「会社経営者は商品そのものの優劣よりも、それをプレゼンする営業マンの質を見極めたがる」という話を書籍で読んだことがあります。

私はそんな視点を持ったことはありませんが、所謂「できるビジネスパーソン」は商品よりも人を見る傾向があるそうです。

最近その理由がなんとなくわかった気がします。その理由とは商品よりも人を見極めた方が効率的に意思決定できるからです。

経営者とかはとにかくスケジュールみっちりで多忙なので、商品そのものの質を自分で確かめる時間なんてないんですね、きっと。だから信用ある人の提案を自己責任で受け入れるしかないのかなと。

最近、家具、家電と高額な商品を爆買いしてます。

その中で思ったのは、どの商品が自分にとってベストなのか決めるのが大変、というか情報がなくて決められないということです。

エアコンなんて家電屋に行ったら同じ14畳タイプでも20も30も種類があります。この中でどのメーカーのどのモデルが私たちに合っているのかなんてわからないです。エアコンを買うのは今回が初めてだし。

じゃあ、なんら面識のない家電屋の営業マンが言っていることを鵜吞みにできるかと言われればそれはNOです。いい人なのは伝わってくるのですが、とは言え向こうもビジネスですし、基本は粗利の高い商品を優先的に推奨するのではないのか。

そう疑ってしまいます。決して人として疑っているわけではないのですが。

マンションにしろ家電にしろ、営業マンの言っていることを丸っと信じてえいやー!で買ったことなんて一度もないです。

何度も何度も店を訪問し、ネットでググって口コミを見て、YouTubeで専門家の意見も聞いて、んで70%くらい理解したところで「ここまで調べたからもういいや!」で買った感じです、どれも。

こんなことができるのは私が暇人だからです。土日はほとんど用事が埋まらないので、じっくり考えて毎週末お店に行く余裕がありました。

しかし、多忙な人はこんなことできません。お金を無駄にしたくない気持ちは誰しもありますが、時間も同じくらい大切です。

売り手と利害関係がない独立した立場、あるいは自分と利害を共有している立場にあり、かつ深く信頼している人からのアドバイスをもらえれば、その通りに買ってしまおうとなるんじゃないでしょうか。

あいつが「エアコンはD社のZがいいよ」と言ってるんだからそれを買っておこう、自分で検討する時間なんてないし、みたいな感じで。

大企業の経営者は戦略コンサルのプレゼン資料よりも、プレゼンターであるコンサルタントその人の言動に注目すると聞きます。

それは一度特定のコンサルタントを信頼できると評価できれば、他の案件でも「彼が言うなら信じて決断しよう」と効率的に意思決定できるからなのかなと思います。

時間がなくて忙しい人ほど商品よりも人で判断する、というか忙し過ぎて人で判断せざるを得ないのかなと思います。

私みたいな平凡暇人には不要なスキルでした。