化する流れが続くならベア型レバレッジETFは順張で正当化できるかと。
今、逆張で普通に現物株やVIG、QQQのETFを買う勇気が出ないなら……順張でベア型を、そしてリスク拡大するならレバレッジでベア型。
うーん、長期投資のポリシーに反するけど……普通に黙って耐える、か…それとも、リスクを取って積極的に耐えるか…順張も逆張も色々と考えたくなりますね
こんにちは。
2度目のサーキットブレーカー発動しましたね。
1日の下落率ではリーマンショックを超えました。
まさか今年こんな相場を経験できるとは思ってもみませんでした。
これだけボラティリティ高いと静観が安全そうですが、手を出したい衝動に駆られていますw。
と言っても、それほど資金はありませんが。
個人的にはマーケットは流動性危機を懸念しているのだと思います。
その懸念は至極全うなものですが、きっと米政府、FRBが動いてくれると思います。
金利も低いですし財政支援の余裕はあると思います。
お疲れ様です。
私も200万ほどの含み損です。
あっという間でした。
しかし米国株ならまた上がるだろうと思っています。少なくとも日本よりはマシな成長が得られるはずと考えます。家族も気長に待てよと理解があり、ありがたいです。
開けない夜はないので、ゆっくり待ちましょう。
本当にあっという間でしたね。
事が起きてから優良株を買うのではなく、優良株ポートフォリオは事前に作り込んでおく必要があるなと改めて感じました。
ご家族の理解があるの羨ましいです。
過去平均のPERくらいまで下がった感じです。これくらいのバリュエーション修正は起こっても不思議じゃないですね。
コロナウイルスがカタリストになって高PERが調整されたなあという印象を持っています。
こんばんは。
レバレッジETFは米国で規制の動きもある様ですしね。
含み損状態で上場廃止にでもなったら目も当てられません。
Hiroさんが仰る通り、自身の余力を持って市場に居続け、来たるべき次の強気相場の恩恵を受けなければ意味が有りませんよね。
今夜も相当荒れそうですね。。
こんにちは。
初耳です。
レバレッジ商品が規制される可能性あるのですね。
気長に配当再投資を続けていきたいと思います。
含み損はしんどいですが焦りはないです。
こんばんは。
野村証券が信用取引(制度信用・一般信用)の金利0.5%を打ち出してきましたね。
やるかどうかは別として検討の余地はあると思います。
こんばんは。
情報ありがとうございます。
金利0.5%は検討の余地ありますね。
私もググって調べてみます。